名残の紫陽花(7月後半)と曲面の引出しボックス

夏に紹介しようと思っていた、7月後半の名残の紫陽花と「曲面の引出しボックス」の画像。

作品は2012年、「蓋つきの曲面の箱」のサンプル制作の後に形を作ったもの。フランスの起毛の布を4色使って仕上げています。(1日で効率よくポイントを学べるよう3段タイプ・・・皆さんの受講作品画像は別途紹介します)

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「引き出しのある箱」の課題はいろいろあって、それぞれに作り方やポイントが異なりますが、引出しごとに色を変えて作っているものも少なくなく、下はその一部。

■秋の色と引き出し付の卓上シェルフ、 ■引き出し付の違い棚と小さな掛け軸2

教室にいらっしゃる皆さんも、レッスン受講後はそれぞれのイメージで大きさや引出しの個数など工夫されているようで、「刺繍糸の色に合わせたカラフルな引き出しボックスの大作を作りました!」とか、「入れるものに合わせて引出しごとに柄を変えてみました♪」とか、お話を聞くのが楽しみ。自分だけの使いやすい実用品は手作りならではです。

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さて、写真の中にぼんやりうつっている紫陽花、7月半ば過ぎの名残りのものですが、実は前回の「秋色紫陽花(あきいろあじさい)」と同じ木のもの。ところどころ、薄緑や薄紫をおび、水分がとんで涼しげな紙細工のような風情です。

そして、下の画像は9月に入って切った枝。すっかり秋色に変わっていて、秋の花との組み合わせが楽しめます。

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・・・夏の間に掲載しようと思っていた画像など、本文中に追加していくつもりです。また、機器類の不具合があり、一部のお問い合わせメールの受信に不備がありましたことをお詫び申し上げます・・・

花びら巾着の作り方-紫陽花の季節によせて

前回紹介した「花びら巾着(Flower Pouch)」。この巾着を初めて作った時、連想したのは紫陽花の”がく(飾り花)”でした。

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形は小手鞠(コデマリ)」に似ていますが、4枚の飾り布のはかなげな様子が「ガクアジサイ」のようで・・・。小さなサイズは和菓子みたいな可愛らしさがあるので、端切れを使っていろいろ作ってしまいました。

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以下は、ボンドで貼って作る「花びら巾着(Flower Pouch)」の方法をまとめたもの。

ハンカチなどで作る場合はヒモを通す線を接着するだけですが、ちょっとひと手間かけて裏地をつけると、しっかりした巾着になります。所要時間は30分から1時間くらいです。

 

まず、材料と道具を準備して大きさを考えましょう。布は綿、麻、絹など自然素材で薄手のものが適しています。接着剤はコニシのボンド「裁ほう上手」を使用しています。

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①は材料を並べたもの。布は表、裏とも同じサイズの正方形にカットして下さい。(写真ではヨレていますが、できるだけきれいな直線で・・・)

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② 表布と裏布を貼り合せます。布の縁、幅5㎜くらい(黄色点線)に接着剤を塗り、薄くのばして、アイロンで圧着。糸くずやはみ出した部分は接着後にカットしましょう。縁のホツレが出にくいのが貼って作る場合の良い所です。

③ 裏布に縁飾りを貼ります。レースやリボン、テープなどお好みで。縁飾りをつけない場合は、裏布を少し大きめにカットし、縁を折って表側に貼るのも1つの方法です。いずれにしても花びら部分が綺麗に見えるよう、縁の始末は大切です。※1

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この段階で小型のハンカチのようなものが出来上がります。同じ作り方で、簡単な布ナプキンやランチョンマット、コースターを手作りしても良いでしょう。水に強いのが「裁ほう上手」の特徴だそうです。

④⑤ 4つの角を三角に折って作る花びら部分は、ひも通し用の通路になります。表布に折り線とひもを通す線の印をつけ、黄色のラインに接着剤を塗り(下写真参照)、アイロンで圧着します。

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⑥ アイロン圧着後、5分ほど時間を置いてしっかり接着されたかを確認し、その後、ひも(リボンやコードなど)を通します。2本通し終わったら、外側を表にして形を整えます。CamidecorHT33

 

