ミッド・センチュリーモダンデザインのフレーム&トレイ(2010年)

今回紹介するのは、2010年に作った課題サンプルの画像。

数年前の梅酒作りの季節に撮ったもので、毎年、梅の季節(6-7月)に掲載しよう・・・と思いながら、いつもついつい後回し。気づくと真夏になっている・・・という繰り返しで、掲載する機会を逃していた写真です。

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カルトナージュのテクニックを応用して作る「紙で作るフレーム」や「トレイ」は複数あって、こちらはシンプルモダンのタイプ。丸いフレームや少しエレガントな曲線が入ったものなど、スタイルに合わせて自由に作れるのがカルトナージュの面白いところです。

当時、インテリアでミッド・センチュリーモダンのスタイルが注目されていたこともあって、そのテイストをちょっと取り入れたデザイン。

Camidecor1772-1フレーム&トレイのどちらにも使えるアイテムでフレームを立てるとこんな感じ(上) ブルーのファブリックを入れた横長のものや茶系の秋冬バージョンもあるので、それはまた別の機会に・・・。(受講して下さった皆様も、それぞれ違う感じで素敵に作ってくださっているので、画像を整理して一緒に紹介したいと思いつつ・・・)

シャーベットカラーのフリンジ付の箱とリボン飾りのシルクフレーム(2007/2008年)

今回紹介するのは、フランス製のフリンジをあしらったシャーベットカラ―の小箱シリーズ。古い作品をリメイクしてリボン装飾し、ご希望者対象の課題となった作品です。

今年の春、古いサンプルを整理していたら作りかけの箱を見つけました。手のひらサイズの小さな箱で色違いが数個。フランスで入手したフリンジ(房飾り)を使って2007年頃に作ったものの、何だかしっくりこなくてそのまま長年放置してあった作品です。

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当時、沢山あるフリンジを何かに使えないかな?と思って始めたサンプル試作。結局、箱は中途半端なまま、小物作りに気持ちが移ってしまって、フリンジはくるくる巻いて作るタッセルになってしまったのでした(↓右下画像)。

Camidecor1757-3上の画像2つはホームページの2008年の欄から抜粋したもの。透明アクリルの蓋からタッセルがちょっぴり透けて見えていますが、今でも『コレクションケース』にそのまま雑多な感じで入っています。 →白いコレクションケースの大きい画像はこちら  →水色はこちら(上から2枚目)

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そんな感じですっかり忘れていた小箱でしたが、フリンジ自体は全く劣化せず、糸の質感も綺麗なまま。今見ると、小箱×フリンジも悪くないかも(好みは分かれるだろうけれど…)という気がして、画像に残しておこうと写真撮影。アプリコット、ミントの淡い色のモアレ生地を使っているので、『シャーベットカラーのフリンジ付の箱』と名付けてみました ※2

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その後、少しして、ちょうど『課題サンプル』の仕上げ作業で広げていたリボンやフローラルテープを使って、ためしに装飾。

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フリンジの裾の広がりをそのまま活かしたり・・・

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裾を広げずに、繊細な糸のテクスチャーだけ楽しむデザインにしたり・・・。

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これはちょっと装飾しすぎかな???と思いつつ、いろいろ組み合わせて楽しんだり・・・。(けれど、だんだん何が良いのかわからなくなってしまう・・・)

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小さいアイテムですが、シャーリングの小箱を中に入れたり、内部や蓋もいろいろと工夫できます。Camidecor1769-1

そして、2008年頃に作ったシルクのボードと一緒に撮影すると、ちょっぴりアンティークっぽい雰囲気に・・・。シルクのボードは『カルトナージュBOOK』という本で紹介したタッセルトランクの内部用に作ったものです。※3

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そういえば、2007年はソフィア・コッポラ監督の映画、『マリーアントワネット』が日本で公開された年。

映画自体の歴史的な内容や人物描写などには正直がっかりした部分が多かったものの、衣装やお菓子など美術面での優雅さは、カルトナージュ愛好家のツボにはまるものがあり、教室でも話題になったものでした。

