カテゴリー別アーカイブ: イメージ画像

紅葉(もみじ)色、落ち葉色の布やタッセル&季節のフレーム

よく晴れた11月のひんやりと澄んだ空気の中、太陽の光を受けてきらきら輝いている赤やオレンジ、黄色の紅葉の色はちょっと言葉では表現できない美しさ。

この瞬間を画像に残そうと一生懸命写真に撮っても、「あーあ、こんなものじゃなかったのに・・・」とがっかりすることばかりで、紅く染まった木々に囲まれたあの幸福感は体感でしか味わえないことを思い知らされます。camidecor1803-18

なので、今回は目立たない場所の秋の色を。・・・たとえば、塀や外壁にからんだ蔦(つた)の色や・・・

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土に還る前の楓(かえで)の朱色、橙(だいだい)、黄色。

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大小さまざま色とりどりの落ち葉や松葉は、「吹き寄せ」という料理や秋のお菓子を思い出します。

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下は2012年に撮った、布や紙、ブレ―ドやタッセルなどの画像(メインサイトに掲載したもの)。

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今年たまたま遭遇した階段の落ち葉と配色が似ています。

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夏見ると、かなり暑苦しく感じる赤やオレンジの配色も、秋冬なら大丈夫。

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寒い季節は炎を思わせる赤い色を見ると、心身ともに暖かくなる気がします。

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好きな布やペーパーをフレームに入れて飾るのは簡単に作れるインテリアアクセサリーの1つ。季節に合わせて色を変えたり、小物と組み合わせたり。カルトナージュの箱と柄を合わせて飾ってもいいし、小さなスペースの演出にもおすすめです。

 

梅雨明け前のピンク色ーチェック柄と蛇腹のファイルケース

初夏から夏にかけては、画像も作品もブルー、グリーン、パープル系ばかりになるので、ここでピンク色を少し・・・。

過去のレッスンページ、2007年-2008年の欄に載せたピンク系の作品。カルトナージュの箱やバッグ形のケース、ピンクッションまで、10個のアイテムを一緒に撮った時の画像です。

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カルトナージュの箱物やバッグの他に、2007年の春の雛祭りの前に作った菱型のピンクッション(菱もちに見立てて)なども。ピンクの箱は両側から開きます。

トンネルのような蓋がついた箱に使ったのは、旅先で買ったピンクとグリーンのチェック柄。もう入手できないようなので蓋部分だけに少しずつ使用・・・。ラナンキュラスが無造作に入っているのは「バケツ型のフラワーポット」です。

右奥の薄いピンクのバッグタイプのアイテムは蛇腹ファイルの大型書類ケース。中に入れたいものがあって自分用に作った、アタッシュケース風のファイルバッグ。

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蛇腹のファイルを作るレッスン課題は4種類あって選択制※。

内部の蛇腹も外側に合わせて手作りする課題ですが、教室では長い間おなじみの「バッグ形蛇腹のファイルケース」と「蛇腹のカードケース(ミニタイプ)」の2つを受講される方がほとんどです。

<蛇腹のファイルケース4種類>

A:蛇腹のファイルA(シンプルタイプ/葉書サイズ)、B:バッグ形蛇腹のファイルケース、C:蛇腹のカードケース(ミニタイプ)、D:バッグタイプ大型の書類用ケース

画像など別の機会にあらためて紹介したいと思いますが、こちらのページにも皆さまの作品を少し載せています。

紙で作る冬のオーナメント(2008)とモミの木のリース-木の香りに包まれて

過去のクリスマスの画像より。2008年に作った紙のオーナメントの一部です。

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左上は、紙で作ったミニツリー、ランプシェード(塔のある教会)。

エンジェルのフレームやオフホワイトのリボンワークの箱、クリスマスカードが入る薄型ケースはカルトナージュ教室の課題アイテムです。

Camidecor1366紙のミニツリー(モミの木)は、ざくざくと木の形をカットして、3枚を組み立て立体にしたもの。フリーハンドでカットしたのでいびつですが、金のラメの粉を少しふりかけて、控えめながらも”きらめき”を加えました。

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シルバーの小さなモミの木も、一緒に作った紙のオーナメント。 円柱のツリーは合皮製。ゴールド、シルバー、シャンパンカラーの3色で作った3つのサイズをHPに載せています。

モミの木はクリスマスにかかせない常緑樹。

2007年の特別講座で、Oさんからワイヤーやグルーをほとんど使わないクリスマスリースの作り方を教えていただいて以来、毎年12月のリース作りは1年のしめくくりの大事な作業になりました。

