月別アーカイブ: 2014年8月

刺繍入りのトートバッグ-葡萄色と布のリメイク

8月も後半に入り、ここ数日、空の色にちょっぴり秋を感じるような・・・。「暑い、暑い」と言いながらも残暑を楽しみたいところですが、日本各地で不安定な天候が続き心配です。

下の画像は、紙袋トートのソフトタイプ(貼って作るマチ付きトート)。刺繍入りの生地で作ったバッグで、書籍で紹介したかったものの、コンセプトと合わずに出せなかった作品です。

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ぶどうの色に白や灰色を混ぜたような紫系の生地に合わせ、側面に使ったのは葡萄色のデニム生地。

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食べるのも、姿を見るのも好きなブドウ。「葡萄色」という表現を使ったものの、種類によって違うし、どのくらいの品種があるんだろうと数を調べたら、「世界に1万種類」とか「数千種類」という数字が出てきてびっくり。品種改良によって新しいものが生まれ、その後、消えていくことも多いようです。

実はこのバッグ、数年前に旅先で購入したクッションカバーのリメイク品。

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サイズが合わず、使わずにしまっていたものをバッグなどに仕立てています。

 

 

海辺のストライプ-デュフィのブルーとオレンジ色

ここ数回ストライプばかりなので、別のものを・・・と思っていましたが、今回もまたストライプ。プレゼント用に作った紙袋トートのソフトタイプ(貼って作るマチ付きトート)です。   Camidecor1495 5,6年ほど前にセールで購入した南フランスのストライプのキャンバス生地。ブルーの濃淡、ホワイトのストライプにオレンジがアクセントになっている部分を表に出しました。

Camidecor1495-4 地中海沿岸の抜けるような空の青さと海の色、そしてオレンジのアクセント。 色彩はその土地の気候風土や文化と密接な関係がありますが、光は最も大切な要因の一つ。色は光によって見え方が変わるからです。

以下の画像は7月27日まで東京・渋谷のBunkamuraで開催されていたデュフィ展のカードとリーフレット。

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すべりこみセーフで最終日の夕方に行ってきましたが、デュフィが描く表情豊かなブルーの中に、鮮やかなオレンジがアクセントとして使われているのが印象的でした。(ちょうどストライプのファブリックのオレンジと同じ色です)

フランスの画家、ラウル・デュフィ(Raoul Dufy)。「色彩の魔術師」と呼ばれるマチスに影響を受けたその作風は、色でメロディを奏でるかのように明るく軽快。もともとフランス北部で生まれたデュフイですが、明るく鮮やかな色彩の作品の多くは滞在していた南仏の光や風を感じさせます。

デュフィならではの豊かな色彩と透明感のある作品に加え、テキスタイルデザインや木版画などの展示もあって、今までとは違った一面を知ることができた興味深い内容。東京での展覧会は終わってしまいましたが、現在は大阪で、その後、愛知で開催されるので、ご興味のある方はぜひ。

「デュフィ展 絵筆が奏でる色彩のメロディー」 Bunkamura ザ・ミュージアム→展覧会のみどころ

あべのハルカス美術館 2014年8月5日(火)-9月28日(日)

愛知県美術館 2014年10月9日(木)-12月7日(日)

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さて、最初のバッグの話に戻りますが、実は裏側は違う色のストライプです。海のブルーや空色に 乾いた土の色を思わせるアースカラーと白が配され、淡いピンク色が柔らかさを加えている配色。

このピンクは何の色だろう・・・?とぼんやり考えながら海辺の写真を見ていたら、空の色の下方にうっすらピンクが入っているような・・・。(気のせいかも?) 青い空もブルーからエメラルドに少しずつ変わる海の色も光のなせるわざと思うと不思議な気がします。Camidecor1495-5

 

バッグと一緒に写っているのは、2010年ごろ作った「プレースマット」。エレガントな曲線をアクセントに入れた様々な用途に使えるシートです。複数のデザインを考えましたが、こちらは波と水しぶきのイメージ。(タッセルはこちらのページに作り方を載せています)

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日本はちょうど夏休み。日本の夏の色のイメージは?と聞かれたら、何と答えるでしょうか。

