カテゴリー別アーカイブ: カルトナージュのバッグ

「貼って作るバッグとこもの(2014年刊行)」改訂新版(2018年)のお知らせ

2014年刊行の書籍『ボンドで貼って作るバッグと小物』の表紙が新しくなり、2018年1月27日に改訂新版が出ました。

内容は2014年版と全く同じで、カバーのみのリニューアルです。

電子書籍にもなっていて、紙の本の在庫がなくなり次第、電子のみに移行していく予定だそうです。(2019年9月)→書籍の内容やアイテムはこちらから

 

バッグ類、封筒ポーチ、眼鏡ケース、小物入れ(コインケース、ジュエリーケース)など33アイテムの作り方を載せています。

本だけではわかりにくいのでキット付きにしてほしい、オンラインレッスンで習ってみたいというご希望があり、現在検討しています。(2020年10月)→貼って作るバッグと小物ー基礎作品

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雛祭りのちいさな小物入れ(2010年)-ツイストタイプの小物入れ(六角形)

「雛祭り」の雛(ひな)、その古語の「ひいな」という言葉には小さくて可愛らしいものの意味があるそうです・・・というようなことを書いたのは2013年の春。このCami Decorのページ(サイト)を作った直後のことでした。

小さな掛け軸1 -ひな祭りによせて

その後、作品の整理を兼ねて古い画像などを紹介してきましたが、その中で雛祭りに関係のあるものをまとめてみました。(画像をクリックすると記事が開きます)

 

さて、今回「雛祭り」にちなんで紹介するのは、手のひらサイズの小さな小物入れ。2010年に課題として作ったもので、教室では「ツイストタイプの小物入れ」と呼んでいる、ちょっと面白い作品です。

上の画像は当時撮影したもので、Atelier Fa-Decorメインサイトの10月の欄にも小さく載せています。

もともとは和の小物にヒントを得ていろいろ試作(上)。カルトナージュの手法を使って作り方を再考し、デザインなどもちょっと洋風にしています。

ピンクのサンプルは六角形のタイプ。

おにぎりみたいな三角形のサンプルは、よりオリジナリティを出したくて考えたもので、今後クリスマスのページ(↓)に画像を追加紹介する予定です。

桃の節句が終わると、少しずつ寒さがゆるんでいき、春の柔らかな光の中でパステルカラーを楽しみたい季節がやってきます。

 

<追記>・・・こちらのページ(↓)の「作り方」、長い間画像のみだったのですが、ようやく説明文を入れました。

雛祭りの手鞠寿司みたいな八角形のピンクッション(ビスコーニュ)-縫わずにボンドで貼って作る方法

 

ちいさなリンゴと宿り木と冬のミニトランク風バッグ(2015年)

4,5年前に旅先で買った赤い起毛模様のインテリアファブリック。イギリスの生地なのですが、大きな作品にするには派手すぎて、数年間使わずそのままになっていたものです。

2014-2015年に「ミニトランク風バッグ」のサンプルを作る際に使ってみたけれど、春夏にはやっぱり暑苦しすぎて、いつも収納の中。

寒い季節になると「ああ、そういえば・・・」とひっぱり出してきます。

なんとなくプレゼントの箱みたいに見えるので、クリスマスアイテムと一緒に撮ったのが上の画像。右端にちらりと見えるのがそのトランクですが、先に紹介したミニトランクとは構造、作り方が全く異なる作品です。

・・・色が合うかな?と、ガラスのトナカイとツリー、大小のりんご、ヤドリギと一緒に撮ったのですが、赤いファブリックの存在感がありすぎて、まるでトナカイが得体のしれないトランクを見て怖がっているような微妙な写真になってしまったので、まずはちょっぴり写っているものをチョイスしました・・・

そういえば、2016年は宿り木(やどりぎ/ヤドリギ)との出会いがたくさんありました。機会を見つけて紹介したいなと思っています。

 

氷みたいなミニクリスマスツリーと赤×白のミニトランク(2009年)

ミニトランクシリーズ(2009年)のサンプルのうち、一番最初に作った作品。ピンクのストライプは以前紹介しました。 →こちら(刺繍入りのミニトランク)

大きさは自由、材料に合わせて考えましょうという課題で、サンプルを4、5個制作。一番最初に作った作ったのがこちらの赤×白、ストライプの作品です。

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メインサイトに使っている画像は6,7年前に撮影したものです。(↓右上の赤い箱の上)

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フラワーモチーフの斜め格子にいろいろな絵柄が入っている赤×白の布を使った作品で、片面には小鳥とお花。

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もう片面には3輪の薔薇(ばら)の花。

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いろいろなバリエーションがあるトランクのシリーズ。せっかく受講していただくのだから、ただのトランクでは面白くないかな・・・と、ちょっと変わった構造にしてみた小さな作品。作り手それぞれの個性や好みがぎゅっと詰まった感じに仕上がって楽しいので、私自身もお教えするのが楽しみな課題です。

下の画像の赤い実はさくらんぼではなく、小さな姫りんご(右上は大きなりんご)と宿り木(ヤドリギ)の枝。今年はなぜか果物や野菜の画像が多かったので、しめくくりに。

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下は過去に掲載したクリスマスと赤い色をテーマとした画像。クリックすると記事が開きます。

