前回お知らせした「第2回銀座ビスクドール展」。

『PARIS モードと人形』という書籍の出版記念で、日本のビスクドール界を代表する30名の作品200体を展示と書きましたが、長年教室に通って下さっているビスクドール作家、辻容子先生の新作も出展されます。

辻先生が初めて教室にいらしたのが2008年の終わりなので、もう7年ほどになるでしょうか。
東京、金沢、関西の教室のほか、世界のコンクールの審査員や講師、作品展など超人的なスケジュールの合間をぬって、今でも作品制作にいらしてくださっています。

常にエネルギッシュに作品創作に取り組んで新しいものを追及しておられる姿は、年々進化し若返っておられる?と思うほど。 創作に対する真摯な姿勢、そしてフランクでチャーミングなお人柄で、教室にも辻先生のファンが多く、いつも元気をいただいています。
<辻容子先生の書籍 「ビスクドール遥かな時」>
お人形制作は手工芸技術の集大成。昔はそれぞれに専門の職人がいて分業していたそうですが、今は、お人形本体の焼成、顔の絵付け、ドレス作り、刺繍から靴やパラソル、かつら(!)までを1人で全部手作りするというすごい世界です。

2008年に創刊された辻容子先生の作品集『辻容子 ビスクドール遥かな時』を見るとその素晴らしさがよくわかります。※1

日本だけでなく世界でも活躍されるお忙しい中、数々の美しいビスクドールを書籍にまとめて下さったことに感謝です。
<辻先生のカルトナージュ教室での作品をちょっぴり紹介>
そんな中、お人形創作の幅をより広げたい、と箱作りを学びにいらした辻先生。シルクのドレスを縫う繊細さとは対照的な、厚紙を組み立て箱を作っていく無骨な作業。本当はお人形に役立つ作品だけ作りたいご希望もあるだろう中、しっかり基礎をクリアしながら課題に取り組んで下さったのでした。
下は辻先生の受講作品。上の赤いドレスのお人形のように、深みのある赤色とアンティークやヴィンテージ風生地の組み合わせが素敵です。

「長い工程があるビスクドールと違ってカルトナージュの実用品は1日で出来るから気分転換になるのよ♪」とカルトナージュの実用品を海外の先生方にプレゼントされたり、材料入れの引き出し収納を仕上げたり、いろいろ活用して下さるのが嬉しい。
引き出しやトランク、トレジャーボックスの課題も手際よくおしゃれに仕上げて下さいました。

可愛らしい子ども達のイラスト、ファッションプレートやアンティーク柄の生地の作品も。

<ビスクドールとカルトナージュのコラボレーション(2010年)>
そして、2010年10月に創刊された、複数のお人形作家さん達の作品集『JEMEAU ジュモー瞳HISTORICA』※2では、お人形とカルトナージュのコラボが実現。
ドレスとお揃いの贅沢なバッグやボックスで、辻先生のお人形の世界が広がってゆくのが感じられます。

下の画像は2010年6月に教室で撮影したもの。カルトナージュのトランクの課題を受講された後、お人形のドレスとお揃いの小さなトランクを制作されている時の一場面。アンティークのシルク生地とリボンの組み合わせがあまりに美しくて撮らせていただきました。(当時の画質でわかりにくいですが)

そして、翌月の7月に完成したアンティーク風バッグ。お人形の雰囲気やドレスに合わせて、全て辻容子氏オリジナル。どんなお人形が持つのか想像が膨らみます。

その後、2010年10月に書籍『JEMEAU ジュモー』が刊行され、ページをめくると

あのアンティークの生地やリボンが可愛いお人形のコスチュームとトランクになっていて感激。

お人形に合わせて1つ1つ形やディテールが違っていた意味がよくわかりました。

このように1つの作品として完成すると、それぞれのお人形の背景やストーリー、歴史まで感じさせられ、イマジネーションが広がります。お人形制作は総合芸術ですね。

2010年にメインサイトで小さな画像を紹介しましたが、今回はこのCami Decorでお人形の写真も紹介しています。

<ビスクドール用カルトナージBOX 2013年 刺繍入りのトレジャーボックス>
先に紹介したのはお人形用トランクですが、ビスクドールを入れる箱やトランクもいろいろ作っておられます。最後にその中から1つを紹介。
下の画像は教室の課題「トレジャーボックス」。いわゆるジュエリーボックスなどになる「宝箱」のような作品で、起毛柄の入ったフランスの生地で、落ち着いた雰囲気に仕上げてくださった時のもの。

そして、数か月後、余った生地で細長いお人形用の箱を新しく作って持ってきて下さったのが下の画像↓。アンティークのビーズで刺繍があしらわれていて豪華。
画像のお人形は大きさ合せのためで、最終的には箱に合わせたドールが入るそうです。
辻先生のビーズ刺繍のドレスは本当に美しく、アンティークビーズを施した豪華なドレスのデザインや配色はため息が出るほど。繊細なアンティークの生地に古いビーズで刺繍する19世紀のドレスなんて、お人形ならではの贅沢ですね。
下は『BRU ブリュ』という人形作家さん達の作品集(2012年)より、辻先生の作品の抜粋です。※3

作品集書籍のページ画像、お人形の画像は許可を得て掲載しています。
※1 『辻容子 ビスクドール遥かな時』2008年刊行は辻容子先生のビスクドール作品集。
※2 ※3 本文に出てくる『JEMEAU ジュモー 瞳HISTRICA』2010年10月刊行、『BRU ブリュ 瞳HISTRICA』2012年2月刊行 は日本を代表する複数のお人形作家さん達の作品集です(マリア書房)。国内外で活躍されている作家さん達の美しいビスクドールがたくさん掲載されているので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。
今年2013年に刊行される書籍『PARIS モードと人形』も興味深いテーマで、今から楽しみにしています。

第2回銀座ビスクドール展のお知らせ&アンティークスタイルの紙箱