カテゴリー別アーカイブ: アンティークスタイルの箱

秋色の紫陽花(2022年)とアンティークブックスタイルの箱A&B

秋も深まり紫陽花も秋色。果物が美味しい季節です。コロナ禍に入って3年近く経ち、ようやく元の生活が戻りつつありますね。

上は今年2022年、下は去年2021年の秋色アジサイ。

毎年同じような写真ばかりで違いはみかんと柿くらいですが、こんな不安定な世の中だと、変わらず咲いてくれる花や秋の実りを一層ありがたく感じます。

2016年9月の紫陽花↓は、花びらにまだ瑞々しさが残る涼しげな優しい色。

ブドウが入っているのは、紙で作った葡萄色(防水加工)のトレイです。

昔から食欲の秋、読書の秋といいますが、ここ数年落ち着いて読書する時間がありません。便利になっている一方で、どうでもいい情報やニュースとか見てしまって無駄な時間を過ごしているためでしょう。

下は2015年の秋の画像。奥に並んでいる分厚い本はブック型の箱でカルトナージュの課題です。

「アンティークブックスタイルの箱」と名付けた課題は2010年から続いていて、作り方の違うAタイプとBタイプがあります。(↓教室の課題用画像)

見た目はほぼ同じなので作ってみないとわからないA↓とB↑。

下のブドウ色のブックBOXはBタイプで2010年の作品。

夏だと暑苦しく感じるベルベット調のテクスチャーや、葡萄色や芥子色などの濃いめの色が心地よく感じられる季節になってきました。

寒暖の差が激しい日々、くれぐれもご自愛ください。

焼き菓子柄のアンティークブックBOX-A(2010) ミニチュアガトーを入れて

読書の秋、食欲の秋。今回は本とお菓子というテーマで作品を紹介します。

独学でカルトナージュ作品を作り始めた2004年ごろに旅先で買ったイタリア製のペーパー。菱形の格子の中に繊細でレトロな焼き菓子のイラストがプリントされていて一目ぼれして購入したものです。

当時、自分で使うためのノートカバーや蛇腹のファイルの表紙に使いました。

まだスマホが普及していなかったので、レシピを入れたり作り方や分量をメモしたりに文房具が必要だったのです。今はもう使うことが少なくなった「手帳タイプのメモパッド」。

そして次の写真は教室の課題「アンティークブックスタイルの箱-A」のサンプル。アンティーク調の本の形の箱で中級程度のテクニックの作品です。

アンティークBookの形の箱のシリーズの中で一番作りやすい基本のタイプで、下は教室の皆さんに送っている課題写真。※1

蓋の裏側は立体感を持たせるためにリボンでアクセントを入れています。

最後の画像は約20年前の1998年頃に遊びで作ってみたミニチュアのケーキを入れて撮った写真。ケーキの形も古いし、樹脂粘土を使った素朴なものですが、本物のケーキの写真を参考に自分で勝手気ままに作るのは楽しい作業でした。(今より目も良かったし根気も少しはあった)

当時、仕事が忙しいのに楽しすぎてのめり込みそうになったので、50個ほど作った後はミニチュアケーキ作りは封印。長年大切に保管していましたが、さすがに古くなったし処分する前に…と箱に入れて撮った時の写真です。

今のミニチュアはスイーツやフードに限らず、進化して精巧なものが多くてびっくりします。もともと小さいものが大好きなので、作家さん達の作品を目にすることがあるとワクワク。

でも、カルトナージュやバッグ&小物よりもミニチュア小物を作りたくなってしまいそうなので、なるべく見ないようにしています。

※1 「アンティークブックスタイルの箱」シリーズには基本のAタイプのほか、応用のBやCタイプがあります。2010年~2011年にサンプルを作り2011年から課題としてスタートしました。

秋色の紫陽花(2022年)とアンティークブックスタイルの箱A&B

白いレターラックと天使のオーナメント(2011年)