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リース作りの楽しさは、その年の気分に合わせ、好きな材料を使って自由に作れること。Camidecor1371

秋に拾った松ぼっくりや木の実、手作りのドライオレンジ(薄く切ってヒーターの前で乾燥させます)、鉢植えのコニファーの枝やハーブの枝など、できるだけ自分の身の周りにある材料を加えるようにしています。

日本伝統のお正月飾りとクリスマスリースにはそれぞれ意味がありますが、興味深いのは共通点が多いこと。寒く厳しい冬でも緑鮮やかな常緑樹のようでありたい、という人々の思い、そして新しい年への願いが感じられます。

リース作りは針葉樹の香りに包まれて1年を振り返りながらゆったりと…というのが理想ですが、現実はバタバタと・・・。今年もリース作りは終えたものの、作りたかった布のオーナメントはまた来年になりそうです。

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秋の茶色とブック型の収納箱

暑さが厳しい夏の間は、過去の作品画像の整理のためにパソコンに向かうのがどうしてもつらく、こちらのページの画像アップも2ヵ月以上の長い夏休みとなってしまいました。

10月の青く澄みわたった空や、すがすがしい空気にエネルギーをもらい、実りの秋を楽しみたいところですが、台風発生のニュースで今後の天候が心配です。

画像整理の再開の前に、まずは初夏のイメージのままのHPに少しばかりの秋らしさをと、下の茶色とブルーのイメージ画像を載せてみました。(2013年秋としていますが、実際は昨年撮影したものです)

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秋の色というと、個人的に思い浮かぶのは、色づく葉や実の色、野菜や果物が熟した濃厚な色。りんごの赤、かぼちゃや葡萄、橙色や朱色に染まる木々の葉。そして、栗やきのこ、枯葉、木の実、焼き菓子などの茶色です。

茶色をあらわす色名には、マロン、チョコレート、ココア、シナモン、飴色、小豆色など美味なものが多く、その仲間にはマスタード(芥子色)、蜂蜜色、琥珀色、ワインカラー、ボルドーなども。まさに茶色は食欲の秋の有能な脇役といってもいいかもしれません。

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さまざまな生命を育み、それらが朽ちていった後も受け止め、再び自然の恵みのベースを育てる大地と土の色。茶色は温かさを感じさせほっとする色でもあります。

昔から住居には石や煉瓦、土や木や植物など、その土地ならではの材料が使われてきましたが、かなりの地域で多く使われてきたのが茶系やその仲間です。時代や流行が変わっても茶系がインテリアのアクセントとして根強い人気を誇っているのは、雨風から人間を守り、家族の団らんの背景となってきた住居の色が私達の遺伝子の記憶に刻まれているからかもしれません。

さて、下の画像は少し大きめのブック型の箱。使った布はTHEVENON社製の”Ludivine”というToile de Jouy(トワル・ド・ジュイ)で、”薔薇のガーランドや天使、ブランコに乗る少女の柄でおなじみのフランスの生地です。

Camidecor1336色のバリエーションが豊富な人気の生地ですが、大きめの箱ということもあり、淡い茶色がベースの ”Naturel”という色番を使い、さりげなく室内のアクセサリーになってくれるように仕上げました。Camidecor1337

内側も淡い茶色とオフホワイトで仕上げ、中に入っているのは茶系のブレードとタッセルです。イガ栗やどんぐり、茸が入っていればもっと秋らしかったのですが・・・。

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最初に紹介したイメージ画像には茶色とブルー系を組み合わせていますが、日本の10月初旬の主役はなんといっても青く澄んだ秋の空。穏やかでさわやかな日が1日でも多く続くよう願っています。

 

 

水無月と三角形-ジュエリー展の備品イメージ

ついこの前新年を迎えたと思ったのに、あっという間に6月末。もう半年が過ぎようとしています。

振り返ってみると今年の1月は、国際ジュエリー展の備品協力のために慌ただしく、教室を休むことになってしまうというスタートでした。教室の皆さんにご迷惑をおかけしたので、せめて画像で報告を・・・と思っていたのに、作品を届けた直後に尾てい骨を打撲するというそそっかしい怪我・・・。ほぼ徹夜で仕上げたものもあったにもかかわらず、会場でのディスプレイ画像を残すことがかないませんでした(涙)。

