カテゴリー別アーカイブ: Cartonnage(課題サンプル)

すずらんとすみれの刺繍フレーム(2007-2017年)-すずらんの日によせて

「5月1日はフランスではすずらんの日だそうです」と、すずらんとすみれのカードを紹介したのは2013年のことでした。

すずらんとすみれの花束 -カードと小箱-

それ以来2016年まで、この季節になると何かしらスズランの花の画像を紹介していましたが、ここ2年サボっていました。

実は2017年には画像を準備していたものの、タイミングを逃してしまって…。下が2年前の5月に掲載しようと思って2年放置していた「すずらんとすみれの刺繍フレーム」の画像※1です。

スズランやスミレの刺繍はずいぶん前の冬に気まぐれに刺したもの。刺繍用の布ではなく、何かの余り布を使っています。

刺した後は興味が薄れてしまって、ハギレと一緒に収納ケースに仕舞いこみ、このまま捨ててしまいそうになっていたものを救済。カルトナージュのOval(楕円)の額の中に入れて仕上げました。

下は当時のラフスケッチ。ミモザの花束のフレームについてはこちらで紹介しています。

 

すずらんのフレームの斜め上に写っているのは「すみれの刺繍フレーム」。肝心のすみれがパンジーをミックスしたような感じで、酔っ払って踊っているような雰囲気でちょっと変ですね・・・

当時のスケッチを見ると、すずらんの図案が複数あるのに比べて、すみれの”おまけ感”・・・。

こんな風に下絵も描かずに思いのままに刺したので、不思議な感じになってしまったのでしょう。

「スミレ」という花は奥が深くて沢山種類があるそうですが、恐らくこういうすみれ↓と、

こういうスミレ↓の雰囲気を出したく、結局足して2で割ってしまったような感じになったのかな?と推測。作ったものを見ると、今さらながら詰めの甘い自分を思い知らされます。

ちなみにパンジーの花はこちら↓です。

毎年、この季節になるとスズランに会える場所。

光によって色の見え方が変わる包容力のある大きな葉と、ささやかにひっそりと咲く小さな鈴のような清らかな花を見ると幸福感に包まれます。

そういえば、すずらんの花は結婚式に使われることも多いそう。

特に英国のロイヤルウェディングでは、ダイアナ元妃の結婚式のブーケをはじめ、キャサリン妃(2011年4月29日)、メーガン妃(2018年5月19日)のウェディングブーケにもスズランが使われたそうです。

 

ミモザの日によせて-2017年の画像より

3月8日はミモザ(mimosa)の日。

春の光そのもののような黄色くて丸く可愛らしい小さなミモザの花。梅や桃や桜の花とは少し違う形で春を運んでくれるような気がして、このサイトでも何度かとりあげてきました。

以下は2017年3月に掲載しようと下書きしたまま放置していた記事。当時、インスタグラムの使い方の練習(?)などもしていて、そちらには画像をアップしたのですが、こちらはほぼ書き終えたのにそのままになっていたのでした。(今回当時のまま掲載しました)

ミモザの日によせて-ミモザの花束とイニシャルモノグラム

下は上↑の記事でも紹介したミモザの花束のフレーム。

2008年頃に作り始めたカルトナージュのフレームシリーズはサンプルが複数あって、布のほか、刺繍なども入れています。→布を入れたものはこちら(2008年の画像)にも

2017年の春にいくつか画像を準備して紹介しようと思っていたのですが、あっという間に夏になり、秋になり、そして2年が経ち・・・。

イニシャルモノグラム×ミモザのフレームも当時の画像があるので、後日掲載します。

 

※長い間掲載しないままたまってしまった古い作品の整理と記録のためにと、2005年からの古いHPの別館としてこのCami Decorサイトをスタートしたのは2013年の3月のことでした。(2013年以前の記事は、画像の日付をもとに遡って掲載したものです)

その後、3日坊主かな? 3年坊主かも・・・?と思いながら超マイペースで続けてきて6年が経ちました。(2005年から始めた教室は14年目となりました)