手紙や書類を入れるカルトナージュのレターラック。使いやすいオープンタイプのレターラックは比較的簡単なテクニックで作れるので、2004年頃からいくつかのデザインを作ってきました。

今回紹介するのは、その中ではちょっと難しめの、曲線を使ったエレガントデザインのレターラック(2011年制作)です。

5,6年前に白いベルベット生地で作ったこの作品、何回もこのサイトで掲載しようと準備しては、なぜか機会を逸してきました。

ちょっと振り返ると・・・

2013年の夏、涼しげなイメージで画像を紹介しようと思っていたら、気付いた時にはもう秋。じゃあ、ホワイトクリスマスで・・・と思っていたら、あっという間にお正月。

では、天使のオーナメントをキューピッドに見立てて、2月のバレンタインに♪と、チョコレート色の背景の画像を作りかけ・・・

・・・結局そのまましばらく放置・・・。(上画像)

またあっという間に夏になり、ブルーの背景の画像を作ったけれど・・・

気付いた時にはまた秋に。・・・その後、クリスマス→バレンタイン→夏と、またもや季節はめぐり・・・。

・・・こんなことを繰り返してずっと掲載ができなかった画像ですが、春、夏、冬バージョンがあるので、今回文字を入れ直して3枚とも掲載する形にしました。

最終的に画像が3パターンもできたのは私の怠慢からなのですが、実感したのは、白やオフホワイトの作品は、いろんな季節やシーンに合わせられるということ。そして、ちょっとグレイがかったオフホワイトなので、汚れが目立たないところも実用的です。

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もともと、いろいろなことを並行して進めてしまうことが多く、実はこんな感じで準備したままの画像や記事、紹介したい教室の皆様の作品画像がたくさん・・・。作品や教室の課題サンプルも試作しかけて放置し(←熟成期間?)、数年後に課題として仕上げの作業に入る、というようなものが結構あります。

しばらくこのサイトの作業ができなかったので、時間を見つけて冬の記事は下に(↓)追加していきたいなと思っています。もちろん春の記事は上に(↑)・・・

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天使のオーナメントや天使柄の生地の作品(↓は大型トランク/2015の作品)についても書きたいなと思っていたのですが、それはまた次回以降に。

 

<教室の課題として>

レッスン課題としてはレターラックA、B、CのうちのCという作品です。Aはシンプルな形、B,Cはどちらも複数の曲線ラインの型を自由に組み合わせて作っていくアイテムですが、Bの方がややシンプルなデザインです。(レターラックA,Bのサンプルや受講して下さった皆様の作品については別ページで紹介します)

上の画像はCのサンプルのデザイン違い。それぞれ大きさや曲線ラインが若干異なります。

 

セピア色のホビーバッグ(2007年)-フルート奏者と音楽モチーフ

文化の日によせて。芸術の秋ということで音楽にちなんだモチーフの材料を使った作品を紹介します。

下は2007年の教室用の画像で今もメインサイトに載せているもの。

今回とりあげるのは向かって右端のバッグ、「軽量バッグA・曲線ライン」という課題のサンプル。フランスのトワル・ド・ジュイの中でもかなり大きな図柄をパネルのように切り取って使っています。

使った絵には貴婦人達が屋外でくつろぐ様子が描かれていて、よく見ると音楽を楽しんでいるのがわかります。下は正面から見たもの。ドレスを着た貴婦人の傍らでフルートを吹いている男性。衣装を見ると18世紀でしょうか。貴婦人の上に掲げられたパラソルが優雅。

下はバッグの裏側の写真。色が違って見えるのはカメラと撮影場所が違うためです。いずれにしてもセピア色の柄なので、古びた写真のようなノスタルジックな印象。

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男性2人が楽器を持ち、冊子を開く女性。楽譜か何かでしょうか? 草むらにはリュートかマンドリン※1のような弦楽器が置いてあるので、この後3人で一緒に音楽を奏でるのかもしれません。セッションの楽しさは時代を越えますね。