⑦ 両側からの紐を引いて完成です。ひもの先にはお好みでビーズやタッセルなどの飾りをつけても良いでしょう。※2 今回は雨のしずくのようなドロップタイプのビーズをつけています。

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もっと大きいサイズを簡単に作りたい場合は、すでに縁が縫ってあるハンカチや ナプキンを利用するのがおすすめです。お弁当用の巾着なども楽に作れます。

梅雨のどんよりしたお天気が続いていますが、雨の日に家の中で読書したり手作りするのは結構楽しいもの。夏の浴衣に合わせて和風の巾着を手作り・・・というのも今の時期ならではかもしれません。

 

※1 表裏とも縁を折って作る方法(ソーイングなどの方法)もありますが、小さな巾着では縁が厚くなって絞りにくくなってしまいます。貼って作る方法では、ホツレが出にくい特徴をいかし、縁を切りっぱなしで接着して縁の部分が厚ぼったくならないようにしています。

※2 マリメッコやベトナムシルクを使った花びら巾着の画像はこちらから

紙で作る軽くてシンプルな本棚、丸と直線のハーモニー

梅雨のどんよりした曇り空。雨に濡れた白い紫陽花を見ながら、昔は嫌いだった雨の季節が結構好きになっていることを実感。年齢とともに好みって変わりますね。Camidecor1658 15年ほど前のちょうど雨の季節だったでしょうか・・・。住宅のインテリアの仕事をしていた時、複数の人達と一緒に「今後のインテリア業界の動向」とか「トレンド」のようなもののインタビューを受けたことがありました。記憶が薄れていますが、確か、何かのマーケティングだったと思います。

会議室のような場所でテーブルを囲んで、それぞれテーマごとに意見を言っていく形式で、今後のインテリアの動向のようなことを聞かれた時、つい「DIYが流行ると思います」と言ってしまったのでした。

その時の他の人たちの「日本でDIY???」な感じと”アウェイ(場違い)”な雰囲気・・・。「ああ、的外れなことを言ってしまった・・・」感が忘れられず記憶しているエピソードなのですが、ここ数年、DIY女子のニュースを聞くたびに、今だったら同意してくれる人も多いだろうになあ・・・なんて懐かしく思い出しています。

DIYを楽しむ女性は、ペンキを塗ったり、壁紙を貼ったりはもちろん、ドライバーで木の棚や家具を作ったりしながら部屋をリメイク&改装する本格派も多いとのこと。 やっぱり”何かを作る”って楽しいですものね! 愛好家の増加とともに今後ますます材料やツールが入手しやすくなるといいな・・・と感じています。※1

Camidecor1659 さて、下の画像は紙で作った軽量の本棚。(紙で作る家具と収納シリーズより)

木で作りたい気持ちはあるものの、私にはのこぎりを使う体力&気力が不足しているので、身近にある紙と接着剤を使って作ったものです。スペースにぴったり納まる本棚で、軽くてしっかりしていて、3日くらいで作れるもの・・・ということで、2010年から2012年頃、いくつかの方法を試作していた時に制作しました。 Camidecor1656 棚の大きさや 強度などの関係で、真ん中は低い飾り棚に。片手で持てるほどの軽い本棚ですが、今でもずっしり重い大きめの洋書の収納として役立ってくれています。

話は変わりますが、下の 画像は京都で撮った丸窓で、真ん中に桟が2本入ったデザインのもの。丸窓というと、鎌倉の明月院(あじさい寺)や京都の源光庵の「悟りの窓」が有名ですが、丸く切り取られた自然の景色は心に響く美しさです。

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日本の建築には直線が多いので私たちは見慣れているけれど、自然界には存在しない直線の美。※2 和風建築が自然の美をひきたたせ調和しているのは、自然界にないデザインだからなのでしょうか。

いろいろなものを自分で手作りしていると、その道のプロの職人さん、マイスターの匠の技の素晴らしさに改めて気付く機会が増えてくる気がします。便利な材料が増え、簡単にハンドメイドができる時代だからこそ、「化学系の接着剤も電動ドライバーもなかった時代にこんなものを生み出した昔の人ってやっぱりすごい!」なんて心底感心できたりするのでした。

 

