あっという間に12月になってしまいました。
上は昨年の12月に撮ったもの。画像などまた追加します。
あっという間に12月になってしまいました。
上は昨年の12月に撮ったもの。画像などまた追加します。
3月初め、窓から見える白木蓮(ハクモクレン)が開花しました。近くのお宅からの借景で、ほとんど見る人がいない場所なのですが、静かに咲いて春を知らせてくれる可憐な姿が清々しくて心に沁みます。
春の陽気を思う存分楽しめないのは残念だけれど、節目の行事を祝ったり、小さな発見に喜びを感じて春を過ごせる事に感謝。←2月に昔の大河ドラマ(血なまぐさい戦国時代)を見ていたので、何事もその時代と比べると超ポジティブ思考になれたりします。
さて、3月3日は桃の節句、雛祭りでした。下は前にこのページで「雛祭りによせて」と掲載した春の画像。「ひな祭り専用の作品」というわけではなく、他の季節にも使えるアイテムだけれど、菱形(ひしがた)の箱だけは、ちょっぴりお雛様を意識して作りました。(2008-2009年制作)
3種類の菱形の箱(桃色、白、薄緑)はそれぞれ違う構造。ピンクとグリーンの箱は、角度によっては男雛と女雛に見える作りで、ピンクの箱の正面は引き出しに。
手前に開くと扇型の引き出しが出てくる仕掛けで、なんとなく着物の袖、袂(たもと)に見立てられるようにしたのでした。(誰も気づかない程度のことなので、ここに記録)
菱餅に使われる桃色、白、薄緑色。それぞれに意味があり、順番も決まっていているそうですが、どの色がどこだったかすぐに忘れてしまします。別に重要ではないけれど、雛祭りの3色ババロアとかゼリーとか作る時は、やっぱり正しい順番で作りたい。そんな時は、自然界をイメージして「薄緑色の草の上には白い雪があって、その上にはピンクの桃の木」と考えると、するりと出てきます。
<ピンクとグリーン、アイボリーの作品 -Toile de Jouy(トワルドジュイ)>
お雛様の「菱餅」にちなんで下に掲載するのは、ピンクとグリーン、アイボリーの作品の写真。和の材料ではなく、西洋の材料を使ったカルトナージュの課題サンプルです。(2010年~2013年頃制作)
教室の課題サンプルを作る時には、手法や手順、大きさ等を変えて3つか4つ作って検証することが多く、その際は「可愛らしいもの」「シンプルでモダンなもの」「クラッシックなもの」「厚い生地」「薄い生地」など複数の材料を使うようにしています。(実用品は色や柄でガラリとイメージが変わるので受講する皆さんの参考になるし、布の厚みなどで作業性も違ってくるため学べることも多いのです)
そんな中、「可愛らしいイメージ」のサンプルとして使うことが多かったのが、ピンク×グリーンの生地。花柄にストライプを組み合わせて一時期よく使っていました。
このシリーズ、課題の種類が多いこともあって結構な数になり、いつも窓前のカウンターに無造作に積んで教室の皆様にはおなじみだったのですが、昨年からはコロナ禍ということもあって片付けてしまっています。(↓は2012年の様子。雑多すぎて全てはお見せできません…)
2017年に撮った下の写真は、ピンクの薔薇と一緒に記録用に撮ったもの。自分でも忘れているサンプルもあって、今見ると「あの課題は花柄でも作ったんだった」と思い出したりします。
上に載っている「眼鏡ケースB」もその1つ。※1
ピンク系の甘いイメージのサンプルも作ったのですが、「縫わずに貼って作るバッグとこもの」の本には下のシンプルモダンの方を載せているし、教室でもそちらを使っています。
メインサイトには下の画像も載せていますが、普段使わないと忘れてしまいますね。
「眼鏡ケースB」は花柄から無地までいろんなスタイルに対応可能です。
日本で春の緑色を表す色名には「萌黄色(もえぎいろ)」、「若草色」などが浮かびますが、英語では「spring green(スプリンググリーン)」という言葉があるようです。
下の緑は「yellow green(イエローグリーン)」「apple green(アップルグリーン)」に近いかもしれないけれど、やはり冬というよりは春の緑。