音色もさることながら形も美しい古い時代の楽器。楽器が工芸品として美術的価値を持つようになったのはルネサンス以降の時代で、特にバロック期(17~18世紀)には装飾的な彫刻や美しい木材などが使われ豪華な楽器が多く作られたそうです。

 

 

美しい楽器類は布の柄だけではなく建築モチーフの題材にも使われています。管楽器、弦楽器の精巧なレリーフが美しい。※2

電子音楽やデジタル技術が発達した今、最新のテクノロジーによって音楽や楽器も進化していて、もはやAIが作曲し演奏する時代。そんな中でも、リュートやチェンバロ(ハープシコード)などのバロック音楽、パイプオルガン、ハープなどの生演奏を聴くと妙に落ち着くというか、脳や魂に響いてくるものがあるのは不思議です。

西洋だけでなく、日本の雅楽や和太鼓、アジアの古典楽器の音にも身体の奥深くに届く独特の魅力がありますね。

下は江戸時代の浮世絵。菊川英山の「風流玄宗吹笛之図(文化6-8年/1809-11頃)」の一部がポストカードになったもので、華やかな着物を着た男女が1管の笛を吹いています。奏者の傍らに傘のようなものを持った女性が立っているのが最初に紹介したトワルドジュイの柄と共通で面白い。

 

最後にもう1枚カルトナージュ作品の画像を紹介。2012年に作った箱を天使のオーナメント2つと一緒に撮ったもの。天使はそれぞれ楽器(ラッパ、竪琴)を持っているので、箱のリボン装飾を五線譜に見立てました。下に敷いてあるのは古い楽譜がプリントされたイタリアのアートペーパーです。

時代だけでなく国や文化、言葉を越えて感動を与えてくれる音楽。今回紹介したように、トワル・ド・ジュイの布に音楽を楽しむ風景が描かれていることもあり、楽器や音符、楽譜などがモチーフになっている布や紙も見かけます。教室の皆さんも時々カルトナージュの作品に使っておられるので別の機会に紹介します。

 

※1 リュートはアラビアのウードを起源とする楽器で、ヨーロッパではルネサンス期からバロック期の時代の宮廷音楽や宗教音楽などで広く使用。マンドリンはリュートより後に発展した楽器で、バロック期のイタリアやドイツの貴族の演奏会などで人気を博し、19世紀になると一般に広まり、南イタリアやシチリアの民族音楽の楽器としても定着

※2 Museo Bagatti Valsecchi バガッティ・ヴァルセッキ美術館

※3 中国の玄宗皇帝が楊貴妃と共に一管の笛を吹いたという逸話からのモチーフ。日本浮世絵博物館蔵(長野県松本市)

シャーベットカラーのフリンジ付の箱とリボン飾りのシルクフレーム(2007/2008年)

今回紹介するのは、フランス製のフリンジをあしらったシャーベットカラ―の小箱シリーズ。古い作品をリメイクしてリボン装飾し、ご希望者対象の課題となった作品です。

今年の春、古いサンプルを整理していたら作りかけの箱を見つけました。手のひらサイズの小さな箱で色違いが数個。フランスで入手したフリンジ(房飾り)を使って2007年頃に作ったものの、何だかしっくりこなくてそのまま長年放置してあった作品です。

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当時、沢山あるフリンジを何かに使えないかな?と思って始めたサンプル試作。結局、箱は中途半端なまま、小物作りに気持ちが移ってしまって、フリンジはくるくる巻いて作るタッセルになってしまったのでした(↓右下画像)。

Camidecor1757-3上の画像2つはホームページの2008年の欄から抜粋したもの。透明アクリルの蓋からタッセルがちょっぴり透けて見えていますが、今でも『コレクションケース』にそのまま雑多な感じで入っています。 →白いコレクションケースの大きい画像はこちら  →水色はこちら(上から2枚目)