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シルクを使ったリボンボードやパステルカラーのフリンジの箱、紙で作る靴(下)などは、少なからず映画の影響もあったかも・・・?と、作った当時を思い出しています。

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・・・と、こんな感じで小箱の紹介の下書きをしつつ、忙しくなってしまった6月でしたが、偶然にもレッスンで、マリーアントワネットという名前の紅茶(MARIE-ANTOINETTE TEA)の差し入れをいただきましたので、追記として紹介します。(7/2)

NINA’Sというメーカーのその紅茶は、Mさんが『西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展』※1にいらした際に買ってきてくださったもの。ピンク色の美しいパッケージにはジュイの布のモティーフ(王妃が田園で遊ぶ様子?)が使われ、缶の蓋にもMとAのモノグラムが。

林檎(りんご)と薔薇(ばら)のフレーバーティーの甘い香りがなんとも女性好みで、厚紙や布や接着剤が散乱し雑然とした教室で作業に疲れた皆さんに、しばし優雅な雰囲気を運んでくれたのでした。

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普段使える実用品を中心に考えている教室の課題ですが、現実逃避できるような作品もやっぱり楽しい・・・。カルトナージュやバッグと小物だけでなく、「紙で作る家具」や「アンティークスタイルの箱シリーズ」もまだ紹介できていないものがいろいろあるので、時間を見つけながら画像を整理していきたいと思っています。

 

※1 西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展  2016/6/14(火)-7/31(日) Bunkamura  ザ・ミュージアム
・・・会期中無休だそうです。私もまだ行っていないのですが、トワル・ド・ジュイや布の歴史にご興味のある方はぜひ!

※2 『シャーベットカラーのフリンジ付の箱』・・・フランス製フリンジを使った作品を作りたい方のための課題(サイドメニュー)の1つとしますので、教室の皆様でご希望者はお申し出ください。(フリンジの色は他にもいろいろあり、今整理中です)

※3 →タッセルトランクの内部画像はこちらから シルクのボードはタッセルが掛けてある壁面からちらりと見えています

フリンジ付の小箱とリボン飾りのシルクフレーム(2007/2008年)

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次回紹介するのは、フランス製のフリンジをあしらったシャーベットカラ―の小箱シリーズ(古い作品にリボン装飾したもの)。

画像など少しずつ追加していきます・・・

※5月のデニムで作るバッグとポーチ(緑まぶしい季節の大人のデニム)の記事(↓)に画像など追加しました。

 

デニムで作るバッグとポーチ-緑まぶしい季節の大人のデニム

新緑の間からこぼれるキラキラした光や、そよ風が清々しくて過ごしやすい5月。

ゴールデンウィークの休日モードでスタートするからか、コートの必要がないからか、ファッションもカジュアルで着心地良いものを選ぶことが多くなります。

そんな季節に気軽に持てるイメージで作った「デニムのバッグシリーズ」。

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デニムって、男女問わず子どもからシニアまで、みんなで一緒に楽しむことが出来るめずらしい素材。丈夫で汚れにくい上、ストリートファッションから上品なカジュアルまで、いろんな風に変身できる優れものの材料・・・。

クラフトの材料としても扱いやすいので、バッグの作り方やデザインを考える時のサンプル制作によく利用しています。

<デニムのバッグ、クラッチ&ショルダーいろいろ>

下の画像はサンプルとして作ったバッグの一部。

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ミニショルダーやクラッチバッグだけでも6,7種類あって、色や大きさ、作り方を少しずつ変え、強度や実際の使い心地などチェック。

ちょっとおしゃれに持ちたい「大人のデニム」はチェーンストラップと組み合わせてもOKです。

<ミモザの花束とプロヴァンス生地の舟形トート>

2014年に出版された「ボンドで貼って作るバッグと小物」の本でも、「舟形トートバッグ」のページに、デニムをアクセントとして使った作品を掲載しています。

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企画の際に「エレガントな材料ではなく、カジュアルで親しみやすい柄物を使ってほしい」という要望があって、材料選びがなかなかうまくいかず難航した仕事・・・。バッグって、無地やストライプだとイメージしやすいのですが、カジュアルな柄物となると結構難しいのです。

