月別アーカイブ: 2019年4月

すずらんとすみれの刺繍フレーム(2007-2017年)-すずらんの日によせて

「5月1日はフランスではすずらんの日だそうです」と、すずらんとすみれのカードを紹介したのは2013年のことでした。

すずらんとすみれの花束 -カードと小箱-

それ以来2016年まで、この季節になると何かしらスズランの花の画像を紹介していましたが、ここ2年サボっていました。

実は2017年には画像を準備していたものの、タイミングを逃してしまって…。下が2年前の5月に掲載しようと思って2年放置していた「すずらんとすみれの刺繍フレーム」の画像※1です。

スズランやスミレの刺繍はずいぶん前の冬に気まぐれに刺したもの。刺繍用の布ではなく、何かの余り布を使っています。

刺した後は興味が薄れてしまって、ハギレと一緒に収納ケースに仕舞いこみ、このまま捨ててしまいそうになっていたものを救済。カルトナージュのOval(楕円)の額の中に入れて仕上げました。

下は当時のラフスケッチ。ミモザの花束のフレームについてはこちらで紹介しています。

 

すずらんのフレームの斜め上に写っているのは「すみれの刺繍フレーム」。肝心のすみれがパンジーをミックスしたような感じで、酔っ払いみたいでちょっと変ですね・・・

当時のスケッチを見ると、すずらんの図案が複数あるのに比べて、すみれの”おまけ感”・・・。

こんな風に下絵も描かずに思いのままに刺したので、独創的な感じになってしまったのでしょう。

「スミレ」という花は奥が深くて沢山種類があるそうですが、恐らくこういうすみれ↓と、

こういうスミレ↓の雰囲気を出したく、結局足して2で割ってしまったような感じになったのかな?と推測。作ったものを見ると、今さらながら詰めの甘い自分を思い知らされます。

毎年、この季節になるとスズランに会える場所。

光によって色の見え方が変わる包容力のある大きな葉と、ささやかにひっそりと咲く小さな鈴のような清らかな花を見ると幸福感に包まれます。

そういえば、すずらんの花は結婚式に使われることも多いそう。

特に英国のロイヤルウェディングでは、ダイアナ元妃の結婚式のブーケをはじめ、キャサリン妃(2011年4月29日)、メーガン妃(2018年5月19日)のウェディングブーケにもスズランが使われたそうです。

 

桜と薔薇モチーフの布1-平成最後のお花見によせて

2019年春、日本では平成最後の桜の季節。今年の関東は3月末から4月初めにかけて花冷えの日が続き、開花から2週間近く桜の花を楽しむことができました。

そして、いよいよ桜前線は北海道へ。4月22日に開花したそうで、美しい季節の始まりですね。東北や北海道の皆様、これから北へ向かう皆様、美しい桜とともに良い連休をお過ごしください。

さて、今回紹介するのは「桜と薔薇モチーフの布」。・・・2017年に「春のピンク色、花モチーフ」というテーマの中で紹介しようと思っていたのですが、時期を逃し、あっという間に2年が経ってしまったので、新たに今年の桜の写真を追加して・・・

春のピンク色、花モチーフ

<桜と薔薇モチーフの布>

15年近く前に見つけた淡い花柄プリントの布。薔薇の花柄は多いけれど桜の花のモチーフが入っているのが珍しくてつい買ってしまったもの。

イギリスのプリント生地なので、この花は本当に桜なのか、りんごや杏、アーモンドなどのバラ科の別の花なのかわからなかったのですが、その後、杏やアーモンドの花ではないことを確認したので、ここでは桜ということに。

ピンクだけでなくグレーの桜もあしらわれていて、ちょっと色あせたようなアンティーク風の雰囲気になっています。

桜にちなんだ日本の色名や淡墨桜(うすずみざくら)については、以前こちらの記事で書いたことがありますが、曇りの日の桜はまさに灰桜(はいざくら)、桜鼠(さくらねずみ)、薄桜(うすざくら)色。

単独だと寂しげですが、ピンクの花が少し入ると明るい感じに変わります。

このプリントには紫陽花も入っていて、その部分は少し華やか。

いつか収納箱を作ろうと思っていたのですが、2008年頃にバケツ形の器のサンプルを作って以来、なかなか使う機会がなくて・・・。

インテリアやファッションの流行もある中、柄としては好きだけれど実用品としては難しい、という材料なのかもしれません。→バケツ形作品の記事はこちら(マガジンラックとバケツ形の器)

 

<ソメイヨシノ(染井吉野)と次世代の桜、ジンダイアケボノ(神代曙)>

こんな風にずいぶん前に買って保管したままの布ですが、せっかくだから今年撮った桜の写真を添えようかな、とファイルを見ていたら、蕾の色や形がなんとなく似ている?ものがありました。