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そんな感じですっかり忘れていた小箱でしたが、フリンジ自体は全く劣化せず、糸の質感も綺麗なまま。今見ると、小箱×フリンジも悪くないかも(好みは分かれるだろうけれど…)という気がして、画像に残しておこうと写真撮影。アプリコット、ミントの淡い色のモアレ生地を使っているので、『シャーベットカラーのフリンジ付の箱』と名付けてみました ※2

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その後、少しして、ちょうど『課題サンプル』の仕上げ作業で広げていたリボンやフローラルテープを使って、ためしに装飾。

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フリンジの裾の広がりをそのまま活かしたり・・・

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裾を広げずに、繊細な糸のテクスチャーだけ楽しむデザインにしたり・・・。

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これはちょっと装飾しすぎかな???と思いつつ、いろいろ組み合わせて楽しんだり・・・。(けれど、だんだん何が良いのかわからなくなってしまう・・・)

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小さいアイテムですが、シャーリングの小箱を中に入れたり、内部や蓋もいろいろと工夫できます。Camidecor1769-1

そして、2008年頃に作ったシルクのボードと一緒に撮影すると、ちょっぴりアンティークっぽい雰囲気に・・・。シルクのボードは『カルトナージュBOOK』という本で紹介したタッセルトランクの内部用に作ったものです。※3

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そういえば、2007年はソフィア・コッポラ監督の映画、『マリーアントワネット』が日本で公開された年。

映画自体の歴史的な内容や人物描写などには正直がっかりした部分が多かったものの、衣装やお菓子など美術面での優雅さは、カルトナージュ愛好家のツボにはまるものがあり、教室でも話題になったものでした。

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シルクを使ったリボンボードやパステルカラーのフリンジの箱、紙で作る靴(下)などは、少なからず映画の影響もあったかも・・・?と、作った当時を思い出しています。

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・・・と、こんな感じで小箱の紹介の下書きをしつつ、忙しくなってしまった6月でしたが、偶然にもレッスンで、マリーアントワネットという名前の紅茶(MARIE-ANTOINETTE TEA)の差し入れをいただきましたので、追記として紹介します。(7/2)

NINA’Sというメーカーのその紅茶は、Mさんが『西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展』※1にいらした際に買ってきてくださったもの。ピンク色の美しいパッケージにはジュイの布のモティーフ(王妃が田園で遊ぶ様子?)が使われ、缶の蓋にもMとAのモノグラムが。

林檎(りんご)と薔薇(ばら)のフレーバーティーの甘い香りがなんとも女性好みで、厚紙や布や接着剤が散乱し雑然とした教室で作業に疲れた皆さんに、しばし優雅な雰囲気を運んでくれたのでした。

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普段使える実用品を中心に考えている教室の課題ですが、現実逃避できるような作品もやっぱり楽しい・・・。カルトナージュやバッグと小物だけでなく、「紙で作る家具」や「アンティークスタイルの箱シリーズ」もまだ紹介できていないものがいろいろあるので、時間を見つけながら画像を整理していきたいと思っています。

 

※1 西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展  2016/6/14(火)-7/31(日) Bunkamura  ザ・ミュージアム
・・・会期中無休だそうです。私もまだ行っていないのですが、トワル・ド・ジュイや布の歴史にご興味のある方はぜひ!

※2 『シャーベットカラーのフリンジ付の箱』・・・フランス製フリンジを使った作品を作りたい方のための課題(サイドメニュー)の1つとしますので、教室の皆様でご希望者はお申し出ください。(フリンジの色は他にもいろいろあり、今整理中です)

※3 →タッセルトランクの内部画像はこちらから シルクのボードはタッセルが掛けてある壁面からちらりと見えています

ランプシェード(2)とアンティークブックスタイルの箱(2011年)

