カテゴリー別アーカイブ: Toile de Jouy(トワル・ド・ジュイ)

雪山リゾートの楽しみ-シークレットボックスA

2週続いた雪の週末。今週は雪マークも消えほっとしましたが、地域によってはまだ深刻な状況が続いていて心配です。

2月初めに開幕したソチオリンピック。昨年秋からの忙しさがピークとなり、じっくり見る時間がなかなかとれず残念でしたが、冬季オリンピックの競技には、雪や氷に閉ざされた冬の間、様々なスポーツの楽しみを考え出した人間の知恵が感じられ、夏のオリンピックの種目とはまた違う面白さがあるなあ・・・と感じます。

以下に紹介するのはウィンタースポーツがモチーフの材料を使った作品。

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まず、上の画像は2006年冬に作ったシークレットボックス(秘密の箱)Aタイプ。 雪山のリゾートがテーマのフランスのヴィンテージ柄を復刻した生地を使い、クリスマスシーズンに向けて作ったカルトナージュ作品です。

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フランスのシャモニーなどアルペンリゾートの風景でしょうか・・・スキージャンプしているカップルやそりに乗っている貴婦人、雪遊びをする子どもたちや雪山の動物などが描かれていて気に入っているのですが、旅先のどのお店で購入したかなど全く記憶にないのが残念。

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ふたを開けると3段の収納箱になっている構造で、仕切りをつけたり深さを変えたりと自由に工夫することが可能です。

柄をどう使うか悩ましかったものの、自分の好きなように使うのが一番、と気軽に考え、箱のふたには雪だるまと赤い帽子の男の子、本体には優雅にスケートを楽しむカップルを入れました。

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2006年といえば、トリノオリンピック開催の年。早朝のスケート競技の感動はついこの間のようですが、あれから8年経ったとは・・・。今回のスケート競技の感動も深く心に刻まれ、折にふれて勇気をもらえる気がします。

Camidecor1388上の画像は2002年に作ったフランス額装のマット。真ん中のイラストはスキーリゾートのカップルを描いたジョルジュ・バルビエの版画です。

100円ほどのポストカードですが、自分なりのイメージにマットを作ることによってオリジナルのインテリアアクセサリーが完成するのが額装の魅力です。(2002年は偶然にもソルトレイクシティオリンピックの年ですが、オリンピックごとに冬スポーツの素材を使っているわけではありませんので、念のため・・・)

多くの感動と勇気を与えてもらった冬の祭典。もうすぐ終わると思うと少し寂しく感じます。

 

秋の茶色とブック型の収納箱

暑さが厳しい夏の間は、過去の作品画像の整理のためにパソコンに向かうのがどうしてもつらく、こちらのページの画像アップも2ヵ月以上の長い夏休みとなってしまいました。

10月の青く澄みわたった空や、すがすがしい空気にエネルギーをもらい、実りの秋を楽しみたいところですが、台風発生のニュースで今後の天候が心配です。

画像整理の再開の前に、まずは初夏のイメージのままのHPに少しばかりの秋らしさをと、下の茶色とブルーのイメージ画像を載せてみました。(2013年秋としていますが、実際は昨年撮影したものです)

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秋の色というと、個人的に思い浮かぶのは、色づく葉や実の色、野菜や果物が熟した濃厚な色。りんごの赤、かぼちゃや葡萄、橙色や朱色に染まる木々の葉。そして、栗やきのこ、枯葉、木の実、焼き菓子などの茶色です。

茶色をあらわす色名には、マロン、チョコレート、ココア、シナモン、飴色、小豆色など美味なものが多く、その仲間にはマスタード(芥子色)、蜂蜜色、琥珀色、ワインカラー、ボルドーなども。まさに茶色は食欲の秋の有能な脇役といってもいいかもしれません。

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さまざまな生命を育み、それらが朽ちていった後も受け止め、再び自然の恵みのベースを育てる大地と土の色。茶色は温かさを感じさせほっとする色でもあります。

