縫わずに「ボンド裁ほう上手」で作る簡単ファスナーポーチの作り方-裏地無しタイプ(1枚仕立て)

針や糸、ミシンなしで、縫わずにボンドで貼って作るファスナーポーチ。

2014年に発刊された『ボンドで貼って作るバッグとこもの』の本には裏地をつける2枚仕立てのタイプの作り方を紹介しました。

honobi1書籍に載せた作り方については、教室の課題としてお教えしている教材でもあり、出版社さんから書籍として出していただいているという事情があって、このページで全て紹介することはできないのですが、以下に作品例などを載せています。

工作(クラフト)感覚で作る方法なので、カルトナージュで接着剤に慣れている人はぜひ挑戦してみてください。

ボンドで貼って作るファスナーポーチと巾着-工作(クラフト)方式で作る新しい方法

 

一方、「いきなり裏地をつけるタイプは面倒、まずは簡単なものから試してみたい・・・」という人は『裏地無しの一枚仕立て』のタイプからスタートしてみましょう。

下の写真のように、3工程なので簡単です。

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1枚仕立ては裏に糊代(のりしろ)が出ますが、見た目は裏地付きのポーチ(2枚仕立て)と同じように仕上がります。ボンドで貼った部分は多少固くなってしまいますが、縫い目(ステッチ)が出ないのですっきりした仕上がりになります。

 

<ボンドで作るファスナーポーチ(裏地無しの一枚仕立て)の作り方>

まず、材料と道具を準備しましょう。布、ファスナー、接着剤さえあれば、ほとんど身のまわりにある材料で作れます。

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<材料選びのポイント>

◇布: 芯地を入れずに1枚仕立て(裏地無し)で作る場合は、ある程度の厚みのある布を選びましょう。帆布(キャンバス地)やデニムなどもOK。ナイロン、ポリエステルなどの化学繊維は接着しにくいので、綿や麻の自然素材を使用します。リバティなど薄手の布で作る場合は、裏地付きの2枚仕立てがおすすめです。

ファスナー:ファスナーの布部分の素材は自然素材(綿や麻)が接着しやすく良いのですが、市販のものはポリエステルがほとんどです。しっかりとアイロンで圧着することで剥がれを防ぎましょう。

◇接着剤: 布だけで作る場合は、コニシの「ボンド裁ほう上手」がおすすめです。アイロンを使うのがちょっと面倒ですが、自然素材の布と布ならしっかり接着できるからです。使用した場所が少し硬くなるのが難点ですが、ボンドなのに水洗いができるのは良いところ。芯地を入れる場合は、芯地の種類によって接着剤を選びましょう。

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① 作りたいポーチの大きさに合わせて、ファスナー、布(のり代を加えた大きさ)を用意します。糊(のり)代は1.5㎝程度ずつあればOKです。

② ファスナーをつける側の布の糊(のり)代を上下とも裏側に折り、ボンドで接着します。糊(のり)代を折る時は、画用紙をあてアイロンをかけるとまっすぐに綺麗に折れます。「ボンド裁ほう上手」を使った場合は、必ずアイロンで圧着しましょう。

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③ 側面の糊(のり)代は、アイロンをあててあらかじめ折っておくと、後半の作業がしやすくなります。のり代の折り線の位置は、金具の端から2,3mm程度を目安にします。※布の厚みによって若干変わります。

④ ②で貼ったのり代(布裏側)にボンドを塗ってファスナー表側に貼り、アイロンでしっかり圧着します。ファスナーのスライダーがスムースに動くよう、ファスナーテープと布の間が狭くなりすぎないよう注意してください。

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⑥ 片側が終わったらもう一方も同様にファスナーに貼り、上の画像のように筒状にします。

⑦ 側面ののり代を内側に折りこみ、用途に合わせてファスナーの位置(下図参照)を決めます。のり代にボンドを塗り、しっかり貼り合わせてアイロンで圧着して完成です。

<ファスナーの位置について>

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ファスナーポーチは、ファスナーの位置によって使い勝手が変わります。入れる物や用途に合わせてファスナーの位置を決めましょう。

ポーチが完成したら、飾りなどはお好みで。使い勝手重視でシンプルなままにするもよし、リボンやブレードを貼って可愛くしてもよいでしょう。ブレードやリボンは、素材にもよりますが、貼ってつけることが可能です。

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上の方法で1枚仕立てのファスナーポーチが簡単に作れます。ここまでの作り方をクリアした人は、裏地付き(2枚仕立て)や応用アイテムに挑戦して下さい。

 

<しっかりした裏地付きのポーチを作りたい人は・・・>

せっかく作るなら、可愛い裏地をつけたい、構造的にしっかりしたものを作りたい、という人も絶対多いはず。・・・と思って考えたのが、上で紹介した『貼って作るバッグとこもの』の本に載せた「裏地付き(2枚仕立て)のファスナーポーチの作り方」です。

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工作のように”糊代(のりしろ)”を貼って作っていく方法で、内側もきれいに仕上がるのが特徴です。ボンドの接着性だけに頼るのではなく、構造的にもしっかり強度が出るよう考えているので、ぜひいろいろな大きさで作ってみてください。

<ワークショップやレッスン受講、通信講座など>

「貼って作るバッグとこもの」のアイテムは教室でも受講していただけます。ご希望の方はこちらからお問い合わせください。※追記(2020年11月):遠方の方からのご希望があり、現在、通信講座やオンライン講座についても検討しています。

以下は2015年の春にYKKさんの「ものづくり館」でワークショップを依頼された時のもの。ちょっと珍しいヴィンテージ復刻ファスナーを使ったワークショップで、初めての方でも無事に仕上げていただきました。

YKKのヴィンテージ復刻ファスナー「OLD AMERICAN」とワークショップのお知らせ

 

縫わずにボンドで作るファスナーポーチ(裏地付)-ワークショップのキット作り

 

<その他 応用アイテム>

◇縫わずにボンドで貼って作る三角ファスナーポーチの作り方(裏地無し1枚仕立て)

三角ファスナーポーチ(裏地無しの1枚仕立て)の作り方-ボンドで貼って作る方法