昔、鶏頭(ケイトウ)の花を見ると、なんだかグロテスクだなあ…と感じていたのはもしかしたら名前のせいでしょうか。
最近の鶏頭(けいとう)の花は、品種改良のせいかニュアンスのある色が多くなり、ベルベットを思わせる光沢のある花弁とフリルのような形で、ぐっとおしゃれな花材になっています。
鶏頭(ケイトウ)の花の海外名を調べてみると、英語ではcocks comb、フランス語crête-de-coq(クレートゥ ドゥ コック)、イタリア語creste di gallo(クレスタ・ディ・ガッロ)、中国語 鶏冠花。やはり鶏の鶏冠(とさか)を意味する名前が多いようですね。
古くは「韓藍(からあい)」という名で万葉集にも詠まれ、江戸時代には若葉を食用していた記録(貝原益軒著)も残っているとか。東南アジアやアフリカでは今でも食べられているそうですが、どんな料理に用いられるのか?ちょっと興味深いところです。上の画像、花の背景として使っているのは、折りたたみの衝立(パーティション)の曲線タイプ。
2013年1月の「国際宝飾(ジュエリー)展」のディスプレイに協力した際に作ったもので、”本金に宝石をちりばめたカトラリー展示”の背景として使われた作品です。
”宝石入りの本金のナイフとフォーク(お肉を切るためのものではなく飾るための美術品)”という、普段の私には全く縁のない商品の背景。しかも急に追加になった備品なので材料の準備もない状況。「黒いイメージで」というリクエストに少々怖気づきながらも、なんとか手持ちの材料で仕上げて、当日の朝、眠い目をこすりながら会場に持って行ったのでした。
この衝立、裏と表の布使いを変えていてリバーシブルとして使えるのですが、画像(1枚目と2枚目)で違いがわかるでしょうか?フランスのインテリアファブリックと黒いベルベットの組み合わせを、裏表で上下逆にしているのです。
主役である金のナイフ&フォークを引き立てるディスプレイ用の衝立。私の手元にあるのはナイフ&フォークのデザイン画だけで、実際にショーケースの中に入ったところを見なければ、どちらが良いかわからない。そんな状況だったので、とりあえず、裏表を変えてリバーシブルになるように制作して会場でチェック。最終的には2枚めの写真の方が採用され、無事にガラスのショーケースに納まったのでした。
黒い衝立(パーティション)の話が長くなりましたが、実はこの写真、インテリアファブリックで作ったフラットポーチとこもの入れ(エルメスタイプのコインケースBの横長サイズ)と一緒に撮ったもの。
赤い鶏頭みたいな起毛の生地は、暑苦しい色・・・と思いながらも使ってみると、丈夫で汚れにくくてすごく便利。バッグの中で赤い色がぱっと目につくので、まず見逃すことがありません。・・・手前のポーチの赤いポンポンは邪魔だったので、今は外して使っています。
※1作り方や材料、デザインを変えていろいろなパターンを作っているアイテムで、直線のシンプルな衝立(パーティション)はこちらで紹介しています。
※2「国際宝飾展」のディスプレイについてはこちらの記事でも紹介しています
※フラットポーチ、こもの入れのその他の画像・・・折り紙タイプのこもの入れA,B(エルメスの革製品みたいなジュエリー&コインケース)