打ち合わせに使ったイメージ画像や作品画像などは残っていますので、少しずつ紹介していきたいと思っています。下の3枚はイメージ画像の一部です。

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画像の中で三角形に重なっている布や小物類は、色やテクスチャーの全体像をチェックするためのもの。年末年始をはさんでの慌ただしい作業で、プレゼンテーションボードを作る時間がないため、打ち合わせツールはイメージ画像のみ。

インテリアの仕事の際も、壁紙、フローリングやカーペットなどの床材、塗装の色、カーテンやクッションなどの布サンプルを並べてチェックするのが大切なプロセスの1つだったので、ちょっと懐かしい作業でした。

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さて、6月30日は、日本各地の神社で「夏越(なごし)の祓(はらい)」または「水無月の祓」がとり行われ、半年の罪や穢れを祓い去り、無病息災を願う日。京都を中心に「水無月」というお菓子を食べる習わしがあるそうです。

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三角形のこのお菓子、白いういろうの部分は氷室の”氷”をあらわし、小豆の部分には魔除けの意味があるとか。中国ではおまじないや儀式に使われることもあったそうです。→小豆のルーツ(芝榮太樓)

そして、三角形も魔除けとして使われてきた形。日本には三角形が規則正しく並んだ「鱗文(うろこもん)」と呼ばれる文様や、弥生時代の土器や銅鐸に見られる鋸歯文(きょしもん)というのこぎりのようなギザギザの形の文様がありますが、単なる装飾ではなく厄除け、魔除けなどの文様として使われてきたそうです。(星のマークやピラミッドなども思い浮かびますね)

さまざまな図形や多面体の基本となる三角形。昔の人にとって三角形は不思議で神秘的な図形だったのかもしれません。

 

南仏のミモザ柄の箱とチューリップ・バブル

日本で春の色というと、桃や桜のピンク色が思い浮かびますが、ヨーロッパの春のイメージは黄色だそうです。ミモザに始まり、水仙や菜の花、イースター(復活祭)のディスプレイを彩る花にも黄色が多くみられます。

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下の画像はミモザとオリーブ、セミ柄の南仏の生地で作ったボックス。箱作りを始めた2003年頃の作品です。Camiadecor21

プロヴァンスの生地は程よい薄さで作業性が良く、 また、鮮やかな黄色やオレンジに元気がもらえるような気がして、当時大小さまざまな箱を作りました。

Camidecor23中央の額の中はチューリップの花。黄色とオレンジ、くすんだ朱赤の3本が描かれている19世紀のオリジナルイラストをポストカードサイズに複製してあるものです。

チューリップといえばオランダですが、もともとは16世紀にトルコからヨーロッパに伝わった花で、その後「チューリップ熱)」とも呼ばれるような一大ブームが起こり、17世紀のオランダでは「チューリップバブル」という現象が経済や社会に大きな影響を与えたそうです。

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絵画やボタニカルアートでよく見かけるチューリップの花。

インテリアエレメント(壁紙や布など)のモチーフとして使われることも多く、19世紀のウィリアム・モリスのデザインは有名で、現代でも親しまれています。

***HPに2013年の春夏のイメージ画像を載せました。チューリップのオレンジ色がベースです。***

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春の光とアプリコットカラー

どこか繊細でやわらかく、少し物憂げな感じがする日本の春の光。「春光うららかな」という表現がありますが、命を育んでくれる温かさも感じます。

そんな穏やかな光と相性がいいパステルカラーやシャーベットカラー。光の柔らかさが今の時期と似ていると感じて撮影日を見たら、ちょうど4年前の3月5日。2007年から2008年の作品を色別にまとめて撮影した時の画像です。

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淡いトーンのアプリコットカラー、杏色。春の花としてすぐ浮かぶのは梅、桃、桜ですが、杏も花と実の両方が楽しめるバラ科の植物です。

左側の花は淡い杏色のヒヤシンス。こぼれ落ちた小さな花を見ていると、当時のヒヤシンスの香りがよみがえってくるような気がします。マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」という小説の中に、紅茶に浸したマドレーヌの香りが幼少期の記憶を呼び覚ますという描写がありますが、反対に映像が香りの記憶を呼び起こすことも多いのかもしれません。

画像の真ん中の作品はマドレーヌ型にも似たシェルの形の箱。2008年、タイシルクで作った作品です。蓋のトップはシルクの上にオーガンジーを重ね、靄がかかったような感じに。

貝殻(Sea Shell)というと夏のイメージですが、春は貝類が美味しい季節。自然の恵みに感謝です。