カテゴリー別アーカイブ: ランプシェード

紙で作るデスク、ブックエンドにもなる収納箱-読書の秋によせて

秋晴れが続いてさわやかな日が多かった10月。

澄んだ青空や色づき始めた木々の間から洩(も)れる光、さわやかな秋の気候は何をするにも快適で、これは集中力アップ!と思いきや、ふと気づくとボーっと外を眺めていたりで案外はかどらない・・・。10月中に読もうと思っていた数冊の本も、まだ1冊目の3,4ページで止まっていて、残念ながらまた最初から読み直しとなりそうです。

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さて、今回紹介するのは、紙で作ったデスク(机)と収納などの画像(2007年-2011年制作)。机の上のランプシェードやカルトナージュの「アンティークブックスタイルの箱」もハンドメイドで、下の画像の90%は紙で作ったもの。紙製のデスク&収納はなかなか使いやすく、日常生活で活躍してくれています。

Camidecor1700-1カルトナージュの課題作品の 「アンティークブックスタイルの箱」は実は2タイプあって、こちらはよりハードな感じに仕上がるタイプ。※1

机の上の波のラインの収納箱は、閉めると蓋付きの箱になり、開けると2つのオープンボックスとして使えるもので、ブックエンドになったりもします。(下の画像↓)

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本を読むのが好きなのに、ここ数年は読書の時間がぐっと減ってしまって残念。やっぱり紙のページをめくりながら静かに過ごす充実した時間を持たなくちゃ・・・と思う端から、先日の教室で「神田の古本市」が楽しかった!」という話題が出て、そちらへ足をのばす誘惑に負けそうになっています。

<本のある美しい空間-プラハの図書館とミステリアスな巨大本>

自分の好きなジャンルの本から楽しみや刺激をもらえるのはもちろんですが、”本のある空間”が好きな人というのも少なくないのではないでしょうか。私もその一人で、壁面に本がぎっしり詰まった空間は、なぜか不思議と落ち着きます。

また、図書館や書店をテーマにした大型本もいろいろあって、『美しい知の遺産-世界の図書館』とか『世界の夢の図書館』、『世界の夢の本屋さん』などを見かけると、思わず手に取ってしまうのです。

下の画像はチェコのプラハにあるストラホフ修道院図書館の「神学の間」。 2007年の訪問時には中に入って見ることが出来たのですが、今は部屋の外から眺めるだけになったという情報も・・・。

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本のある古い空間が好きな人にはたまらない場所なので、チェコを訪れた方はぜひ足をのばしてみてください。(もう1つ「哲学の間」もあって、そちらも美しい空間です)

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そういえば、2007年のプラハ訪問の際、たまたま「悪魔のバイブル」と呼ばれる『ギガス写本(Codex Gigas)』がスウェーデンからチェコに350年ぶりに里帰りしていて、チェコ国立図書館で見学することが出来ました。

世界の不思議の1つに数えられるこの本は、「13世紀の初め、修道士1人が悪魔の手を借りて1夜で書き上げた」という伝説がある巨大な本(長さ1m、75kg、624ページ)。見学の際は薄暗い部屋に数人ずつ入って数分間のみ・・・、という厳重さで、本の大きさに圧倒されたのを覚えています。

ハロウィンの流行で、おばけや悪魔を目にする機会も多い10月末。

ミステリーとか伝説に興味があって、「悪魔のバイブル(ギガス写本)」の映像を見たいという方は、ナショナルジオグラフィック(National Geographiv)のこちらのページへどうぞ。(本の内部を見ることができる英語のサイトですが、スマホからだと難しいかもしれません)

 

※1 アンティークブックスタイルの箱のその他のサンプルや教室で作って下さった方の作品画像は、別のページにて紹介します。

冬の夜長と光のお話-ランプシェード1

1年で最も夜の長い日が続く12月。家々の窓からこぼれる灯りにほっとし、街を彩るクリスマスのイルミネーションに心が華やぐ季節です。※1

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寒く寂しい冬の夜。闇夜を光で彩って美しい世界を作りたいという人々の思いはLEDランプの登場によってどんどん進化。今や、さまざまな光の芸術が世界中で見られるようになりました。(↓宇宙人作?)