夏至によせて・・・2010~2011年頃作ったランプシェードとアンティークブックスタイルの箱

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自作のランプシェード画像はメインサイトにもいくつか載っています。

https://fa-decor.com/

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「アンティークブックスタイルの箱」について追記しようと思って放置したまま7年経ってしまいましたが、下の記事に画像など追加しました。

秋色の紫陽花(2022年)とアンティークブックスタイルの箱A&B

第2回銀座ビスクドール展のお知らせ

先日紹介した、3月14日のYKKさん主催のワークショップが無事に終わりました。「YKKものづくり館」のゆったりと和やかな雰囲気、そして参加された皆様の丁寧で的確な作業のおかげで、2時間後には無事に全員のポーチが完成。私にとっても楽しいホワイトデーのひとときとなりました。

参加して下さった皆様、本当にありがとうございました。ワークショップについては、あらためてゆっくりと書きたいと思います。

さて、今回は、銀座の十字屋ホールで開催される「第2回銀座ビスクドール展のお知らせ」です。ファッションがテーマのお人形展のようで、その部分でも楽しみです。

<第2回銀座ビスクドール展 -「PARIS モードと人形」出版記念展示会>

日本のクラッシック・ビスクドール界を代表する30名の新作など200体を展示。ニットの貴公子 広瀬光治氏の人形用衣装や恋月姫さんの「蝶々夫人」も発表。

◇日時:3月21日(土)、22日(日)10:00~18:00 入場無料

●十字屋ホールのサイトはこちらから ・・・コンサート、展覧会などの情報もたくさん

●企画・制作のファムさんのサイトはこちら ・・・ブライスというお人形が案内してくれる可愛いサイトです

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長年教室に通ってきて下さっている、世界的なビスクドール作家、辻容子先生の新作も出展されます。(辻容子氏の作品やご本については、追記していきます) そして、昨年”人形の館”という展覧会でご一緒させていただいた先生方のお名前もあり、作品を拝見するのが楽しみです。

お人形展は、お人形ファンにとって素晴らしい機会なのは言うまでもないのですが、手工芸の愛好家にとっても学ぶ部分が多い場所。可愛いお人形にうっとりしたり、高価なアンティークの布の使い方や色合わせ、装飾などにため息をついたり・・・。日常とは違う優雅な世界が繰り広げられています。

ご興味のある方は、ぜひぜひ足をお運びください。

<お人形展とからめて、アンティークスタイルの箱シリーズより>

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上の画像は、アンティークのファッションプレート(イラスト)を使って作ったタッセル用ボックス(2013年制作)。ブルーの清楚なワンピースを着た女の子がお人形を持っている場面を、グリーンと黒をアクセントに仕上げました。

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少し拡大すると・・・。当時の最新のファッションが描かれているのがわかります(今とは全然違いますね・・・)。ご婦人のスカートの裾のプリーツが、「銀座ビスクドール展」のパンフレットのお人形のスカートと重なります。

 

今回紹介したお人形展は、「PARIS モードと人形」という本の出版記念だそうで、100年以上前のベル・エポック期のコスチュームを人形のドレスで再現”という、なんとも贅沢な企画です。

今も昔も女の子のお人形好きは変わらず。やはり雛祭りのある3月はお人形にぴったりの月です。・・・去年の3月も同じようなことを書いたような・・・→タッセル用トランク-雛道具と房飾りによせて

***この記事は続編で画像など追加していきますが、まずはとり急ぎ「人形展のお知らせ」まで

 

メアリーポピンズと傘を持った貴婦人-アンティークシリーズの箱とがま口バッグ

年末年始のイルミネーション画像よりもう1枚。こちらはロンドンのオックスフォードストリート(2012年撮影)。

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ぱっと見ると、まずパープル系の現代的なライトアップが目につきますが、じっくり見てみると、街の上に楽しげに浮かんでいるのは傘とギフトボックスのイルミネーション。通りの奥まで続いています。

