紙袋トートとマチ付きトート-芯地とデザインの関係

サブバッグとしてちょっとした荷物を入れるのに便利な紙袋、ペーパーバッグ。少ししっかりしたものが欲しい時、気に入った布で作りたい時は、手作りすることが可能です。

最初の画像は厚紙に布を貼って作った「紙袋トート」。カルトナージュ(厚紙細工)のテクニックを応用した作り方で、1㎜程度の厚紙を芯にすることによって、カチッとしっかりしたバッグに仕上がります。

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2番目の画像↓ は「マチ付きトート」と名付けたバッグ。上の紙袋トートと全く違って見えますが、実はほぼ同じ構造。もともと「紙袋トートのソフトタイプ」と呼んでいたアイテムです。→こちらにも画像があります。Camidecor1424 構造が同じなのに全く違うデザインに見えるのは、布を貼る「芯」にナイロン樹脂繊維の芯を入れることによって、柔らかくハリのある仕上がりになるから。横のマチを広げると別のデザインが楽しめます。

脇のマチをたたむと、紙袋バッグと同じ構造なのがなんとなくわかるでしょうか?こんな風に構造は同じでも芯にする材料が違うと全く表情が変わってきます。(注1)

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下の画像は、教室で作った方の作品。ナチュラルカラーのチェックと麻がぴったりで、私のサンプルよりずっと素敵に仕上がっています。

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「紙袋トート」は、もともと教室のレッスン課題として2007-2008年に考えたアイテム。持ち手を交換できるペーパーバッグが欲しくて作ったもので、金具がついた持ち手(ストラップ)も手作りです。

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その後、折り畳み式や応用デザイン、和紙タイプなど幾つかのバリエーションを作ってきましたが、先日発売になった本、「ボンド」で貼って作るバッグとこものに紹介したのは、上の2つの作り方。

身近な材料(紙と布)で作れる「紙袋トート」と、ソフトタイプの「マチ付きトート」です。

今回の書籍は、「ソーイングと工作の間の新しいクラフト」ということもあって、「できるだけシンプルで簡単に作れる」ことを優先し、寸法や工程が複雑にならないようなアイテムを選びました。

以下は2つのバッグの打ち合わせ用に作った資料ですが、プロセス画像を整理して難しそうなものは却下に・・・。ソフトタイプのマチ付きトートはとてもカンタンなアイテムです。

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本にはできるだけ細かい作り方のポイントなども入れるようにしましたが、今後、少しずつこちらのページで補足していこうと思っています。

 

注1:「マチ付きトート」に使う接着芯について・・・不織布や布の接着芯を使って作ると、よりクタッとした柔らかい仕上がりになります。厚紙や樹脂の芯には木工用接着剤やカルトナージュ用接着剤を使っていますが、不織布や布の接着芯を使う場合はコニシの「ボンド 裁ほう上手」でも作れます。

※樹脂繊維芯にはスライサー(ワッペンスライサー)を使用・・・浅草ゆうらぶ、角田商店などで購入可能です。