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人類共通のエネルギー問題や環境汚染。解決しなければならない課題がたくさんある中、過剰な光の洪水は不必要かもしれません。でも12月のライトアップはなんだか特別な気もします。蝋燭に火を灯して祈りをささげる姿が世界共通のように、年末のイルミネーションにも、明るい気分で1年をしめくくって新しい年につなげたいという人々の願いがこめられているからでしょう。

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さて、下の画像は数年前に作ったランプシェード。12月の夜を彩る光の話からランプシェードを紹介しようと書き始めたのですが、照明については書きたいことがありすぎて、先に進まなくなってしまいました。※2

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なぜかというと、照明ってすごく奥が深い世界なのです。難しい専門用語もたくさんあって、頭が痛くなるような資料も多い。でも生活に直結する部分も多く、知っていると面白いことがたくさんあります。専門知識や商品選びの情報はネット上にわかりやすい資料が沢山出ていますので、このページでは照明をハンドメイドするためにちょっと役立つ豆知識のようなものを少しずつ書いていきたいと思っています。(…つづく)

***ここでちょっと気分を変えて、個性的な年末のライトアップをご紹介***

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白い光と薄紫の光を組み合わせた上品でシックな照明(上)。クラシックな柱やシャンデリア、星のオーナメントとクールな光を組み合わせることによって、スタイリッシュな中にも柔らかさを演出。

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ブルーと白い光を使って宇宙のイメージ!背景の木々の白いライトアップが幻想的です。(2枚とも2012年撮影/フランス・パリ)

 

※1  2014年の冬至は12月22日。19年に1度の朔旦冬至(さくたんとうじ)で、新月と冬至が重なる日だそうです。

※2 以前、住宅のインテリアのコーディネートという仕事に10年以上携わっていました。照明と色彩については、インテリア研究所に所属していた時に研究や講義なども担当して多少知識を詰め込んだ分野なので、奥深さ&難しさが身に染みています。また、青色発光ダイオードに代表されるように、技術の発見によって新しいものが生み出され、どんどん進化している興味深い世界。しばらくインテリアの仕事から離れているので、情報のアップデートが必要です。

※3  ホームページのランプシェードの画像について、「ランプは点灯しますか?」という質問を受けたことがあります。答えは「もちろん点灯します」です。 クラッシックな形のランプシェードはインテリアの飾りにもなるけれど、あくまでも照明器具。熱や配光も考えて制作しています。

 

アニマルプリントのサイドテーブル-酉の市とジビエの季節

11月の酉(とり)の日に行われる酉の市。江戸時代から続く縁起物の熊手がニュースで紹介されると、年末を迎える気持ちが高まります。2014年の酉の市は11月22日。東京浅草の鷲神社(おおとりじんじゃ)が有名ですが、鷲(わし)や鳥にちなむ各地の神社(大鳥神社、大鷲神社など)でも開催されているそうです。

<空を飛ぶ鷲の目から見たパリの街>

鷲(わし)といえば、先日テレビを見ていたら、ワシの背中にSonyの小型カメラをつけてパリで撮影された映像が紹介され、目が釘付けになってしまいました。エッフェル塔からパリの街へ!ひゅーっと一気に舞い降りてゆくワシの目から見た風景が映し出され、なんだかワシの背中に乗って街を見ているような感覚になったのです。→映像を見たい方はこちらのページ(Flying eagle point of view) へどうぞ。スイスアルプス上空やロンドンを飛ぶ映像などもあって、ニルスになった気分が味わえます。

ちなみにカメラをつけているのは、オオジロワシのVictor(ヴィクトワール)君。このプロジェクトはFreedom(フリーダム)という動物保護グループによって、絶滅が危惧されている鳥の保護のアピールのために企画されたものだそうで、メイキング映像参考資料で詳細を見ることができます。鷲や鷹って、シンボルやエンブレムのデザインにも使われる勇ましい大型の猛禽類(もうきんるい)※1。でも残念ながら、世界各地で絶滅危惧種となっているようなのです。

秋も深まり、フランスではジビエ料理(フランス語:gibier。狩猟で捕獲された野生の鳥獣の肉のこと)を楽しむ季節。”鷲(ワシ)や鷹(タカ)の絶滅の危機”って、もしや狩猟によって少なくなったのでは?と心配して調べたら、どうやら生息環境の減少が原因の模様。→参考ページ うーん、強いからといって生き残れるわけではないんだなあ・・・としみじみ。いずれにせよ野生の動物たちにとっては生きにくい時代です。

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<アニマル柄のサイドテーブル&収納箱・・・紙で作る家具と収納>

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回紹介するのは2010年に作ったアニマル柄の収納箱。カルトナージュのテクニックを応用して考えた「紙で作る家具と収納」のカテゴリーのアイテムで、サイドテーブルとしても使えます。手前の箱の虎とも豹ともとれるようなアニマル柄は、もちろん本物ではなくフェイク生地。絶滅危惧に瀕しているトラやヒョウの毛皮を、私の趣味のために使うわけにはいきません。   Camidecor1554-1-2ふた上の細工は家具に使われるちょっと難しいテクニックを使っていて、裏返すとトレイにもなる実用品。以前、教室に出しておいたら、「雰囲気が違う。なんだか似合わない!」という声が・・・。アニマルプリントも好きだし、TVで動物の色や形に感動することも多い。でも、それが似合うワイルドなタイプでないことは自分でもよーくわかっているので、普段はちょっぴりアクセントにするくらいしか使わなかったのですが・・・。冒険してみたものの、ちょっと失敗だったかも・・・。