題材はおそらく『メアリーポピンズ(Marry Poppins 原作者:P・L・トラヴァース)』。20世紀初めのロンドンが舞台の児童文学で、傘をさして空を飛んでくる不思議なナニー(乳母&家庭教師)とバンクス家のこども達が主役のお話です。

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日本では『風にのってきたメアリーポピンズ』をはじめ数冊の翻訳本が出ていて、こどもの頃に親しんだ人も多いでしょう。また、本を読んでいない人でも、ジュリー・アンドリュース主演の映画の中の「チム・チムニー♪」で始まる煙突掃除屋さんの歌を耳にしたことがある人も少なくないのではないでしょうか。

ウォルト・ディズニー社が1964年に製作したミュージカル映画「メリーポピンズ(Marry Poppins)」。アカデミー賞を5部門受賞した名作で、イギリスのあるアンケートでは、クリスマス休暇に家族で楽しむ映画の1位になったこともあるそうです。

そして、「メリーポピンズ」からちょうど50周年の2014年、日本で公開されたのが「ウォルト・ディズニーの約束(原題:Saving Mr.Banks)」という映画。

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「メリーポピンズ」の映画製作をめぐってくりひろげられる、原作者のP.L.トラヴァーストと映画制作側のウォルト・ディズニーやスタッフ達とのバトルともいえるやりとり(かなり難航)。そこにP.L.トラヴァースの幼少期の記憶を交えながら展開していくという設定で、初めて知る事実やエピソードに心動かされます。歌あり、ユーモア&涙ありで、鑑賞後はメアリーポピンズの本を読んだり映画を見たくなってしまう・・・そんな1本。 家族で一緒に楽しむ映画としておすすめです。※1

さて、メアリーポピンズといえば”オウム(鳥)の柄のついた傘とかばん”。今回はそんなメアリーポピンズを連想させるものを過去の作品の中から選んでみました。

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まずはアンティークのイラストを使った作品で、赤い傘を持った貴婦人と女の子が描かれているもの。    <アンティークスタイルのカルトナージュ作品シリーズ>の1つで、額ではなく箱(ボックス)になっています。

このイラスト、ちょっと冷たげに見える表情が、フフンと鼻をならしてすましている原作のメアリーポピンズ※2のキャラクターと重なるような気がして・・・。19世紀後半のパリ&ブリュッセルで作られた印刷物なのでファッション的にはちょっと古いスタイルで、調度品も英国調ではないのですが・・・。

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子ども達が憧れるもう1つのアイテムが、メアリーポピンズの「じゅうたん(絨毯)のかばん(carpet bag)」。  絨毯のような織物でできた大きなバッグから必要な物がするすると何でも出てくる様子は、ドラえもんのポケットに通じるものがあります。

下の画像の「がま口タイプのミニハンドバッグ」は2009年制作。小さなお財布や化粧品がはいるサイズで、貼って作るタイプです。たしか『メアリーポピンズ』の翻訳本の挿絵に、口金付きの小型ハンドバッグを持って、ツンとすましているものがあったような・・・。

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傘を差しながら風にのって飛んでいく姿って、ホウキに乗った魔女よりもずっと可愛いくてエレガント。「彼女がいたら、年末の大掃除や雑事もさぞはかどっただろうに・・・」なんてあり得ないことを考えながら、はっと思い出したのは昨年(2013-2014年)の年末年始。

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ちょっと個人的な話になりますが、ちょうど1年前の『ボンドで貼って作るバッグととこもの』の本の”作り方(プロセス)撮影の時、よれよれだった私を助けてくれたのは、アシスタントを務めて下さった皆さんでした。撮影日の皆さんの頼りになることといったら!有能な上に笑顔があって、切羽詰まった中(?)でも和気あいあいとした雰囲気。メアリーポピンズが数人いるより心強く、本当にありがたかったです。(作り方プロセスの写真の”手”はそんな皆さんのもの。たくさんの工程を撮ったのに、スペースの事情で枚数が絞られたのがちょっと残念です)

 