今年こそは定期的に更新しようと、クリスマスやお正月、バレンタインなど掲載しようと思っていた画像があったのですが手が回らず、書きかけの記事もたまっているので、3月を期にもうすこし”まめ”に更新したいと思います。

 

 

メタリックなシャンパンゴールドのクリスマスツリー2018

今年の12月クラスで教室の一角に飾っていた六角錐のクリスマスツリー。カルトナージュで作った六角錐にシャンパンゴールドの飾りをつけたものです。

昨年(2017年)、棚の整理で発掘した昔(2006年~2008年頃)のカルトナージュのクリスマスツリー。作りかけのものや廃棄寸前のものが複数あって、引っぱり出して並べた画像(右)。

その時見つけた作りかけの1つにメタリックなシャンパンゴールドの布を貼って、オーナメントをあしらって仕上げたもの。ワイヤーとかガラスの素材違いのメタリックカラーのツリーと一緒に並べてみました。

お揃いのリース(ゴミではありません)。 好みは分かれそうですが、自然素材もメタリックだと違った味わいが出てきてヴィンテージのものとも相性がいい。

昨年よみがえらせたカルトナージュのリスマスツリー各種。いろいろなタイプがある中で、一番難しいのは「ドア付きの六角錐のツリー」。

12月に課題として作って下さった方達がおられるので、別の機会に紹介したいと思います。

蘇ったカルトナージュのクリスマスツリー(2006-2008)とくるみ割り人形

光のマジックとハロウィーン-妖怪と神話のモチーフ①

2015年2016年2017年に続き、ハロウィーンによせて…。

前回までは自分で撮った画像にコウモリや蜘蛛の巣を書き込んだりと、ちょっといたずらしたものを紹介してきましたが、今回はそのままの写真。京都の高台寺の夜間拝観で観たプロジェクションマッピングの画像です。

撮影したのは昨年(2017年)の11月。紅葉のライトアップを見ていたら、突然始まった光と音の演出。静かな空間が一瞬にして別世界になりました。

闇の中、方丈前庭の波心庭(はしんてい)の枯山水の白砂が色とりどりに妖しく変化し、門や塀には竜の姿が・・・。その後、子鬼や妖怪が通り抜け、大きな閻魔様も登場。

2,3分ほどの短い時間ですが、効果的な音楽とともに昼間とは全く違う世界が繰り広げられ、文化遺産と現代技術が見事に融合した総合アートとなっていました。

ところで、この門を通り抜ける魑魅魍魎の姿、なぜかどこかしらユニークで憎めない。どこかで見たことがある・・・と後で調べたら、この妖怪達は、高台寺所蔵の「百鬼夜行絵巻」に描かれているものだということで納得。

妖怪って古今東西、愛されキャラというかユーモアのあるものが多いですね。

下は同じ日に撮った高台寺の竹林。夜空に浮かび上がるライトアップされた竹林はとても幻想的。月明かりのような光で、昔話やかぐや姫の世界を連想してしまいます。

<ダークカラーの和紙と竹林モチーフのファイルカバー>

さて、今回は上の画像からの流れで和紙を少し紹介します。下は2004年頃に作ったファイルカバー3種。竹林模様の和紙を使っています。

漆黒×ゴールドの繊細なデザインに惹かれて買ったものの、箱にするには渋すぎて、小さな作品にアクセントとして使ってみたのでした。

背景に敷いた黒、茶、グレーの和紙は10年ほど前に購入した京都の和紙。伝統的なモチーフとシックな色の組み合わせで、ちょっぴり男性的なデザインです。

そういえば、これらの伝統柄が外国のチョコレートにおしゃれにプリントされているのを見つけたことがあって、当時は、日本の伝統柄がこんな形で利用されているんだなあ、と驚きました。最近ではインテリアや食器、ファッションなど様々な分野で見かけるようになりましたが・・・。

ためしに、飾りかぼちゃや秋の果物、手元にあったフレームやタッセルと一緒に並べてみたら、ちょっと不思議な感じ↓。意外に違和感がないのは金色の細いラインのせいでしょうか。日本の伝統柄だけれどモダンなデザインです。

