暑さが厳しい夏の間は、過去の作品画像の整理のためにパソコンに向かうのがどうしてもつらく、こちらのページの画像アップも2ヵ月以上の長い夏休みとなってしまいました。
10月の青く澄みわたった空や、すがすがしい空気にエネルギーをもらい、実りの秋を楽しみたいところですが、台風発生のニュースで今後の天候が心配です。
画像整理の再開の前に、まずは初夏のイメージのままのHPに少しばかりの秋らしさをと、下の茶色とブルーのイメージ画像を載せてみました。(2013年秋としていますが、実際は昨年撮影したものです)
秋の色というと、個人的に思い浮かぶのは、色づく葉や実の色、野菜や果物が熟した濃厚な色。りんごの赤、かぼちゃや葡萄、橙色や朱色に染まる木々の葉。そして、栗やきのこ、枯葉、木の実、焼き菓子などの茶色です。
茶色をあらわす色名には、マロン、チョコレート、ココア、シナモン、飴色、小豆色など美味なものが多く、その仲間にはマスタード(芥子色)、蜂蜜色、琥珀色、ワインカラー、ボルドーなども。まさに茶色は食欲の秋の有能な脇役といってもいいかもしれません。
さまざまな生命を育み、それらが朽ちていった後も受け止め、再び自然の恵みのベースを育てる大地と土の色。茶色は温かさを感じさせほっとする色でもあります。
昔から住居には石や煉瓦、土や木や植物など、その土地ならではの材料が使われてきましたが、かなりの地域で多く使われてきたのが茶系やその仲間です。時代や流行が変わっても茶系がインテリアのアクセントとして根強い人気を誇っているのは、雨風から人間を守り、家族の団らんの背景となってきた住居の色が私達の遺伝子の記憶に刻まれているからかもしれません。
さて、下の画像は少し大きめのブック型の箱。使った布はTHEVENON社製の”Ludivine”というToile de Jouy(トワル・ド・ジュイ)で、”薔薇のガーランドや天使、ブランコに乗る少女の柄でおなじみのフランスの生地です。
色のバリエーションが豊富な人気の生地ですが、大きめの箱ということもあり、淡い茶色がベースの ”Naturel”という色番を使い、さりげなく室内のアクセサリーになってくれるように仕上げました。
内側も淡い茶色とオフホワイトで仕上げ、中に入っているのは茶系のブレードとタッセルです。イガ栗やどんぐり、茸が入っていればもっと秋らしかったのですが・・・。
最初に紹介したイメージ画像には茶色とブルー系を組み合わせていますが、日本の10月初旬の主役はなんといっても青く澄んだ秋の空。穏やかでさわやかな日が1日でも多く続くよう願っています。