栗色の眼鏡ケースAとポーチ-2008年秋の作品より

澄んだ青い空に色づいた葉や実が鮮やかに映える季節。

今回は、2007年から2008年に課題に入れた立体の眼鏡ケースやミニソーイングを並べて撮影した昔の画像を紹介します。

メインサイトの過去の作品ページに掲載している中の1枚↓

教室紹介のページにもコラージュ画像として載せています。

水色のトワル・ド・ジュイの作品と茶色のポーチのような作品をごちゃ混ぜにして撮ったもので、少し大きめの画像はこちらです。

この中の栗色の生地を使ったふっくらした「眼鏡ケースB」はちょっと変わった作り方をする面白い課題で、後ろにちらりと写っているのも同じタイプ(サイズが大きいのでポーチやミニバッグ風) 眼鏡ケースAとは違うボリューム感がある作品です。

秋色アジサイや色づいたアイビー、ユーカリやオリーブの葉

ドングリや栗などの木の実を添えて

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秋の風景を写真に「詰め合わせてみた」感じ。やがては土に還るものも写真に撮ることで自分の記憶に残せます。

秋の枯れ葉のじゅうたんの上のリスの一瞬のすばやい動きも記憶に残したくてパチリ(2匹いるのがわかりますか?)

今回の作品画像は秋の実りと撮ったものですが、課題のサンプルなので季節を問わず一年中必要な時に使っています。

チラリと写っているシークレットボックスDは以下の投稿で紹介しているので、ご興味のある方はどうぞ。(下は初夏の感じで紫陽花との写真です)

ちいさなお裁縫箱-シークレットボックス(秘密の箱)応用タイプ

アニマルプリントのサイドテーブル-酉の市とジビエの季節

セピア色のホビーバッグ(2007年)-フルート奏者と音楽モチーフ

文化の日によせて。芸術の秋ということで音楽にちなんだモチーフの材料を使った作品を紹介します。

下は2007年の教室用の画像で今もメインサイトに載せているもの。

今回とりあげるのは向かって右端のバッグ、「軽量バッグA・曲線ライン」という課題のサンプル。フランスのトワル・ド・ジュイの中でもかなり大きな図柄をパネルのように切り取って使っています。

使った絵には貴婦人達が屋外でくつろぐ様子が描かれていて、よく見ると音楽を楽しんでいるのがわかります。下は正面から見たもの。ドレスを着た貴婦人の傍らでフルートを吹いている男性。衣装を見ると18世紀でしょうか。貴婦人の上に掲げられたパラソルが優雅。

下はバッグの裏側の写真。色が違って見えるのはカメラと撮影場所が違うためです。いずれにしてもセピア色の柄なので、古びた写真のようなノスタルジックな印象。

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男性2人が楽器を持ち、冊子を開く女性。楽譜か何かでしょうか? 草むらにはリュートかマンドリン※1のような弦楽器が置いてあるので、この後3人で一緒に音楽を奏でるのかもしれません。セッションの楽しさは時代を越えますね。

音色もさることながら形も美しい古い時代の楽器。楽器が工芸品として美術的価値を持つようになったのはルネサンス以降の時代で、特にバロック期(17~18世紀)には装飾的な彫刻や美しい木材などが使われ豪華な楽器が多く作られたそうです。

 

 

美しい楽器類は布の柄だけではなく建築モチーフの題材にも使われています。管楽器、弦楽器の精巧なレリーフが美しい。※2

電子音楽やデジタル技術が発達した今、最新のテクノロジーによって音楽や楽器も進化していて、もはやAIが作曲し演奏する時代。そんな中でも、リュートやチェンバロ(ハープシコード)などのバロック音楽、パイプオルガン、ハープなどの生演奏を聴くと妙に落ち着くというか、脳や魂に響いてくるものがあるのは不思議です。

西洋だけでなく、日本の雅楽や和太鼓、アジアの古典楽器の音にも身体の奥深くに届く独特の魅力がありますね。

下は江戸時代の浮世絵。菊川英山の「風流玄宗吹笛之図(文化6-8年/1809-11頃)」の一部がポストカードになったもので、華やかな着物を着た男女が1管の笛を吹いています。奏者の傍らに傘のようなものを持った女性が立っているのが最初に紹介したトワルドジュイの柄と共通で面白い。

 

最後にもう1枚カルトナージュ作品の画像を紹介。2012年に作った箱を天使のオーナメント2つと一緒に撮ったもの。天使はそれぞれ楽器(ラッパ、竪琴)を持っているので、箱のリボン装飾を五線譜に見立てました。下に敷いてあるのは古い楽譜がプリントされたイタリアのアートペーパーです。

時代だけでなく国や文化、言葉を越えて感動を与えてくれる音楽。今回紹介したように、トワル・ド・ジュイの布に音楽を楽しむ風景が描かれていることもあり、楽器や音符、楽譜などがモチーフになっている布や紙も見かけます。教室の皆さんも時々カルトナージュの作品に使っておられるので別の機会に紹介します。

 

※1 リュートはアラビアのウードを起源とする楽器で、ヨーロッパではルネサンス期からバロック期の時代の宮廷音楽や宗教音楽などで広く使用。マンドリンはリュートより後に発展した楽器で、バロック期のイタリアやドイツの貴族の演奏会などで人気を博し、19世紀になると一般に広まり、南イタリアやシチリアの民族音楽の楽器としても定着

※2 Museo Bagatti Valsecchi バガッティ・ヴァルセッキ美術館

※3 中国の玄宗皇帝が楊貴妃と共に一管の笛を吹いたという逸話からのモチーフ。日本浮世絵博物館蔵(長野県松本市)