カテゴリー別アーカイブ: バッグとこもの(書籍)

舟形トート(2)-芯入りタイプと芯なしタイプ

『ボンドで貼って作るバッグとこもの』の本に作り方を紹介した舟形トート。以前紹介したのは樹脂製の芯地(スライサー)を使ってハリがある感じに仕上げたバッグ2つでした。→舟形トート(1)

下の画像は芯地入り(上)と芯地無し(下)の画像。作り方(糊しろの貼り方)は全く同じですが、芯※1を入れるとハリが出てしっかりした感じになり、布だけで作るとクタッとした仕上がりになります。

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芯の無いクタッとしたタイプ(下)の良さは、布の柔らかさが残るのと、畳むと小さくなるところ。コニシの「裁ほう上手」という接着剤を使えば水洗いできるので、お弁当入れやお洗濯が必要な子ども用のバッグに向いています。

一方、教室でお教えしているレッスン課題は芯地を入れるタイプ。

刷毛で塗る接着剤を使ってカルトナージュと同じように作ります。こちらの良さは芯地と糊しろとの区別がはっきりして、作業がしやすいところ。”芯地(厚紙など)と糊しろ”の使い分けに慣れたカルトナージュ愛好者の方は、こちらの方がお勧めです。

芯入りバッグを立てるとこんな感じ(↓)。補強も兼ねて底をつけているので、しっかりと立つタイプのバッグに。(折りたたむことも可能)

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このような底がしっかりした”立つタイプのバッグ”は、雑誌を入れたり趣味の道具を入れたりして、家の中でバスケット代わりに使うのも便利。底を正方形にしたり、大きさを変えるといろいろなバリーションが生まれます。ちなみに横に置いているのはマチ付きのファスナーポーチ。カルトナージュで使ったToile de Jouy(トワル・ド・ジュイ) の端切れで作ったもので、手作りストラップ(取り外し可能)をつけてバッグインバッグになるタイプです。

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<貼って作るバッグの強度と持ち手の補強>

『貼って作るバッグとこもの』の本では、「できるだけ身のまわりの材料で簡単に・・・」というコンセプトがあり、金具などの特殊な材料は最小限にしなければなりませんでした。なので、まずは構造の工夫により貼って作っても強度が出るようにしています。→二重にする、底を別に貼るなど。

持ち手部分が心配な場合は、補強するのが一番です。中に入れるものや使い方は人それぞれなので、自分で判断して補強しましょう。革テープを使う場合は、”カシメ”※1という金具で留めることをお勧めしていて、見た目もぐっとおしゃれになるので一石二鳥。市販されているバッグのような仕上がりが可能です。

一方、「重いものを入れるから持ち手を補強したいけれど、金具付けはイヤ!」という人は、持ち手だけ針と糸で補強し、ボタンなどを縫いつけてみるのがおすすめ。用途に合わせていろいろ工夫するのも楽しいかもしれません。

※1 芯地については、布芯や不織布の芯でも制作可能。その場合は、ボンド「裁ほう上手」でOKです。厚さによって仕上がりが変わるので、お好みで。

※2 カシメ金具と道具について:バッグや革小物に使われている、小さな丸い金具がカシメです。「金具つけなんて難しそう・・・」という印象があるかもしれませんが、モノ作りが好きな方なら案外簡単。カシメと道具はホームセンターやインターネットで購入できます。

必要な道具は(1)カシメ金具、(2)穴あけ用のポンチ、(3)打ち棒、(4)打ち台、(5)木づち(または金づち)、(6)ゴム板(穴あけ台用)。ポンチと金づちはベルトの穴あけにも利用できます。

長財布(多用途ケース)-秋の木の実を添えて2-

ボンドで貼って作るバッグとこもの」で作り方を紹介した多用途ケース。長財布にしたり、通帳や冊子を入れたりといろいろな用途に使える実用品です。

下の画像は厚手のインテリアファブリックで作ったもの。(本には綿ストライプのものを載せました。後ろの箱はカルトナージュの作品、「アンティークブックタイプの箱」)

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カードケースやファイル、服紗などはカルトナージュではおなじみのアイテムですが、こちらは「折り紙・工作方式」でぐっとシンプルに簡単に作れるように考えたため、慣れれば1,2時間で完成します。

ギフト券やショップカード、領収書などの保管に使うため、留め具はマグネットに。※1

ミシンで縫って作る場合は柔らかさとステッチが魅力ですが、ステッチを出したくない時やハリを持たせたい場合、扱いにくい厚手の生地などにも向いています。

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形と設計がシンプルなので、マリメッコなどの北欧デザインからティルダ、リバティーなどの薄手の生地など、どんな生地でも簡単に作れる実用品。いろいろな材料で試作したものを今後少しずつ紹介する予定です。