実は今回、ハロウィーンにちなんで、できれば百鬼夜行や古い日本の妖怪を使った材料を紹介したかったのですが、さすがに持っていませんでした。

ただ、神話のモチーフという意味では、東洋の竜や鳳凰は布や織物、着物や帯地に使われ、作品の材料としても使ったことがあります。

また、西洋の神話のキャラクターは、フランスの生地、Toile de Jouy(トワル・ド・ジュイ)などにも使われていて、中にはちょっと不思議な生き物?もいるので、そちらは「ハロウィーンによせて/2018-②」で紹介します。

(ギリシャ・ローマ神話の神々などの神話モチーフや天使については、以前、こちらの記事にも書いています)

ギリシャ神話の女神と星座-七夕によせて

癒しのガーデンと深緑色(ふかみどりいろ)の作品

濃い緑や明るい黄緑、灰色がかったスモーキーな緑に、銀色に輝くシルバーグリーン。その中にとけこむノリウツギのシックなピンク色やコリウスのえんじ色。

絵画のように絶妙で心惹かれる色や植物の組み合わせにはっとして足を止め、この景色を忘れないように撮っておきたいとシャッターを押したのは2016年8月初めのことでした。長野県にある「バラクライングリッシュガーデン」を訪れた時の写真です。

おそらくこの庭園のガーデナーさんは、さまざまな緑色と違う形の葉が折り重なって、このような美しい景色が出来上がることをイメージして植物を植えたのでしょう。目に良いといわれる緑色ですが、見ていると穏やかな気持ちになって精神的に落ち着くという作用もありますね。

この時訪れた庭園については、イングリッシュガーデンと斜め格子の仕切り箱に書きました。(2020/11)

「グリーンフィンガーズ(Greenfingers)」という映画を見たのはいつ頃だったでしょうか。2001年公開のイギリス映画で、実話をベースに作られた物語。刑務所の囚人達が園芸に取り組み、庭師となって王立園芸協会主催のフラワーショーに出場?という内容のコメディ要素のあるヒューマンドラマで、舞台となったコッツウォルズの景色や庭も楽しめました。

”Green  fingers(グリーンフィンガーズ/緑の指)”という言葉が、”園芸の才能があること、植物をうまく育てる能力”という意味で使われることがあると知ったのはこの時で、She has green fingers=彼女は園芸が得意だ、という意味。アメリカではShe has a green thumb(緑の親指)というそうです。

私自身は植物を枯らしてしまうことも多い無精者ですが、身近にはgreen  fingersを持っている人が少なくありません。

大切に育てた花や植物、庭の写真を時々楽しみに見せてもらいながら話を聞いていると、共通するのは、植物への愛情と根気、そして惜しみなく労力を注いでいること。やはり何かを育てることの原点はそこにあるのですね。

 

 

さて、今回は緑色をテーマに作品画像の写真を紹介します。日本では深緑(ふかみどり)色と呼ばれるダークグリーン。常緑樹を思わせる少し青みがかった暗めの緑色は、ガーデニングで使う長靴やスコップ、エプロンや園芸用品で見かけることの多い色です。

ブリティッシュグリーン?という呼び名もあったような、と調べてみたら、モータースポーツ界でこの深緑色がイギリスのナショナルカラーになっていた時があったそうで、今でも自動車の塗装色に使うBritish racing greenとして名前が残っているようです。

 

作品にも時々使うことがあって、カルトナージュの基礎作品のサンプル(2006年撮影)や

クリスマスの飾り用の作品(ちょっと写真が暗いけれど緑色です)。

大きめのカルトナージュの箱や小箱など。

箱の蓋に使っているのは、園芸(ガーデニング)がテーマの布です。

ガーデナーらしきお兄さん(おじさん?)もプリントされているのですが・・・

使ってしまうのは薔薇の部分だったりします。

手のひらサイズの小箱の後ろにちらりと見えるのは、バッグと小物シリーズの紙ばさみ。

教室の皆さんにはおなじみのフラットポーチのハードタイプで、袱紗になる実用品のシリーズです。

文学や芸術とも関係の深いイギリスの庭園。バーネットの「秘密の花園」やアリソン・アトリーの「時の旅人」、梨木果歩さんの「西の魔女が死んだ」など庭や植物と関係のある物語にも過去と未来をつないだり、人を癒したりする不思議な魅力があります。