※1 原作者:P・L・トラヴァース(パメラ・リンドン・トラヴァース)の生い立ちやとウォルトディズニーとのエピソードをもっと知りたい方は、以下のページにも写真や資料が載っています。

◇英語のサイト(写真あり):Saving Mr. Banks True Story- History vs Hollywood、 Mary Poppins, She Wrote: The Life of P. L. Travers

※2 原作のメアリーポピンズは、トーストのにおいのするパリッと糊のきいた白いエプロンをつけた有能なナニーでありながら、少々ナルシスト&かなりの毒舌。新しい服や帽子を着てはショーウィンドウのガラスにうつった自分の姿に見とれたり、こども達の質問にそっけなく厳しい言葉を返したりします。(でもちらりと見せる優しさがあって、そこが絶妙) 映画ではジュリー・アンドリュースがもう少し温かく明るい感じのキャラクターに演じていて、両者ともに甲乙つけがたく魅力的です。

両開きの箱と紙で作るシンデレラの靴

2008年から2010年にかけて作った両開きの箱と手のひらサイズの靴(2010年撮影)。 飾りとビーズ以外は全て紙で作っています。※1

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普段は実用品を作っていますが、余った材料での小物作りは楽しいもの。カルトナージュというとまず思い浮かぶのは箱ですが、自由な発想で様々なものを作れるのが1番大きな魅力だと感じています。

「靴とバッグ」というアイテムが好きで作ったミニチュアの紙の靴シリーズ。色違いでいろいろ作ったものは全て片方のみ。「シンデレラのガラスの靴」のイメージが潜在的にあるからかもしれません。

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誰もが知っているシンデレラのおとぎ話。

物語として普遍的な魅力があるためか、バレエやオペラをはじめ、ミュージカルやアニメや映画などにも繰り返し使われている題材。キャラの濃いいじわるな継母と姉、かぼちゃの馬車、舞踏会、お城、魔女など・・・王子様とガラスの靴だけでなくお話の中に出てくるアイテムが魅力的で、それぞれでどう描かれるのか比べるのが面白いところです。

中でもオペラ(ロッシーニのLa Cenerentola ラ・チェネレントラ)やバレエ(プロコフィエフのCinderella シンデレラ)は衣装やセットも豪華だったりと、目を楽しませてくれる要素がたっぷり。・・・オペラのお話ではキーアイテムが”ガラスの靴”ではなく”腕輪”なのですが、個人的にはガラスの靴が好み。(youtubeなどでも見られます)

余談ですが、明治時代の日本の小学校の教科書には坪内逍遥の訳により「おしん物語」としてして紹介されていたとか。おシン??・・・なんだか笑えますね。

ちなみにガラスの靴の部分は”草履”ではなく、”扇子”となっていたそうで、それはいい感じで納得。 →元の記事はこちらからどうぞ。(トリビアの泉でも紹介)

古くらかのおとぎ話にインスパイアされた、”リイマジ二ング re-imagining”という形で映画が作られることが多い昨今ですが、2015年3月にはディズニーより新しい実写版の映画「Cinderella シンデレラ」が公開されるとのこと。ケイト・ブランシェットやヘレナ・ボナム・カーターなどベテラン女優が脇を固めるようです。

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・・・ディズニーといえば、今年大ヒットした「アナと雪の女王」。有名な歌はすっかり覚えてしまったのにまだ見ていませんが、見た人の感想の中には、お姫さまと王子様の物語も時代とともに変化していくのだなあ・・・というものも。 これから見るのが楽しみです。

 

◆ディズニーによる実写版「Cinderella(シンデレラ)」の予告 ・・・Disney’s Cinderella Official←ガラスの靴だけのシンプルな動画でしたが、参考までに・・・  →その後新しい動画が公開(11月19日)Disney’s Cinderella Official Teaser Trailer 