昔から住居には石や煉瓦、土や木や植物など、その土地ならではの材料が使われてきましたが、かなりの地域で多く使われてきたのが茶系やその仲間です。時代や流行が変わっても茶系がインテリアのアクセントとして根強い人気を誇っているのは、雨風から人間を守り、家族の団らんの背景となってきた住居の色が私達の遺伝子の記憶に刻まれているからかもしれません。

さて、下の画像は少し大きめのブック型の箱。使った布はTHEVENON社製の”Ludivine”というToile de Jouy(トワル・ド・ジュイ)で、”薔薇のガーランドや天使、ブランコに乗る少女の柄でおなじみのフランスの生地です。

Camidecor1336色のバリエーションが豊富な人気の生地ですが、大きめの箱ということもあり、淡い茶色がベースの ”Naturel”という色番を使い、さりげなく室内のアクセサリーになってくれるように仕上げました。Camidecor1337

内側も淡い茶色とオフホワイトで仕上げ、中に入っているのは茶系のブレードとタッセルです。イガ栗やどんぐり、茸が入っていればもっと秋らしかったのですが・・・。

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最初に紹介したイメージ画像には茶色とブルー系を組み合わせていますが、日本の10月初旬の主役はなんといっても青く澄んだ秋の空。穏やかでさわやかな日が1日でも多く続くよう願っています。

 

 

海辺の子どもたち-トランクB(ハードタイプ小型サイズ)

今年はもう終わってしまいましたが、7月の第3月曜日は「海の日」。「海の記念日」だった7月20日が祝日となり、1996年よりスタートした休日です。

ちょうど梅雨明けや夏休みと重なる時期で、いつもは海の日が終わると、夏の暑さ本番という感じだったのに、今年は7月初めの突然の猛暑。ここのところ少し暑さがやわらぎほっとしています。

下の画像は2007年制作のトランクB(ハードトランク)のサンプル。ペーパートランクA(3種)は比較的簡単に作れますが、こちらは難しい手法を学ぶ作品です。(サンプルは大、中、小の3タイプがありますが、一番小さいサイズです)→当時の作品画像はこちらのページ

青紫の紫陽花がバックの下の写真は2007年の5月末、ちょうど梅雨入り前に撮ったもの。

やがて迎える夏をイメージしてトランクに使った布は、5月に載せたTHEVENON社製のToile de Jouy(トワル・ド・ジュイ)、”Histoire d’eau”。 海辺の楽しさが感じられる絵柄を使って、子どもサイズで作りました。

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布に描かれている”水辺のストーリー”。どのシーンも魅力的で、ついじっくり眺めてしまいますが、子どもたちの洋服の可愛らしさに惹きつけられる人も多いのではないでしょうか。

トランク正面に使っている場面には男の子が4人描かれていますが、その中の2人はセーラーカラーの洋服を着ています。

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水兵服として知られるセーラー服の歴史は、19世紀半ばにイギリス海軍が制服として採用したのが始まりで、その後、アメリカ、フランスなど世界各国の海軍に広がり、20世紀以降の学校の制服につながったとか。

子供服としての流行のもととなったのは英国王室で、1846年、ヴィクトリア女王の長男、エドワード皇太子(エドワード7世)が4歳の時、王室のクルージングの為にあつらえた新品のセーラー服(ロイヤルヨットの船員とお揃いのデザイン)を着たことで人気となり、流行が世界に広がっていったそうです。

※セーラー服を着た可愛らしい皇太子の肖像は、19世紀の宮廷画家として有名なWinterhalter(ヴィンタ-ハルター)の作品として残っており、セーラー服も美術館に保存されています。

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トランク外側はストライプを使ってマリンのイメージにしましたが、内部に使ったのは大小のチェック柄。小さめの作品ですが、内部は可愛い感じにしたくて、4種類の布を使いました。

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時代は変わっても王室のベビー誕生は注目の的。英国王室からまた新しい流行が生まれるかもしれません。