桜の開花が楽しみですが、今年もまた昔の写真でバーチャルお花見かな?とぼんやり考えています。
寒さが戻ってきていますので、暖かくしてお身体大切にお過ごしください。
柑橘系の果物が美味しい季節。甘酸っぱい美味しさに加え、皮をむいた時にフワッと広がる芳香も、瞬時に脳に届いて幸せ感を味合わせてくれます。
下の写真は前にも紹介したことのあるカルトナージュの「ハウスボックス(ハウス型ツールボックス)」。”家の形の箱”は複数あって、こちらは応用タイプです。
スイートピーの良い香りに包まれながら2009年の春に撮影したものですが、同じ日に撮った複数の作品の写真が残っていて、その中の1つがこちら。
「縦型のツールボックス」として作りかけたものの、訳ありの作品になってしまって、メインサイトに掲載しないままになっていました。
カルトナージュ(厚紙細工)で作れる引き出しには様々なバリエーションがあります。ドアのように開くものや、ダストボックスのように手前にパタンと倒れるタイプなど。
当時、いろいろなタイプの引き出しのを1つの作品に入れるの面白くて、「タッセルトランク」なども作りましたが、上の作品もその1つ。
高層ビルのように縦型にすればスペースも取らないし、様々なテクニックを学ぶ課題としてもいいのでは?と作りかけ、取っ手も付けてみたものの、気に入らずに未完成のまま放置状態。
金具の取っ手は1つしかなかったので、ハウス型ツールボックスに移し、教室の片隅に置いたままになっていました。
そして、時が経つこと8年。ホコリをかぶっていた箱が役に立つ時がやってきました。
この出来損ないのサンプルでもいいと課題に取り組み、しっかりと仕上げて下さったMさんの作品が下の写真です。
そう、この箱、裏表から使えるし、持ち運びもできるので、実は結構便利なのです。金具もぴったりで、上品で素敵な仕上がり。(私のサンプルと交換してほしい…)
思えば、当時(2008-2009年)は両側から使えるカルトナージュ制作に取り組んでいた頃でもありました。ハウス型ツールボックスも両側から使えます。
下は「ハウス型ツールボックス」を受講されたTさんとNさんの作品。屋根のストライプと白壁が爽やかです。
両側の屋根が開き、それぞれに収納できるしくみ。引き出しを開くと可愛い花柄が。
引き出し作りは根気が要りますが、完成した時の嬉しさはひとしお。商品も情報も簡単に手に入る時代になった今だからこそ、自分自身で何かを作ることが楽しいのかもしれません。
少しずつ春めいてきて、ツイードやモフモフのファーなどの暖かな材料とはしばらくサヨナラです。(ステイホームのこの冬はほとんど使わなかったけれど)
週末は気温が上がり、花粉も増えるとか。皆さま、お大事にお過ごしください。
未掲載のハートの作品を2月中にいくつか載せたいと思って、前に撮った写真を見ていたら、昨年夏に見たNetflixのドラマ「愛の不時着」を思い出しました。その理由はこの箱の構造のため…
画像など追加していきます。
2006年頃から毎年2月にはハートがテーマの作品を作ってきました。レッスン課題になっているものもあれば、箱の中でお蔵入りになっているものも。
ホームページに掲載していないものが半分以上あるので、今年は5つほど載せようと思っていたのに、もう2月半ば。
関東では梅も開花し寒さが緩みましたが、北海道や東北、北陸では寒波で雪と氷の寒さが戻ってきているようです。皆様、暖かくしてお大事にお過ごしください。
写真や別のハートの画像など追加していきます。 ↓に梅の箱やつまみ細工、牛のイラストの記事など追加しました。
節分の豆まきも終わり、立春を迎えました。寒さも新型コロナウィルスもまだ油断できない日々ですが、暖かくして元気に過ごしたいものです。
—-以下、2月7日以降に加筆しました—–
上の写真のお菓子は、「金沢うら田」さんの起上もなか。以前いただいたことがあって、あまりの可愛らしさに、その後、自分で取り寄せた時のもの。今見ても、福福しいお顔に心がなごみます。
「金沢うら田」さんには、季節限定の「桜花」という最中もあって、そちらも春らしくてこれからの季節にぴったりです。(前にこちらのページに載せた写真です)
