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立春と福々しいお菓子、梅の箱とつまみ細工の梅の花

節分の豆まきも終わり、立春を迎えました。寒さも新型コロナウィルスもまだ油断できない日々ですが、暖かくして元気に過ごしたいものです。

—-以下、2月7日以降に加筆しました—–

上の写真のお菓子は、「金沢うら田」さんの起上もなか。以前いただいたことがあって、あまりの可愛らしさに、その後、自分で取り寄せた時のもの。今見ても、福福しいお顔に心がなごみます。

「金沢うら田」さんには、季節限定の「桜花」という最中もあって、そちらも春らしくてこれからの季節にぴったりです。(前にこちらのページに載せた写真です)

 

心が和むといえば、2月の初め、知人が写真を送ってくれた湯島天神の梅の花にほっこり。優しいお顔の牛の像にも思わず微笑んでしまいました。昨年からのコロナ禍もあって、眉をひそめることが多い毎日ですが、自分の中の鬼を追い出し、できるだけ笑顔で過ごしたいなと思います。

 

さて、今回のテーマは梅の花と和の箱です。

<カルトナージュの梅の形の箱と市松模様>

下は、K・Kさん制作の「梅の形の箱」※1。梅の形の箱は選択制の課題で、大きさや材料、内部も自由。洋風の材料で作る方も多い中、和の材料を使って仕上げて下さいました。

金と白の市松模様が赤色に映えて、お正月や春の飾り物にぴったりです。

日本の伝統的な意匠の市松模様。途切れなく続くということから、繁栄を意味する縁起の良い柄としても使われます。

下は東福寺本坊庭園の市松模様。1939年に重森三玲氏が作庭したもので、いぶし銀の石の輝きと苔の緑との対比が美しく、モダンでスタイリッシュな印象も受けます。※2

長く親しまれてきた意匠、デザインは、少しずつ形を変えながら現代、未来へと続いていくのだなあと感じます。

 

<梅模様の小箱と「つまみ細工」の梅の花>

梅つながりでもう1つ。昨年レッスンを再開した折のこと、上の梅の箱を作ったKさんと「つまみ細工」の話になりました。お嬢様の成人の晴れ着の髪飾りを作ってみようかしらということで、素敵ですねえ、とうっとり。「作ったことありますか?」と聞かれ「簡単なのをほんの少し」と。

もともと和のお細工物(押絵など)は糊を使うものが多いので、端切れとボンドで試してみたことがありました。

下は前に作った「梅の花の小箱」と、余り布で作ってみた「つまみ細工」の梅の花(下手ですね)。花びらが不ぞろいなのは風でなびいている風情と考えればと、写真に残してみたものです。

「つまみ細工」のお花、花びらが沢山あるものよりも五弁の花は粗隠しができない。何事も熟練が必要なのだなあと実感。(・・・そして脱落)

江戸時代から伝わる伝統的な手法ではでんぷん糊を使い、縫う作業が入ることもあったようですが、最近は木工用ボンドなどの接着剤だけで作る方法が広がっているようですね。イヤリングやブローチにしたりと、新しいアイデアや道具、材料によって進化して、未来に引き継がれていくのが楽しみです。

 

※1 カルトナージュの「梅の形の箱」のサンプルは「お花見と梅型の箱」で紹介しました。

お花見と梅型の箱 -和紙で作るテーブル周りの小物と器

※2 重森氏による庭園設計の経緯の話が面白いので、ご興味のある方は東福寺のサイトからどうぞ