締切の撮影日もせまり、切羽詰まった中で収納の奥からひっぱり出した、カルトナージュで使った南仏プロヴァンスの生地。

「多分ボツだろうけど、この布でも作ってみようかな・・・」

バッグのアクセントにデニムを使ったのは、ちょっとした遊び心で、”デニム”という名前の由来が南フランスのニーム(Nîmes)という町からのものだから、でした。※1

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撮影日は、まだ寒い2月初め。都内に雪が降ったあくる日のこと。なんとか全ての作品を作り終え、スーツケースに入れてスタジオへ・・・。

3,4個持って行った舟形トートの中から、スタッフの皆さん(編集のMさん、スタイリストさん、カメラマンさん)が撮影用に選んで下さったのは、デニム×プロヴァンス生地のバッグでした。


スタイリングにミモザの生花を準備してくださったのは、偶然だったのでしょうか。

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使いこまれた古い木のテーブルの上に、自信がなさそうに置かれたバッグとミモザの花。締め切りぎりぎりだったりと仕事への反省が多くてちょっぴり冬模様の心に、南仏やイタリアを思わせるミモザが光を注いでくれるような気がしたのを、あの時のバッグを見るたびに思い出します。

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和やかな雰囲気の中で楽しく終わった撮影の後、スタイリストさんからバレンタインのチョコレートとミモザの花をいただいて外に出ると雪はすっかり解けていて、なんだか心もほっこり。

帰宅後、あらためてスタッフの皆さんのプロフェッショナルな仕事や細やかな配慮に感謝しながら、こんな風にして共同作業で作られた本が、どこかで誰かの役に立つといいな・・・と感じた3年前の撮影の1日でした。

<ワンランク上のテクニックで作る”貼って作るバッグと小物”>

さて、話を1枚目のデニムのショルダーバッグに戻しましょう。「バッグと小物」の書籍を出版してからしばらくは、本に紹介した簡単なアイテムを中心に紹介してきましたが、今年は、自分用や教室用に考えてきた、少し難しめのバッグや小物の画像も少しずつ紹介しています。※2

下のバッグはそんな1つで、複数のテクニックを組み合わせて作ったもの。カメラ、スマホ、小さな財布、ポーチ・・・など入れたいものがしっかりあって、でも重いバッグは持ちたくない。そんな時に気軽に持てるように考えました。→冬の黒いバッグと同じタイプ
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ショルダー用革紐とタッセルは、市販のバッグの取り外し可能なものを利用。革のミニタッセルや革のストラップは、以前紹介したように手作りするのも楽しいのですが、最近はチェーンやストラップなど取り外しできるものも多いので便利です。

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小物用のポケットは外側1つ、内側に2つ。市販の大きなバッグに入れてバッグ・イン・バッグとして使ったり、カメラを入れたり・・・。気軽に使えて便利なデニムのクラッチ&ショルダーシリーズです。※3

 

※1 デニムの語源は「Serge de Nîmes(セルジュ・ドゥ・ニーム)」=「南フランスのNîmes(ニーム)のサージ織(綾織り)」とされ、「Serge de Nîmes」→「De Nîmes」→「デニム」となったといわれています。また、ジーンズの語源はイタリアのGenova(ジェノバ)に由来するとも言われていて、アメリカのイメージがある「ジーンズ&デニム」の起源がヨーロッパというのは興味深いな・・・と思います。

ちなみに海辺のストライプ-デュフィのブルーとオレンジ色で紹介したバッグも南フランスの生地とデニムを合わせています。こちらは無意識に選んだ組み合わせでしたが、やっぱりデニムには南フランスのDNAが引き継がれているのかもしれません・・・。

※2 「ボンドで貼って作るバッグとこもの」の本では、「クラッチバッグ(ショルダーにもなるタイプ)シリーズ」の中で一番簡単に作れる「基本タイプ」を紹介しています。デザインや組み立てがややこしくならないように、とか、寸法もシンプルに見えるように6の倍数で、とか、できるだけわかりやすい形にしてみました。金具や細部など様々な工夫や応用でいろいろと変身できるアイテムです。