心が和むといえば、2月の初め、知人が写真を送ってくれた湯島天神の梅の花にほっこり。優しいお顔の牛の像にも思わず微笑んでしまいました。昨年からのコロナ禍もあって、眉をひそめることが多い毎日ですが、自分の中の鬼を追い出し、できるだけ笑顔で過ごしたいなと思います。
さて、今回のテーマは梅の花と和の箱です。
<カルトナージュの梅の形の箱と市松模様>
下は、K・Kさん制作の「梅の形の箱」※1。梅の形の箱は選択制の課題で、大きさや材料、内部も自由。洋風の材料で作る方も多い中、和の材料を使って仕上げて下さいました。
金と白の市松模様が赤色に映えて、お正月や春の飾り物にぴったりです。
日本の伝統的な意匠の市松模様。途切れなく続くということから、繁栄を意味する縁起の良い柄としても使われます。
下は東福寺本坊庭園の市松模様。1939年に重森三玲氏が作庭したもので、いぶし銀の石の輝きと苔の緑との対比が美しく、モダンでスタイリッシュな印象も受けます。※2
長く親しまれてきた意匠、デザインは、少しずつ形を変えながら現代、未来へと続いていくのだなあと感じます。
<梅模様の小箱と「つまみ細工」の梅の花>
梅つながりでもう1つ。昨年レッスンを再開した折のこと、上の梅の箱を作ったKさんと「つまみ細工」の話になりました。お嬢様の成人の晴れ着の髪飾りを作ってみようかしらということで、素敵ですねえ、とうっとり。「作ったことありますか?」と聞かれ「簡単なのをほんの少し」と。
もともと和のお細工物(押絵など)は糊を使うものが多いので、端切れとボンドで試してみたことがありました。
下は前に作った「梅の花の小箱」と、余り布で作ってみた「つまみ細工」の梅の花(下手ですね)。花びらが不ぞろいなのは風でなびいている風情と考えればと、写真に残してみたものです。
「つまみ細工」のお花、花びらが沢山あるものよりも五弁の花は粗隠しができない。何事も熟練が必要なのだなあと実感。(・・・そして脱落)
江戸時代から伝わる伝統的な手法ではでんぷん糊を使い、縫う作業が入ることもあったようですが、最近は木工用ボンドなどの接着剤だけで作る方法が広がっているようですね。イヤリングやブローチにしたりと、新しいアイデアや道具、材料によって進化して、未来に引き継がれていくのが楽しみです。
※1 カルトナージュの「梅の形の箱」のサンプルは「お花見と梅型の箱」で紹介しました。
※2 重森氏による庭園設計の経緯の話が面白いので、ご興味のある方は東福寺のサイトからどうぞ
丑年(うしどし)の2021年。今回は、日頃お世話になっている牛さん達への感謝をこめて、ミルクとチーズとバターをテーマに作品などを紹介します。
片付け物をしていると、すっかり忘れていたものが出てくることがあります。「なぜ、これを買ったんだろう?一体何のために?」というような。 下のヴィンテージプリントもその1枚。
フランスの小さな田舎町の蚤の市。印刷物を扱っている露店で、ぱっと目についたものを旅の思い出に、と思って買ったのだろうと思うけれど、はてさてこれをどうするつもりだったのか?
このプリント、手書きの説明には1925年-1930年頃の子供の勉強用のイラスト(教材)と書いてあります。Le lait(牛乳/Milk)という単語だけでなく、乳しぼりや牛乳を運ぶ様子、家畜などが描かれていて、いろいろな言葉が学べそうです。
そいうえば、子供の頃のお気に入りに、安野光雅氏の「あいうえおの本」がありました。子供向けの絵本ですが、絵を楽しみながら謎解きするような感じで、じっくり味わうように眺めていた本。
「あ」のページに美味しそうな”あんパン”や、「た」のページにリアルな”たいやき”が載っていて、本当にお腹が空いてきたり。安野氏の繊細な絵と遊び心が盛り込まれていて、大人になった今でも時々開きたくなります。
<ミルクとチーズと美味しい色 ー教室で皆様が作った作品より>
さて、牛乳の話に戻りましょう。牛乳の旬は冬だそうです。脂肪分が増えて美味しいミルクになるようで、チーズの味などにも影響するのでしょうか?