青い空と入道雲、、ひまわり、海、木々や野菜の濃い緑、西瓜、花火大会、そして蝉の声(?)  ・・・なんだか私の中では「昭和の夏」のイメージのままで止まっているような気がしますが・・・。

メロンカラーのストライプーバッグタイプのダブルケース1

前回、スカラップデザインの引き出しの箱を載せましたが、今回はスカラップデザインのフタがついたカルトナージュのハンドバッグ。2008年から2009年に作ったハンドバッグの応用のアイテムです。

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厚紙を使ってしっかりと作るカルトナージュのハンドバッグ(↓下画像)は、教室を開いた次の年、2006年からレッスン課題としてスタートしたアイテム。(教室の皆様の作品はこちらから) 後に様々なバッグ類(クラッチバッグなど)の作り方を考える際の基本となりました。

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今回のスカラップのバッグはその応用。からくり箱のような仕掛けになっていて、側面の部分がパカッと開きます。(・・・2008年か2009年にメインサイト用に撮影した画像なのですが、内部の画像が見つからないので、もう1つの花柄のサンプルと一緒に別の機会に紹介します)

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10年近く前に旅先で購入した、淡い黄色や緑の濃淡のストライプの生地。なんとなくメロンを思い出すので、メロンカラーのストライプと命名。

暑い毎日ですが、夏はメロンやスイカなどたくさんのフルーツに助けられているので、敬意を表して・・・。

※ライトグリーンのミニタッセルの作り方はこちらで紹介しています。

引き出し付きの箱-スカラップデザインの引き出しとフレーム

前回掲載した、簡単アップリケを貼ったブック型の箱の画像には2010年に作った2つの箱が写っています。

こちらは箱を上から見た画像。一見普通の布箱に見えますが、つまみを持って動かすと・・・

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フタはフォトフレームに変身し、スカラップデザインの引き出しが出てきます。

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スカラップとはレースや裾、縁などを飾る、扇型の連続模様のこと。ホタテ貝を意味するscallopからきているデザイン用語で主に服飾関係で用いられる言葉ですが、可愛らしさとリズム感のある感じが好きで、あちこちに使っています。

アントシアニンカラーのストライプ-簡単アップリケを添えて

以前フランスで購入した、濃いピンク×グレーのストライプの布。

赤紫系の強めのピンク色、グレー、ホワイトの配色で、部分的に起毛(ベルベット)のアクセントが入っています。

このピンク色、色名にすると、Mediumvioletred (ミディアム・ヴァイオレット・レッド)や紅紫(べにむらさき)に属するのでしょうか。ラディッシュやビーツ、赤カブ、赤玉ねぎ、紫いも、紫キャベツの色を鮮やかにしたような力強いピンク色は、ビタミンカラーならぬ「アントシアニンカラー」という感じで、ぎらぎらの強い紫外線にも負けず夏バテを防いでくれるような気がします。

昔(20年以上前)なら強すぎて使えない色だったかも…と思いつつ、文房具やがま口ケースなど様々なアイテムに使用。以下はブック型の箱、ファイルカバーと引き出し付きの箱(2010年)の画像です。

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大きめのブック型の箱の白い部分に並べてあるのは、ハギレを使った小さなアップリケ。ある時期にたくさん作ったものを保管していて、時々色が合うものを探して使っています。

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子ども用の小物やパッチワーク、キルトの技法でおなじみのアップリケ(Appliqué)。もともとフランス語由来の言葉だそうで、手芸技法としての歴史は古く、世界各地に同じような手法のものが見られるとか。

一番簡単に作れるものはフエルトのアップリケですが、こちらは布を使ったもの。形は違いますが、ハウスボックスのドアや窓、ツールボックス(2005年)の飾りなども同じ方法で作っています。

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実はこの箱、ずいぶん前に自分用に作ったものですが、最後の最後でなかなか完成しません。ヒモをピーンと張るか(一番上の画像)、よれよれさせるか、どうでもいいことで悩んだりして。

もともと優柔不断な性格。こんな些細なことを先送りしているから、いろいろたまっていくんだな…と画像を見ながら反省。夏は判断力がさらに弱まるので「秋にまた考えよう」となりがちですが、今年こそは暑さに負けず、シャキッと過ごしたいものです。

 

フエルトで作る簡単アップリケ-クリスマスモチーフ