3月3日のひな祭りにちなんで、手鞠(てまり)寿司やお菓子みたいなピンクッションを「縫わずにボンドで貼って作る方法」を紹介します。
八角形のピンクッション、Biscornu(ビスコーニュ)。クロスステッチ愛好家の皆さんが丁寧に手縫いで作ることが多い作品で、刺繍の入ったビスコーニュは本当にステキです。
今回はちょっと発想を変えて、刺繍をする時間がない時や余った布の使い道に困ったとき、ボンドでささっと作る方法を紹介してみます。これは教室用の課題ではなく、2013年「針と糸を使わずにボンドで貼って作るバッグと小物」の本の仕事の際に考えたアイテム。コニシさんの「ボンド裁ほう上手」を使った簡単レシピの1つです。
バッグなどの袋物でないので本では紹介できなかった作品ですが、簡単に作れる可愛い実用品なので、ご興味がある方はぜひ挑戦してみてください。
<八角形のピンクッション(ビスコーニュ)を縫わずにボンドで貼って作る方法>
まず、材料を準備しましょう。
布、綿(ぬいぐるみ用やキルト綿)、ボンド、はさみ、線が消えるペンやチャコペン(最近は100円ショップでも売っています)など、身の周りにあるもので作れます。接着剤は「ボンド裁ほう上手」がおすすめで、その場合はアイロンが必要です。※1
どんな大きさでも作れますが、以下は10㎝×10㎝の布2枚で作る寸法。小さなハギレで作れるサイズで、布は綿や麻などの自然素材が適しています。※2
①② まず、10㎝×10㎝の正方形の布を2枚準備します。10×10㎝というのは、8×8㎝の正方形に”のり代”を1㎝ずつ加えたサイズ。その正方形の1辺を2等分して4㎝ずつのところに印をつけて、のり代をカットします。糊代(のりしろ)のカットは、生地を接着するときにもたつかないようにするためです。
文章だとわかりにくいので、下の写真を参考にしてください。線が消えるペン(ここではチャコエースⅡを使用)で製図し、布ののり代を黄色の線のようにVの字にカット。切込みが深くなりすぎないように気をつけましょう。
③ その後、接着作業がしやすくなるよう、”のり代”の部分にアイロンをあてて、内側に折っておきます。
③ この後、正方形の布をずらして置き、1辺ずつ貼り合わせて立体にしていきます。貼り始めは混乱しやすいため、1,2,3あたりまでは下の写真のように”のり代”に番号や印をつけておくと良いでしょう。
④ ボンドを塗って貼り合わせた後はアイロンでしっかり圧着。
⑤ 2→3→4と同様に接着していきます。
⑥ 7辺まで貼ったら、開口部から綿をいれます。綿はぬいぐるみ用やキルト綿をほぐしたもの、羊毛フエルト用の素材の羊毛など、ふっくらした仕上がりになるものなら何でもOKです。
綿を入れ終わったら、最後の1辺ののり代を内側に入れてを貼り合わせ、端をアイロンで圧着します。
⑦⑧ ふっくらした本体が完成します。ピンクッションだけでなく、子どものおもちゃ、オーナメントなどにも使える形で、これだけでも可愛いのですが、お好みでボタンやビーズ、タッセルや飾りなどをつけると、ぐっとおしゃれに。
和菓子のような雰囲気もあって、手で触った時のふっくらした感じに癒されるビスコーニュ。布合わせ、色合わせなどがいろいろ楽しめる作品です。
→大きめの画像はこちらに掲載しています
※1 「バッグと小物」の接着剤
〇芯を入れず、布同士で接着する場合/水洗いしたい場合/不織布や布の芯を使う場合→ボンド裁ほう上手
〇芯地(紙、樹脂など)を入れる場合 →芯の種類によって木工用ボンド、多用途ボンド、カルトナージュ用の接着剤など使い分けています。
※2 サンプルに使用したのはTilda(ティルダ)の生地。カルトナージュやパッチワークなどに使える綿プリントです。