七草粥(がゆ)とハーブの恵み -北欧のテキスタイルと皆様の作品

1月7日は七草粥を食べて無病息災を願う日。お正月のご馳走に疲れてくる頃、薬効のある若菜を入れた消化の良いお粥を食べて胃腸を休めてリフレッシュ。今でいうデトックスメニューですね。

「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草(ななくさ)」 1年に1回しか唱えないので忘れては思い出すの繰り返しだけれど、熱々の白いお粥に緑が透けて見えるのは清々しくて、身も心も清められる気がします。

コロナ禍で、家ご飯が増えた2020年は、様々なフレッシュハーブに助けられた年でもありました。

季節や料理にもよるけれど、緑色の生のハーブを添えるだけで、見た目や気分が上がります。バジル、大葉(青じそ)、香菜(パクチー/コリアンダー)、レモングラス、ローズマリー、パセリ、タイム、オレガノ、フェンネル、木の芽(山椒の葉)…。

プランターでハーブを育て始めた人も少なくないのではないでしょうか。

 

今回は、七草にちなんで、植物の鉢植えモチーフの生地などを紹介します。

まず思い出すのは、ハーブポットが描かれたスウェーデンの生地。

スウェーデンの老舗テキスタイルメーカー、Almedahls(アルメダールス)社の製品で、女性デザイナー、Astrid Sampe(アストリッド・サンペ)氏によるイラスト。Persons kryddskåp(Person氏のスパイスラック)という名のシリーズで、1955年にデザインされたものだそうです。

2014年の書籍『針と糸を使わずにボンドで貼って作るバッグとこもの』に載せたバッグに使っていて、下の記事でも紹介しているのですが、65年以上も前のデザインとは今回初めて知りました。

東京日暮里の帆布(ハンプ)のお店 -ハーブポット柄と帆布のバッグ

植物の黒いシルエットが絶妙で、シンプルなのに温かさが感じられる大好きなデザイン。レトロな色調も魅力です。私自身はなかなか上手に使えないままですが、教室の皆様は自由な発想で素敵な実用品に仕上げておられます。

下の写真は、教室でR・Yさんが作ったレターラック。仕切りのオレンジがアクセントになっていて、使う度に楽しい気持ちになりそうです。

スウェーデンのアルメダールス社の製品には、植物の鉢植えの生地がもう1つあって、そちらも面白いデザイン。グラフィックデザイナーのOlle Eksell(オーレ・エクセル)氏の作品だそうです。

下はバッグと小物の本の打ち合わせ用の写真(2013年撮影)。この生地もバッグに使う候補の1つでした。

軽快なタッチの観葉植物、カラフルでオシャレなデザイン…と思いきや、実はユーモアのあるイラスト。”顔の鉢植え”は誰でも気づくと思いますが、よく見るといろいろな部分に遊び心がちりばめられているのです。(下の画像には5か所ほど・・・。私も写真を撮ってはじめて気づきました)

見つけられたでしょうか? ちょっとしたことでクスっと笑顔になる、こういうセンスってとても憧れます。

カルトナージュの作品制作でも、皆様の遊び心やユーモアが見えると嬉しくなります。下は北欧の生地を使ったK・Aさんの作品。なんとなく、上のファブリックと共通点がありますね。

ほんの小さなことで笑顔になったり温かい気持ちになったり。今はそんなささやかな事にも支えられます。

また近いうちに北欧のテキスタイルを使った皆様の作品を紹介します。