花びらと蕾のピンクのグラデーションがなんとも可憐なこの桜。ジンダイアケボノ(神代曙)という品種で、3月末に神代植物園にある原木を撮ったものです。

ジンダイアケボノ(神代曙)は、1991年に新品種として認定されたソメイヨシノの血を引く桜。

実はこの桜、ソメイヨシノよりも伝染病(テングス病)に強いことなどの理由で、近年寿命を迎えつつあるソメイヨシノの植え替えとして推奨されている品種だそうです。→参照:公益財団法人日本花の会

米国のワシントンD.Cとも縁があったりと、ちょっと不思議なエピソードを持っているので、ご興味のある方はチェックしてみてください。※1

ソメイヨシノの面影もありながら、よりピンクがかった花の色。丸く固まって咲く風情が可愛らしく華やかです。

次世代を担う桜、ジンダイアケボノ(神代曙)。昭和、平成を生き抜いたソメイヨシノとともに新しい令和の時代の春を彩ってくれるのが楽しみです。

今回紹介した桜とバラの布は、心惹かれて買ったのにほとんど使っていないという材料ですが・・・

同じ薔薇のモチーフでも、上↑のコラージュ画像に入っているこちらのシリーズ(下↓)は結構いろいろな用途に使っています。

次回は「桜と薔薇モチーフ2」として「バラ」をテーマにしたものを皆様の作品から紹介したいと思います。

※1ジンダイアケボノ(神代曙)についての関連記事

ジンダイアケボノ(神代曙):Wikipedia

「運命に翻弄される桜、ソメイヨシノ。代打はジンダイアケボノ!?」

 

桜と薔薇モチーフの布2-教室の皆さまの作品より

桜と薔薇モチーフの布-1」では桜にスポットをあてましたが、今回はバラの花に関連したものを皆様の作品から紹介したいと思います。

時代や流行が変わっても根強い人気のバラの模様。優雅で写実的なものからアール・ヌーボー、アール・デコの時代のデザイン、抽象的なものまで様々あって、教室の皆様の作品でも紹介したいものがいろいろ。

ただ、女性的な美しさからか、バラの花柄が入るだけで甘く優しくなってしまうので、スタイリッシュにしたい時はあえて避けたり、バラの花は好きだけれど実用品には使わないという方もおられます。

ローズモチーフを使って、甘く可愛らしくなりすぎずに仕上げたい時は色や使い方をちょっと工夫するのがおすすめ。以下はそんな風におしゃれにまとめた皆様の作品です。

1枚目はS・O様の作品。淡い水色のローズ模様を使って、ヴィクトリアンソーイング(縦型ソーイング)サシェの課題を作って下さいました。

刺繍が入った小物やリボン、待ち針の色まで揃っていて、細部まで完璧な仕上がり。手芸道具としての可愛らしさ満載なのに、ブルー×ホワイトのみですっきりとクールな印象にまとまっています。

 

ブルー&ホワイトのツールボックスはY様の作品。アンティーク調のローズ模様にあえて明るいブルーとナチュラルレザーの持ち手を合わせ、軽やかでおしゃれです。

 

曲線ラインのレターボックスの課題はY・O様の作品。全く違うテイストの2種類のバラ模様を使い、細いストライプで清涼感を演出。絶妙な組み合わせが素敵です。

 

内部が可動する曲面のボックスの課題はN様の作品。高級感のある茶のスエード調の布に薔薇のオーナメント。小粒のパールがホワイトローズにぴったり、シックで上品にまとめて下さいました。

 

その他、バラのモチーフをモノトーンでシックに使った皆様の画像など、まだまだ紹介したいものがあるのですが、そちらはまた別の機会にあらためて・・・。

 

<薔薇の花びらとローズブーケ&パールの丸箱(E・K様)>

古くから続くバラのモチーフの人気は、本物のバラの花にそれだけの美しさと魅力があるからでしょう。

短い時間で失われてしまう命の美しさを何かの形で表現し、とどめたくなってしまう。私自身も、かつて粘土細工や紙で薔薇の花飾りを作ったことがあります↓。(紙で作るシンデレラの靴

最後に紹介する作品は、バラのコサージュ(花飾り/アートフラワー)とカルトナージュを組み合わせた丸箱。E・Kさんの創作作品です。2015年、カルトナージュの丸箱の課題受講後に、ガーベラの花飾りの箱を仕上げてこられ感激しましたが、こちらはその1年後の作品。

お手製のアートフラワー(造花)の花飾りは、花びら1枚1枚をカットし、布の色に合わせて染めたものだそう。まさにオーダーメイドで色がぴったりですね。

手工芸とは異なるジャンルのお仕事を持っておられるので、アートフラワーやカルトナージュは趣味で楽しまれているそうですが、幾重にも重なるバラの花びらを表現するのは至難の業。

蕾の形や花びらが少しずつ開いていく様子や

透明感のある繊細な色合いも本物のバラのようですね。

クリーム色の花は難しそうですが

パールやシャンパンゴールドがアクセントの素敵なミニブーケの箱に。

もうすぐバラの花が美しい季節。

花の美しさだけでなく香りも楽しみの1つです。

※バラの画像は2017年、京成バラ園にて撮影したものです。