※1 DIYやハンドメイドに使える輸入壁紙のお店

WALPA・・・ 1mから切り売りしてもらえる輸入壁紙専門店。東京の銀座、恵比寿、大阪、名古屋、福岡などにショップがあり、壁紙の貼り方のワークショップもあるそうです。・・・教室でもこちらの壁紙を使ってカルトナージュのダストボックスを素敵に作っていた方がおられました。

ローラアシュレイ・・・1953年創業のイギリスのテキスタイル、ホームファ二シングのブランド。壁紙は1ロールからの購入ですが、花柄や古典柄など優しい柄が揃っています。6月から7月はちょうどセール期間のようです。

※2 自然界と直線に関する言葉より(自分のための備忘録メモ)・・・ ●”自然は曲線を創り、人間は直線を創る”:湯川秀樹氏、  ●”自然は直線を嫌う(Nature abhors a straight line)”:18世紀の英国の造園家&建築家 ウィリアム・ケントの言葉

 

貼って作る「がま口ケース」1

梅雨に入り、じめじめした毎日が続いていますが、植物や動物にとっては大切な恵みの雨の季節。豪雨は困りますが、雨にぬれたみずみずしい緑を見ると日本の自然の豊かさを感じます。

紫陽花はこの季節の一番の楽しみ。梅酒や梅ジュースを作るのも個人的には重要項目。 Camidecor1461-7

 

草木の葉の陰にアマガエルを発見するのもこの季節ならでは・・・。 Camidecor1461-8 雨蛙の季節だから・・・というわけはありませんが、今回紹介するのはがま口ケース。教室では「口金付きのケース&ミニバッグ」と呼んできた課題アイテムです。

がま口のケースを初めて作ったのは2009年。バッグの内ポケットに入る旅行用の「がま口ジュエリーケース」が欲しくて探したのですが、気に入ったものがなく・・・。せっかくだから接着剤で作ってみようと、工作方式で貼って作る方法を考えたのがきっかけです。(使いこんでヨレヨレになりましたが、今もその時に作ったケースは健在です)

さて作ってみると奥が深い。ふっくらしたものやペタンとしたものなど、いろいろな型紙を設計してみましたが、失敗作も多く・・・。用途に合わせてバランスよく設計しないと、不思議なもの、使えないものができてしまうことを身をもって経験しました。(失敗作も悪い例のサンプルとして活躍中です) Camidecor1457 上の写真は四角いがま口を使ってふっくら仕上がるように設計したもの。

同じ口金を使っても、ペタンとしたケースになったり、ふっくらしたり。設計(型紙)を変えることによって全く違う用途のものが出来上がるのが「がま口」の面白いところ。 Camidecor1458 下の画像のように眼鏡ケースになったりペンケースになったりもします。 Camidecor1461-1 がま口のアイテムを作るときに大切なのはまずは「用途に合わせた設計(型紙作り)」ですが、仕上がりに大きく影響するのは「接着芯に何を使うか」。

2009年の試作では、不織布の芯、樹脂繊維芯(以前、ふた付きフラットポーチでも紹介したスライサー)の2種類を使って比較しましたが、結果、両方ともに良さがあってどちらでも大丈夫なことがわかりました。教室では幾つかの理由で、スライサー(またはバイリーン)という接着芯を使っています。

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さて、自分が使いたくて考えたものの、教室にはミシンや手芸の達人も多い・・・。当時は貼って作るなんて邪道!と言われるのでは…とおそるおそる教室で披露したら、意外に好評でちょっとびっくり。カルトナージュの作業の片手間に、そのままの道具で作る手軽さが受け入れられたようです。

教室では「設計の方法を説明し、丸型、角型、バッグタイプの3種類を1日で作る」という盛り沢山な内容の選択制の課題アイテム。最後のバッグ型は宿題になってしまうことも多いので、レッスンは2回に分けるべきかな・・・と悩ましいところですが、箱作りもしたい方が多いので、効率よく・・・。

がま口の口金※1を入れる作業はコツをつかむため、何度も繰り返して慣れるのが一番のようです。

※1:がま口の口金が充実しているお店・・・角田商店(蔵前 または浅草橋)  蔵前にはリボンの「木馬(MOKUBA)のショールームや他の金具のお店などもあるので、お近くの方はぜひ!・・・同じお店かは不明ですが、大阪の角田商店さんのページにも金具などいろいろ載っています。