ずいぶん前(2001年)のことですが、イタリアの小さな町のチーズ屋さんで、モッツアレラチーズ作りを見学させてもらったことがありました。昭和の時代の日本のお豆腐屋さんに通じるものがあって、作りたてのフレッシュなチーズの美味しさは格別。世の中も変わったし、伝統的な手作りのお店はどんどん減っていますが、今でも続いていてほしいな、と思います。(↑のイラストの女の子が持っているミルク容器と↓チーズ作りの入れ物がそっくり)
チーズといえば、思い出すのはAさんの2つの作品。チーズ柄の「小さな丸箱」とイタリア製ペーパーを使った「ツールケース」。
Aさんご持参のチーズ柄の布を見た瞬間「美味しそう♡」と目が釘付け。縁取りのオレンジも、ふっくら仕上がった蓋もチーズの絵を引き立てています。
右のケースはカフェオレ色との組み合わせがぴったり。イラストにはヴィンテージのキッチン用品柄の道具が描かれていて、よく見る”とチーズおろし”や”メッザルーナ”という三日月形の包丁※1もあるけれど、左下の四角い木製の道具が何か???わからない。
調べてみると、イタリアのチーズ削り器(cheese roolling greater)で、くるくる回しながらチーズが削られていく仕組みのようです。ところ変われば道具も変わりますね。
次に紹介するのは、バターやチーズのような黄色やヴィンテージ風の色を使った皆様の作品。
赤、黄色、オレンジは食欲をそそる色。人によって違いもありますが、統計的にも証明されています。元気が出る色でもありますね。レトロな色というのも古い時代の温もりのようなものが感じられて、ここ数年パッケージでもよく見かけます。
経験や記憶と密接に関わっている色の印象。実用品作りでは、自分が使って心地良いのが一番と考えています。
<20年前に作ったミニチュアチーズ>
チーズつながりで、昔作ったミニチュアのチーズの画像を少し。20年以上前(1998-1999年頃)に趣味で制作した後、段ボール箱に入ったままだったのを数年前に見つけて撮影したものです。※2
ちょうどインテリアの仕事をしていた時で、計画→施工→完成までに多くの人手と時間が必要な”家づくり”と比べて、自分の手の中で出来上がっていく粘土細工はストレス解消に役立ちました。
チーズの種類によって色を微妙に変えたり、つまようじの先で穴をあけたり…。今はもうそんな根気は残っていませんが(涙)
チーズのラベルは、古いApple製のMacコンピュータで、wordのソフトを使って1つ1つ作ったもので、粗くラフな仕上がり。
今はミニチュア制作もずいぶん進化して、信じられないほどに精巧になっていますね。(いつかミニチュア作家さんたちの作品展に行ってみたいなあ)
コロナ禍で、旅はおろか外食さえままならない日々の中、美味しいものを食べて感じる小さな幸せが毎日を支えています。あらためて食を支えて下さっている全ての人や自然の恵みに感謝です。
<幸運を招く縁起物のチーズ>
そういえば、下のミニチュアの木箱に入っている白いU字型のチーズ、何という名前だったかな?と思って調べてみたら、馬蹄形を意味する「バラカ」という名前のチーズでした。
ヨーロッパでは幸運を招くシンボルや魔除けにも使われる馬蹄形。「バラカ」は幸運を招く縁起の良いチーズということで、贈り物に使われることも多いそうです。
チーズのイラストの作品をもう1つ載せようと思っていましたが、長くなってしまったので次の機会に・・・。
※1 ハーブや野菜、お肉のみじん切りのために使う三日月形の包丁。
※2 チーズスタンドの棚・秤・ナイフなどは、ドールハウス作家、林渓子氏の設計・デザインを参考に制作したものです。「はじめてのドールハウス/日本ヴォーグ社」1996年発刊
ミニチュア制作は1999年頃に半年ほど続けたものの、楽しすぎて仕事や生活がおろそかになりそうだったので、その後、封印してしまいました。以下は前にこちらに載せたチョコレートケーキです。