※1 留め金具は用途によって使い分けると良いでしょう。必要がなければ留め具なしでもいいですし、磁気カードを入れる場合は、スナップホックやくるみボタン、面テープなどが安心です。

丸いふたの小物入れ -秋の木の実を添えて1-

丸いふたの小物入れ -秋の木の実を添えて2-

丸いふたの小物入れ -秋の木の実を添えて1-

丸いふたのジュエリー&コインケース。 起毛の模様入りのインテリアファブリックで作ったもので、ざっくりした感じが秋や冬に合うので、どんぐりや木の葉と一緒に・・・。

折り紙のように折って作る小物入れで、作り方を「ボンドで貼って作るバッグとこもの」に掲載したアイテム。 教室では「こもの入れ(コインケース・プチケース)A」と呼んでいます。 →A,B一緒の画像はこちらのページ、マリメッコのプケッティで作ったBタイプはこちらから

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設計は慣れればとても簡単。縦横の寸法を変えたり、フタの形を変えることでさまざまなバリエーションが生まれます。

折りこむ部分がマチになっているので、たっぷりサイズに作れば大きめのものも収納可能。内部の材料は自由ですが、ここでは内側は水で拭いても大丈夫な材料を使用しています。

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黒地に水玉のファブリックで作ったケース(下)は、内部をオフホワイトにして軽やかに。

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今年も少しだけですが、オリーブが実をつけてくれました。

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舟形トート(1)

「貼って作るバッグとこもの」より舟形トート。書籍に作り方を載せた作品です。

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長年愛用しているエルベシャプリエ というフランスのメーカーの舟形トート。軽くてとても便利です。あの形を好きな布で簡単に作れたら・・・という発想から貼って作るタイプを考案。ちょっとした外出するときに重宝する大きさです。

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どうして「舟形トート」という名まえなのですか?と質問を受けることがありますが、やはり船のような形だからです。(折り紙の船の形を想像してみてください)

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芯地を変えることによって全く違った雰囲気のバッグができあがるアイテム。芯入りりと芯なしの画像比較はこちらのページで紹介しています。

刺繍入りのトートバッグ-葡萄色と布のリメイク

8月も後半に入り、ここ数日、空の色にちょっぴり秋を感じるような・・・。「暑い、暑い」と言いながらも残暑を楽しみたいところですが、日本各地で不安定な天候が続き心配です。

下の画像は、紙袋トートのソフトタイプ(貼って作るマチ付きトート)。刺繍入りの生地で作ったバッグで、書籍で紹介したかったものの、コンセプトと合わずに出せなかった作品です。

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ぶどうの色に白や灰色を混ぜたような紫系の生地に合わせ、側面に使ったのは葡萄色のデニム生地。

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食べるのも、姿を見るのも好きなブドウ。「葡萄色」という表現を使ったものの、種類によって違うし、どのくらいの品種があるんだろうと数を調べたら、「世界に1万種類」とか「数千種類」という数字が出てきてびっくり。品種改良によって新しいものが生まれ、その後、消えていくことも多いようです。

実はこのバッグ、数年前に旅先で購入したクッションカバーのリメイク品。

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サイズが合わず、使わずにしまっていたものをバッグなどに仕立てています。

 

 

海辺のストライプ-デュフィのブルーとオレンジ色

ここ数回ストライプばかりなので、別のものを・・・と思っていましたが、今回もまたストライプ。プレゼント用に作った紙袋トートのソフトタイプ(貼って作るマチ付きトート)です。   Camidecor1495 5,6年ほど前にセールで購入した南フランスのストライプのキャンバス生地。ブルーの濃淡、ホワイトのストライプにオレンジがアクセントになっている部分を表に出しました。

Camidecor1495-4 地中海沿岸の抜けるような空の青さと海の色、そしてオレンジのアクセント。 色彩はその土地の気候風土や文化と密接な関係がありますが、光は最も大切な要因の一つ。色は光によって見え方が変わるからです。

以下の画像は7月27日まで東京・渋谷のBunkamuraで開催されていたデュフィ展のカードとリーフレット。

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すべりこみセーフで最終日の夕方に行ってきましたが、デュフィが描く表情豊かなブルーの中に、鮮やかなオレンジがアクセントとして使われているのが印象的でした。(ちょうどストライプのファブリックのオレンジと同じ色です)