※3 1枚目のコラージュ画像、真ん中はシルバーグレイと桜色2 -春のバッグ2種で紹介した「Dolce(ドルチェ)」バッグの色違い。こちらはちょっと面白いシリーズなので、また別の機会に・・・。

『フェーヴの世界展8』のお知らせ-マカロン柄の箱とリボン付バインダー

2014年より紹介しているmy charmさんの『フェーヴの世界展』※1。今年はなんと8回目になるそうです。

◇詳細はこちらから・・・フェーヴの写真や楽しそうなイベントに加え、クリエイティブで優しいお人柄が感じられるmy charmさんのブログ。フェーヴ展の準備の様子を知りたい方は、my charmさんのTwitterへどうぞ!←素敵な展示がいっぱいで、とても楽しそうです。

◇吉祥寺展 2016年5月20日(金)~22日(日)
エスカリエ・セー  東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-14 FRCビル3F
tel 0422-22-1171 open 平日11:00~19:00 土日12:00~19:00

◇自由ヶ丘巡回展 2016年6月16日(木)~7月12日(火)
※規模を縮小しての巡回展とのことです

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毎年デザインがとても素敵なので、春になると、「今年のテーマは何かな?」と楽しみにしているポストカード。一昨年の「すずらん」、昨年の「うさぎ」に続き、またまた可愛くて魅力的。今年は「リボン」がテーマの展示だそうです。

街歩きが楽しい5月。フェーヴが好きな人はもちろん、小さくて可愛いものに心ときめく人、お菓子、フランスの食文化、クラフトや絵本などが好きな人はぜひ足を運んでみてください。

・・・5月初め、「フォトフレーム付のギフトボックス」のリボンが写っている写真と一緒にお知らせを・・・と思っていたのですが、その後ちょっと慌ただしくて文章を書く時間がなく、開催ぎりぎりでの紹介になってしまいました。まずは、初日に間に合うよう展覧会の情報を。・・・作品の画像は、後で追加していきたいと思います。

<ここから追記です↓>以下にmy charmさんが教室で作ってくださった作品画像を少し紹介。

ラデュレのマカロン柄のシークレットボックス(秘密の箱)は、なんとお嬢様が幼い頃に着ていた服(マカロン柄)のリメイク。中の3段の箱の色がマカロンカラーによく合って、可愛い上にシック。女の子がずっと使えそうなボックスとなりました。その後、この箱はかなり使いこまれ、ややヨレヨレになっているそうですが、そんなエピソードもほほえましく、見ていて楽しくなる作品です。

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そして、下の画像は金具のついたバインダー。フェーブ展などのイベント用のゲストブック保管のために作って下さった作品です。表紙の窓に入れるフェーブをどれにしようか迷っておられたので、一緒に撮影。冠(クラウン)のフェーヴは両方とも素敵だし、ガレット(焼き菓子)も捨てがたいですね。

表紙の材料は、多面体の入れ子の箱で使ったスレートグレーのフランスのクロス。写真ではわかりにくいのですが、キラキラしたシルバーラメ(?)のようなものが練り込んであって水拭きもできる、なかなか優れものの材料です。

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フェーヴのコレクターでありながら、飾ったり実用品と組み合わせたりと、様々な提案をしておられるmy charmさん。過去のフェーヴ展については以下で紹介しています。

→2015年のお知らせ 『フェーヴの世界展7』のお知らせ、カトラリー、うさぎ、蝶のモチーフの作品

→2014年のお知らせ 『フェーヴの世界展6』 すずらんのカードとミニチュアのチョコレート菓子

 

※1 カルトナージュ教室にいらしてくださっている、ライター&フェーヴのコレクター&研究家さん。ご著書については以前紹介しましたが、最近ではフェーヴについて素敵な記事も書いておられます。→『見つけたら王様に! ガレット・デ・ロワに入っている、「フェーヴ」の魅力とは』  ・・・三越伊勢丹ホールディングス運営のFOODIEという食メディア。美味しい情報たっぷりのサイト(おススメ)です。

***一番上のカードの画像はmy charmさんのオリジナルを使わせていただいております***