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一方、上の画像は同じシリーズの収納を植物柄のインテリアファブリックで作ったもの。こちらは教室の皆さんに何とか受け入れてもらえました。(ランプシェードもハンドメイドです)

<ちょっと脱線。ジビエにちなんで4種類の鳥の煮込みのこと・・・親子丼ならぬお友達丼?>

ジビエといえば、数年前の12月はじめ、旅先のフランスで、ちょっとしたきっかけでCoq au vin(仏:コック・オー・ヴァン)という鳥の赤ワイン煮込みを習ったことがありました。(カルトナージュは試行錯誤して考えることが好きなので独学で作ってきましたが、お料理を習うのは長年の趣味の1つ。試食の時間が一番の楽しみなのです)

コック・オー・ヴァンというのは伝統的なフランスの鶏の赤ワイン煮で、通常は雄鶏で作るらしいのですが、その時使ったのは4種類の鳥肉。レシピに”3 chicken legs, 1 pheasant, 2 quails, and 1 squab”と書いてあるのを訳すと、骨付き鶏もも肉(3 chicken legs)、1キジ(1 pheasant), 2 quails(ウズラ)、squab(ひなバト)。昔シェフだった優しいお料理の先生(ムッシュ)は、なんと4種類を一緒にお鍋に入れたのでした。   Camidecor1108 上の小さな画像から、なんとなくそれぞれの形や色が違うのがわかるでしょうか・・・。でもこんがり焼いてしまえば、どれも同じ鳥肉のソテー。 Camidecor1107 みんな仲良く(?)野菜とマッシュルームと一緒に赤ワインで煮込まれ、最後は美味しい一皿に・・・。その時使ったウズラやキジが野生だったか否かは定かではありませんが、どのお肉も柔らかくて美味しかったことを覚えています。

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煮込み料理や肉料理の美味しい季節。動物たちにはいろいろお世話になっているなあ・・・と感謝しながら、革を使って作品を作ったり、お肉を食す晩秋の日々です。(↑昔、旅先で買った鳥の羽根のタッセル。これもワイルドすぎて飾れないのです・・・)

マガジンバッグとバケツの形の器 

ゴールデンウィークになると、きまって報道されるのが各地の「潮干狩り」の様子。江戸時代の浮世絵にも描かれている春から夏の行楽行事で、あらためて日本は海に囲まれている国だと実感します。

下の画像は2006年8月の教室のために作った「マガジンバッグ」。ホビーバスケットの応用例です。

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フランスのTHEVENON社製の水遊びをする子どもたちが描かれた生地”Histoire d’eau”を使い、海辺の波をイメージしてデザインしたのですが、よく見ると水辺に”がまの穂”らしき植物が・・・。

錨や船が描かれているので、つい海辺の風景と思いこんでいましたが、がまの穂は海辺というより湖畔や沼地の植物...。

はっきりしたことはわかりませんが、”Histoire d’eau”という生地の名前を考えると、もしかしたら海(La Mer)だけでなく、湖畔のバカンスなども含めた”水辺のストーリー”が描かれているのかもしれません。(釣りや船遊びは湖でも楽しめます)

そんな風にいろいろ考えながら眺めるのが楽しい生地で、特に水色は夏のお気に入り。2006年から2007年、バッグやトランクなどの課題サンプル制作に使いました。

そしてマガジンバッグの隣の作品は布製のバケツ。通称「バケツ形の器」の課題のサンプルの一つです。Camidecor1308

円錐台(えんすいだい)と呼ばれるこの形、鉢カバー、フラワーベース、小物入れ、ランプシェードと様々な作品になって活躍してくれるため、教室では設計方法を学び、各自が好きな大きさ、形に作ります。

「サンプルがあった方がイメージしやすい」というご要望に応え、大きさや形を変えて10個以上作りましたが、実生活で活躍しているのは持ち手の無いタイプです。

下の画像は持ち手つきのタイプ。教室では、アイスクリームのカップみたいという声がありました・・・確かに。

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ランプシェードの基本タイプもこの設計が役立ちます。

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フランスではabat-jour(アバジュール)と呼ばれる、ランプシェードを作る工芸。以前は材料が入手しにくいなどの問題がありましたが、最近は日本でも手軽に作れるようになっています。