フランスの画家、ラウル・デュフィ(Raoul Dufy)。「色彩の魔術師」と呼ばれるマチスに影響を受けたその作風は、色でメロディを奏でるかのように明るく軽快。もともとフランス北部で生まれたデュフイですが、明るく鮮やかな色彩の作品の多くは滞在していた南仏の光や風を感じさせます。

デュフィならではの豊かな色彩と透明感のある作品に加え、テキスタイルデザインや木版画などの展示もあって、今までとは違った一面を知ることができた興味深い内容。東京での展覧会は終わってしまいましたが、現在は大阪で、その後、愛知で開催されるので、ご興味のある方はぜひ。

「デュフィ展 絵筆が奏でる色彩のメロディー」 Bunkamura ザ・ミュージアム→展覧会のみどころ

あべのハルカス美術館 2014年8月5日(火)-9月28日(日)

愛知県美術館 2014年10月9日(木)-12月7日(日)

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さて、最初のバッグの話に戻りますが、実は裏側は違う色のストライプです。海のブルーや空色に 乾いた土の色を思わせるアースカラーと白が配され、淡いピンク色が柔らかさを加えている配色。

このピンクは何の色だろう・・・?とぼんやり考えながら海辺の写真を見ていたら、空の色の下方にうっすらピンクが入っているような・・・。(気のせいかも?) 青い空もブルーからエメラルドに少しずつ変わる海の色も光のなせるわざと思うと不思議な気がします。Camidecor1495-5

 

バッグと一緒に写っているのは、2010年ごろ作った「プレースマット」。エレガントな曲線をアクセントに入れた様々な用途に使えるシートです。複数のデザインを考えましたが、こちらは波と水しぶきのイメージ。(タッセルはこちらのページに作り方を載せています)

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日本はちょうど夏休み。日本の夏の色のイメージは?と聞かれたら、何と答えるでしょうか。

青い空と入道雲、、ひまわり、海、木々や野菜の濃い緑、西瓜、花火大会、そして蝉の声(?)  ・・・なんだか私の中では「昭和の夏」のイメージのままで止まっているような気がしますが・・・。

「ボンド裁ほう上手」で貼って作るカトラリーケース-ティルダの生地で

ティルダ(Thilda)の生地でちょっとシャビーシックに作った、ロールタイプのカトラリーケース。

「ツールケース」という名称で「ボンドで貼って作るバッグとこもの」の本に作り方を載せているアイテムで、コニシの「ボンド裁ほう上手」で貼って作った実用品です。※教室のレッスン課題ではなく、書籍用に考えたものです。

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くるくる巻くロールアップタイプのカトラリーホルダーは、ずいぶん前にミシンで縫ったものを使っていましたが、仕切り部分の縫い目が曲がったりして、仕上がりにちょっと難が・・・。 ミシン目も見えています↓

 

そこで、「ボンド裁ほう上手」を使って試作したところ、細いポケットが驚くほど簡単に出来ることを発見。「ボンド」で貼って作る実用品のおすすめレシピとして、作り方(折り紙・工作方式)をぜひ紹介したいアイテムとなりました。

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この方法の良いところは、仕切りのポケットがすごく簡単に作れること。ボンドを塗ってアイロンでしっかり貼れば、細いポケットがあっという間に完成します。そして、2枚仕立てで作ることによって、ナイフやフォーク、道具を入れる仕切り部分が見えずにすっきり美しく完成。可愛らしい柄の生地を使う場合も、縫い目が邪魔になることがないので一石二鳥です。

本では片側※1から巻いていますが、両側から巻いてもOK。

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「ボンドで貼って作るバッグとこもの」のシリーズは、木工用ボンドなどを使って作れるものも多いのですが、このカトラリーケースは水で洗う場合があるので、コニシの「ボンド裁ほう上手」がおすすめ。

ただ、1つ欲を言えば、縁の接着部分がもう少し柔らかく仕上がるといいなあ・・・と。接着剤のさらなるバージョンアップを楽しみにしています。

※1 本に載せている片側から巻くタイプはこちら↓。 あっという間に仕切りが出来る上にミシン目も出ないので、すっきりした仕上がり。ミシン目が曲がってしまって(私だけ?)、残念な仕上がりになる心配はありません。  道具を入れるツールホルダーとしても便利です。

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「色鉛筆ホルダー」の大きな画像は下の記事に載せています↓

ハウスボックスと色鉛筆用ホルダー-”ちいさいおうち”によせて