カテゴリー別アーカイブ: トランクいろいろ

イニシャル刺繍のシェル型トランク(2007)-トランクA3種類より

2007年に作ったレッスン用の課題サンプル、「ペーパートランクA・シェル形タイプ」。トランクAの3つの形の1つで、選択制の課題です。※1

帆立貝をイメージしてデザインしたのでシェル形と名付け、水色のコットンで涼しい感じに・・・。蓋は波を模したラインの枠にイニシャルの手刺繍(下手ですが・・・)を入れています。(蓋を開けた画像はこちらのページの2007年の欄)

Camidecor1518-3

シェルの形といっても、貝殻の形は多種多様。自然の造形美はすごいなあ・・・と感心しつつ眺めていると、海や水しぶきが思い浮かび、ちょっと涼しくなってくるような・・・。

Camidecor1518-5

2014年は7月22日に関東地方の梅雨明け宣言があり、夏本番がスタート。今年も暑い夏になりそうです。

 

※1 ◆ペーパートランクA(3種類)・・・四角形、シェル型、ラウンドタイプ、◆ペーパートランクBタイプ→小さめサンプル大きめサンプル

夏休みの楽しい計画-トランクB(大型サイズ)

昨年の海の日には「海辺の子どもたち」というタイトルで、しっかりと作るトランクB(小型サイズ):2007年制作を紹介しました。今回紹介するのはその大型サイズ。やはり2007年に制作し、メインサイトに掲載してきた画像です。

Camidecor1502

7年前、梅雨入り前のどんよりした時期に撮った画像。夏休み前のわくわくした気持ちや楽しい計画をイメージしたのでしょうか・・・。トランクに布やカードなどいろいろと詰めています。

「わくわく・・・」と書きましたが、大人になると子どもの頃のように手放しに夏休みを楽しむことは難しくなって、夏休みの計画の楽しみは子どもの頃の特権だったなあ・・・としみじみ。楽しいことを優先したばかりに、最後の数日は宿題に追われ、ギリギリ間に合わせるという性格だけは今も昔も同じなのですが・・・。

「トランク」は個人的に大好きなアイテム。金具や革の持ち手のつけ方でがらりと表情が変わるのも面白いし、なんといっても作っていて楽しい。それは、トランクから連想するものが、旅とか、大切な物を入れて持ち運ぶとか、軽やかで遊び心のあるものが多いからかもしれません。

Camidecor1502-1-1gif

<トランクの課題作品とバリエーション>

今までレッスン用に、3種類のペーパートランク(Aタイプ)タッセル用トランクミニトランク(2009年)、トランク型のバッグなどいろいろと作ってきましたが、どれもさまざまなテクニックを学んでいただきたくて、試行錯誤しながら内容を考えたもの。大きさや形が違うだけでなく作り方やポイントが異なります。

Camidecor1502-1-1

こちらの課題(トランクB)のポイントの1つは蓋と箱をぴったり同じに作ること。角がアールになっているので、細部に留意してきちんと作らないと、ずれて隙間が空いてしまいます。

Bois41

上の画像は、教室で受講されたお2人の作品。モノトーンですっきりとスタイリッシュな仕上がりです。→内部画像はこちらから

お気に入りの布で作る、がっちりした布貼りトランクは手作りならでは・・・。売っていそうで売っていないのは、大量生産が難しいからかもしれません。

 

 

カルトナージュのタッセル用トランク-雛道具と房飾りによせて

桃の節句で始まった3月もあと数日。各地から桜便りが届き、日本各地でいよいよ春本番です。

書籍の最終チェックや雑事に追われてあっという間に過ぎていった3月。3月半ば過ぎにはアートコンプレックスセンターで開催された展覧会「人形の館 HAZAMA」でワークショップを担当させていただきました。(・・・ワークショップに参加して下さった皆様、ありがとうございました。このページでイベント告知をする時間が取れず、申し訳ありませんでした)

人形の館の展覧会では、人形作家の先生方の素晴らしい作品から深い感動と刺激をいただきました。(感動や尊敬の思いが溢れて、うまく言葉にまとめられない自分がもどかしい)

書きたいことは沢山あるのですが、出来事や感動したことをタイムリーに表現するのが下手なので、人形展やワークショップについては、もう少し熟成させてから書きたいなと思っています。(下がワークショップの課題「アンティークスタイルの箱」です)

<雛道具と房飾り、カルトナージュのタッセルトランク>

ひな祭りのある3月はお人形にぴったりの月。雅で美しい雛人形や、こまごまとした雛道具に心惹かれるのは子どもの頃も今も変わりなく、雛道具の箪笥の引出しを開けたり、重箱の房をほどいて遊んでみたくなったことを思い出します。

さて、下の画像はトランク型のコレクションケース(タッセル用トランク)の内部。 2008年から2009年にかけて制作し、「カルトナージュBook(2009年マリア書房発刊)」という書籍に載せた作品です。

Camidecor1399

タッセルやリボンなどを収納するために作った少し大きめのトランク。上部には曲面のデザインを少し入れ(下の画像左上)、内部は下段の引き出しに細かなものが収納できるようにしています。

Camidecor1400

この引き出し、閉めると一見同じように見えますが、実はそれぞれ開き方が異なります。引き出しの作り方にはいくつか種類がありますが、この作品では3種類を組み合わせています。

下の画像、ドアのように開いたり、手前に引くタイプがあるのがわかるでしょうか。引き出しの中から色とりどりのタッセルやリボンが顔をのぞかせます。

Camidecor1400-1

十数年前からタッセルを見るとつい購入してしまうクセ(?)があり、結局トランクでは納まらずに100円ショップの透明ケースが大活躍。ここ数年はタッセル熱も落ち着き、ほっとしています。