海辺の子どもたち-トランクB(ハードタイプ小型サイズ)

今年はもう終わってしまいましたが、7月の第3月曜日は「海の日」。「海の記念日」だった7月20日が祝日となり、1996年よりスタートした休日です。 ちょうど梅雨明けや夏休みと重なる時期で、いつもは海の日が終わると、夏の暑さ本番という感じだったのに、今年は7月初めの突然の猛暑。 ここのところ少し暑さがやわらぎほっとしています。

下の画像は2007年のトランクB(ハードトランク)のサンプル。ペーパートランクA(3種)は比較的簡単に作れますが、こちらは難しい手法を学ぶ作品です。(サンプルは、中、小の3タイプがありますが、一番小さいサイズです)

2007年の梅雨入りに合わせて撮った画像なので紫陽花が背景ですが、やがて迎える夏をイメージして使った布は、5月に載せたTHEVENON社製のToile de Jouy(トワル・ド・ジュイ)、”Histoire d’eau”。 海辺の楽しさが感じられる絵柄を使って、子どもサイズで作りました。

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布に描かれている”水辺のストーリー”のどのシーンも魅力的で、ついじっくり眺めてしまいますが、子どもたちの洋服の可愛らしさに惹きつけられる人も多いのではないでしょうか。 トランク正面に使っている場面には男の子が4人描かれていますが、その中の2人はセーラーカラーの洋服を着ています。

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水兵服として知られるセーラー服の歴史は、19世紀半ばにイギリス海軍が制服として採用したのが始まりで、その後、アメリカ、フランスなど世界各国の海軍に広がり、20世紀以降の学校の制服につながったとか。

子供服としての流行のもととなったのは英国王室で、1846年、ヴィクトリア女王の長男、エドワード皇太子(エドワード7世)が4歳の時、王室のクルージングの為にあつらえた新品のセーラー服(ロイヤルヨットの船員とお揃いのデザイン)を着たことで人気となり、流行が世界に広がっていったそうです。

※セーラー服を着た可愛らしい皇太子の肖像は、19世紀の宮廷画家として有名なWinterhalter(ヴィンタ-ハルター)の作品として残っており、セーラー服も美術館に保存されています。

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トランク外側はストライプを使ってマリンのイメージにしましたが、内部に使ったのは大小のチェック柄。小さめの作品ですが、内部は可愛い感じにしたくて、4種類の布を使いました。

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時代は変わっても王室のベビー誕生は注目の的。 英国王室からまた新しい流行が生まれるかもしれません。

バケツ形の器2(鉢カバーとフラワーポット)

さわやかな青空をできるだけ長く楽しみたいと思っていたのに、雨の季節がやってきました。

下の画像は前回に引き続き、円錐台の器(通称”バケツ形の器”)のサンプル。2007年前後に「鉢カバー」、「フラワーポット」として作った作品です。

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手前の白い鉢カバーは、5年前のちょうど今ごろ、紫陽花の鉢植えを入れるために急いで作ったもの。紫陽花の色が映えるように、オフホワイトの防水生地で作ったシンプルな作品で、どんな色にも合い重宝しています。

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こちらはピンク色の小さなフラワーポット。上の画像はユーカリの葉とアートフラワーとを組み合わせて入れていますが、ホームページトップの画像は薔薇の生花を入れたもの。はらはらと花びらが散ったところを写しました。(生花を入れる際は、小さなグラスに花を活け、そのままポットの中に入れています)

 

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シャーベットオレンジのアートフラワーを入れるために、同系色で作ったフラワーポット。手前の箱は、2007年制作のロングボックス(紅茶用ティーバッグなどのためのケース)で、イタリアのハンドメイドペーパーを使っています。

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紫陽花は、青空の下より曇り空や雨の中で見る方が一層美しいと感じるのは、日本ならではでしょうか。新緑がどんどん色濃くなっていく様子や、雨にぬれた鮮やかな紫陽花は、数少ない梅雨の楽しみの1つです。