※1紙の靴については、2011年に刊行された「和紙で作るカルトナージュ小物」という書籍に色違いの作品を載せています。

カルトナージュのタッセル用トランク-雛道具と房飾りによせて

桃の節句で始まった3月もあと数日。各地から桜便りが届き、日本各地でいよいよ春本番です。

書籍の最終チェックや雑事に追われてあっという間に過ぎていった3月。3月半ば過ぎにはアートコンプレックスセンターで開催された展覧会「人形の館 HAZAMA」でワークショップを担当させていただきました。(・・・ワークショップに参加して下さった皆様、ありがとうございました。このページでイベント告知をする時間が取れず、申し訳ありませんでした)

人形の館の展覧会では、人形作家の先生方の素晴らしい作品から深い感動と刺激をいただきました。(感動や尊敬の思いが溢れて、うまく言葉にまとめられない自分がもどかしい)

書きたいことは沢山あるのですが、出来事や感動したことをタイムリーに表現するのが下手なので、人形展やワークショップについては、もう少し熟成させてから書きたいなと思っています。(下がワークショップの課題「アンティークスタイルの箱」です)

<雛道具と房飾り、カルトナージュのタッセルトランク>

ひな祭りのある3月はお人形にぴったりの月。雅で美しい雛人形や、こまごまとした雛道具に心惹かれるのは子どもの頃も今も変わりなく、雛道具の箪笥の引出しを開けたり、重箱の房をほどいて遊んでみたくなったことを思い出します。

さて、下の画像はトランク型のコレクションケース(タッセル用トランク)の内部。 2008年から2009年にかけて制作し、「カルトナージュBook(2010年1月/マリア書房発刊)」という書籍に載せた作品です。

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タッセルやリボンなどを収納するために作った少し大きめのトランク。上部には曲面のデザインを少し入れ(下の画像左上)、内部は下段の引き出しに細かなものが収納できるようにしています。

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この引き出し、閉めると一見同じように見えますが、実はそれぞれ開き方が異なります。引き出しの作り方にはいくつか種類がありますが、この作品では3種類を組み合わせています。

下の画像、ドアのように開いたり、手前に引くタイプがあるのがわかるでしょうか。引き出しの中から色とりどりのタッセルやリボンが顔をのぞかせます。

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十数年前からタッセルを見るとつい購入してしまうクセ(?)があり、結局トランクでは納まらずに100円ショップの透明ケースが大活躍。ここ数年はタッセル熱も落ち着き、ほっとしています。

幼い日に雛道具を見て、「この道具で遊びたい!」という欲求にかられた日を思い出しながら、もしかしたら「房飾り(タッセル)」との初めての出会いも、3月の雛飾りを通してだったかもしれないなあ・・・とぼんやり考えています。

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追記(2024年):教室用の課題としてではなく、自分の創作物として制作した作品ですが、長年通って下さっている生徒さんからの要望があり、2022年に教室の課題として作っていただきました。

 

すずらんとすみれの花束 -カードと小箱-

5月1日はフランスでは「すずらんの日」だそうです。

お世話になった人にすずらんを贈る習慣があり、贈られた人には幸福が訪れると伝えられているとか・・・。

下の画像はすずらんとすみれが描かれたカード。「すずらんは幸福を運ぶ」というオランダ語の金文字が入っています。

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オランダにもフランスと同じような習慣があるのかは不明ですが、カードを開くと”飛び出す絵本(ポップアップカード)”のようになり、花束が大きくなる仕掛けです。Camidecor1307

旅先の小さな店で見つけた50年近く前の古びたカード(1964年の記載があります)ですが、開くたびになんとなく幸せな気持ちになるような・・・。

繊細な紙製のパッケージやカードに心惹かれるのは、デザインの中に素敵なメッセージが込められていることが多いからかもしれません。

”こどもの日”や”母の日”のある5月は贈り物の多い月。

すみれ色の丸箱はチョコレートの箱(既製品)。すずらんとすみれの花束の小箱は香水ビンのサイズです。