幼い日に雛道具を見て、「この道具で遊びたい!」という欲求にかられた日を思い出しながら、もしかしたら「房飾り(タッセル)」との初めての出会いも、3月の雛飾りを通してだったかもしれないなあ・・・とぼんやり考えています。

Camidecor1400-2

 

海辺の子どもたち-トランクB(ハードタイプ小型サイズ)

今年はもう終わってしまいましたが、7月の第3月曜日は「海の日」。「海の記念日」だった7月20日が祝日となり、1996年よりスタートした休日です。

ちょうど梅雨明けや夏休みと重なる時期で、いつもは海の日が終わると、夏の暑さ本番という感じだったのに、今年は7月初めの突然の猛暑。ここのところ少し暑さがやわらぎほっとしています。

下の画像は2007年制作のトランクB(ハードトランク)のサンプル。ペーパートランクA(3種)は比較的簡単に作れますが、こちらは難しい手法を学ぶ作品です。(サンプルは大、中、小の3タイプがありますが、一番小さいサイズです)→当時の作品画像はこちらのページ

青紫の紫陽花がバックの下の写真は2007年の5月末、ちょうど梅雨入り前に撮ったもの。

やがて迎える夏をイメージしてトランクに使った布は、5月に載せたTHEVENON社製のToile de Jouy(トワル・ド・ジュイ)、”Histoire d’eau”。 海辺の楽しさが感じられる絵柄を使って、子どもサイズで作りました。

Camidecor1339

布に描かれている”水辺のストーリー”。どのシーンも魅力的で、ついじっくり眺めてしまいますが、子どもたちの洋服の可愛らしさに惹きつけられる人も多いのではないでしょうか。

トランク正面に使っている場面には男の子が4人描かれていますが、その中の2人はセーラーカラーの洋服を着ています。

Camidecor1342

水兵服として知られるセーラー服の歴史は、19世紀半ばにイギリス海軍が制服として採用したのが始まりで、その後、アメリカ、フランスなど世界各国の海軍に広がり、20世紀以降の学校の制服につながったとか。

子供服としての流行のもととなったのは英国王室で、1846年、ヴィクトリア女王の長男、エドワード皇太子(エドワード7世)が4歳の時、王室のクルージングの為にあつらえた新品のセーラー服(ロイヤルヨットの船員とお揃いのデザイン)を着たことで人気となり、流行が世界に広がっていったそうです。

※セーラー服を着た可愛らしい皇太子の肖像は、19世紀の宮廷画家として有名なWinterhalter(ヴィンタ-ハルター)の作品として残っており、セーラー服も美術館に保存されています。

Camidecor1340

トランク外側はストライプを使ってマリンのイメージにしましたが、内部に使ったのは大小のチェック柄。小さめの作品ですが、内部は可愛い感じにしたくて、4種類の布を使いました。

Camidecor1341

時代は変わっても王室のベビー誕生は注目の的。英国王室からまた新しい流行が生まれるかもしれません。

ぺーパートランクAーラウンドタイプ

2007年初夏のレッスンのために作った課題サンプル、「ペーパートランクA・3種」。「四角形」、「シェル型」、「ラウンド」のサンプルがあり、以下は「ラウンドタイプ」。

Camidecor1007

軽やかなライトグリーンの生地で作った丸い形のトランク。

中に入っているのは「軽量ブックカバー(厚さ調節タイプ)」とラヴェンダーの香りのスプレー。リフレッシュのための小物と一緒に撮影した1枚です。

イエローグリーンのラウンドトランク-心をよせて

カルトナージュのトランクB-皆様の作品より

2007年に中上級者のレッスン課題としてスタートした「トランクB」。

結構簡単に作れるトランクA(3種類:長方形、シェル型、ラウンド型)に対し、こちらは難しいテクニックを使ってよりしっかりと仕上がるように考えたアイテムです。

※作品サンプル画像はこちらから→・・・「海辺の子どもたち-トランクBの小型サイズ」「夏休みの楽しい計画-トランクB(大型サイズ)」

以下は教室の皆様の作品より、モノトーンでキリッとスタイリッシュに仕上げて下さったお2人の作品。

画像下の黒い生地のトランクは、柄物、無地、水玉、ストライプの4種類の布を使って、バランスよく上品にまとめて下さったNさんの作品。いつもはピンクや花柄など可憐なイメージで作品を仕上げて下さいますが、トランクシリーズでは一味違ったクールでスタイリッシュな生地使い。シルバーの金具と黒い革の持ち手がアクセントになっています。(NさんはトランクAも素敵に仕上げて下さったので、別の機会に紹介します)

 

Bois42

画像上のグレーの作品は、フランスのトワル・ド・ジュイの生地、「ブランコに乗った女の子」を使って細部まで美しく仕上げて下さったMさんの作品。花柄のロマンティックな生地をモノトーンでまとめたことによって、甘すぎずシックな仕上がり。白い革の持ち手が優しい雰囲気です。Mさんはこのシリーズでいくつか作品を制作しておられ、どれもステキなので、こちらもまた別の機会に・・・。

中上級の皆様の作品は、私のサンプルよりもずっと完成度が高く仕上がるものが多いので、いずれ”作者別”という形にまとめ、皆様の画像を紹介したいなあ・・・と思っています。レッスン中は作業で慌ただしく、撮影できなかった作品が多いのが残念ですが・・・。

***2012年以前の記事(受講された皆様の作品など)は、課題スタートの年の欄に合わせて投稿しています。文章は2014年以降に記載しています***