 

深まる秋のピンクと葡萄色のフレーム付ボックス(2009年)

立冬も過ぎ、暦の上ではもう冬を迎えていますが、まだもう少し秋を楽しみたいこの季節。

朝夕冷え込むようになってくると、深い色のピンクやオレンジ、紫、くすんだ赤色などが気持ちをほっこりさせてくれます。

下のバラとリューカデンドロンの写真は10月に撮ったものですが、このページにも暖かな色がほしいので掲載。

生花の自然の色や形のエネルギー。写真でも強さが伝わってきます。

下は1週間ほど経って花材を入れ替えたもの。鶏頭(ケイトウ)が加わりましたが、雑ですね。葡萄色の箱やバッグなどがごちゃごちゃと背景になっているので、教室で忙しかったことにしておきましょう。

背景の箱やバッグはブドウ色。箱は「フレーム付きのボックス」というカルトナージュ教室の課題です。(2012年撮影)

2009年の作品で課題用サンプルの中の1つ。下は2009年秋に撮影したものですが、変なリボンをつけてみたり迷走している感じです。(その後リボンは外しました)

刺繍のトートバッグは別の記事で紹介しています。

***天気予報に雪だるまが登場するようになりました。暖かくして、温かいものを食べて、本格的な冬に備えましょう。

刺繍入りのトートバッグ-葡萄色と布のリメイク

 

 

 

 

焼き菓子柄のアンティークブックBOX-A(2010) ミニチュアガトーを入れて

読書の秋、食欲の秋。今回は本とお菓子というテーマで作品を紹介します。

独学でカルトナージュ作品を作り始めた2004年ごろに旅先で買ったイタリア製のペーパー。菱形の格子の中に繊細でレトロな焼き菓子のイラストがプリントされていて一目ぼれして購入したものです。

当時、自分で使うためのノートカバーや蛇腹のファイルの表紙に使いました。

まだスマホが普及していなかったので、レシピを入れたり作り方や分量をメモしたりに文房具が必要だったのです。今はもう使うことが少なくなった「手帳タイプのメモパッド」。

そして次の写真は教室の課題「アンティークブックスタイルの箱-A」のサンプル。アンティーク調の本の形の箱で中級程度のテクニックの作品です。

アンティークBookの形の箱のシリーズの中で一番作りやすい基本のタイプで、下は教室の皆さんに送っている課題写真。※1

蓋の裏側は立体感を持たせるためにリボンでアクセントを入れています。

最後の画像は約20年前の1998年頃に遊びで作ってみたミニチュアのケーキを入れて撮った写真。ケーキの形も古いし、樹脂粘土を使った素朴なものですが、本物のケーキの写真を参考に自分で勝手気ままに作るのは楽しい作業でした。(今より目も良かったし根気も少しはあった)

当時、仕事が忙しいのに楽しすぎてのめり込みそうになったので、50個ほど作った後はミニチュアケーキ作りは封印。長年大切に保管していましたが、さすがに古くなったし処分する前に…と箱に入れて撮った時の写真です。

今のミニチュアはスイーツやフードに限らず、進化して精巧なものが多くてびっくりします。もともと小さいものが大好きなので、作家さん達の作品を目にすることがあるとワクワク。

でも、カルトナージュやバッグ&小物よりもミニチュア小物を作りたくなってしまいそうなので、なるべく見ないようにしています。

※1 「アンティークブックスタイルの箱」シリーズには基本のAタイプのほか、応用のBやCタイプがあります。2010年~2011年にサンプルを作り2011年から課題としてスタートしました。

秋色の紫陽花(2022年)とアンティークブックスタイルの箱A&B