カテゴリー別アーカイブ: 季節の花や果物、お菓子など

金木犀の香りによせて-オリエンタルな材料の古い作品

秋晴れの日、窓を開けて金木犀(きんもくせい)の香りが入ってくると幸福感に包まれるのは私だけでしょうか。

秋の過ごしやすい季節がきた!という嬉しさ? 子供の頃の思い出? パブロフの犬じゃないけれど、キンモクセイの香りには脳内に幸せホルモンが出る何かがある気がします。

画像は10月に訪れた「江戸たてもの園」で撮った金木犀。入り口前に大きな木があるのです。

キンモクセイは中国原産。オレンジ色の花びらの形はライラックと似ていますが、桂花茶や桂花陳酒のイメージもあって西洋というよりは東洋の印象が強い花です。

ということで、今回は2004年頃に作った作品の中から東洋の材料を使ったものを紹介します。

上の暖色系の作品は2003年から2004年頃に作ったもの(古いサイトの「About」ページに掲載)。着物地やベトナムやタイのシルクなどオリエンタルな材料を使っています。

ずいぶん前、試行錯誤しながらカルトナージュ作品を作っていた頃はいろいろな材料を試しました。着物用の正絹の生地やシルクは扱いが難しいけれど、独特の質感と深い色が魅力です。

2004年に作った六角形の箱。和紙を使ったもので長年小物入れとして活用。

和紙は好きな材料で、使う度にしなやかさと強さをあわせもつ素晴らしい材料だと実感させられます。

そういえば、金木犀の写真を撮った「江戸東京たてもの園」には和傘のお店がありました。江戸川区小岩の和傘問屋の川野商店。内部は大正末期から昭和初期の店先の様子の再現だそうです。

竹の骨に和紙を貼って、防水のために植物油をしみこませて作る和傘。紙で雨を防ぐなんてすごいアイデアだし、破れたら貼り直してまた使える。そして形が美しい。

「江戸東京たてもの園」を訪れた日はちょうどお茶会があり、お茶席が設けられているお庭や建物の前に赤い野点傘が立てられ風情がありました。

自然の素材だけで美しく機能的に仕上げられる和傘。いつ頃まで普通に使われていたのか調べたら、洋傘の生産量が和傘を上回るようになったのはナイロンやポリエステルなどの化学繊維が使われ始めた昭和30年代だそうです。京和傘の日吉屋さんのサイトに和傘の歴史や作り方など、体験工房などが紹介してありましたので、ご興味のある方はぜひ。

金木犀の話題から「江戸たてもの園」のことを少し書きました。興味深い野外博物館で『千と千尋の神隠し』との関係などまた別の機会に書きたいと思います。

金木犀の香りと江戸東京たてもの園(2017)、『千と千尋の神隠し』の引き出し

オレンジの格子柄ボックス(2005)とボツになった「ゆるカワ」小物

最近の飾りかぼちゃはサイズも形もさまざま。南瓜の形ってもともと可愛いけれど、円盤やひょうたんみたいなフォルムもとぼけた感じで見ていてほっこりします。

12年前の2005年に作ったオレンジ色の収納箱(ブック型の箱)。色が合うので撮った1枚です。

下は当時の写真。カメラも違うし夜の照明なので色が違って見えますね。

3㎜の厚紙で頑丈に作ったので今でも利用しています。お揃いのノートカバーは教室の記録ノート用、もうボロボロですが。

カラフルなチェック柄の布は、テーブルクロス用に売られていたものを旅先で購入したもの。目立つし丈夫なので自分用のグッズとしては良いけれど、ちょっと子供っぽくなるので教室の課題用にはほとんど使っていません。

なので、失敗してもいい作品の試作に使うことが多くて下はその1つ。縫わずに作ったピンクッション「ビスコーニュ」のサンプルです。

2013年に書籍用の仕事で「ボンドで貼って作る小物」を考えている時に夜なべで試作してみたもの。編集者さんとの打ち合わせ用に工程の写真も撮りました。

「ボンドで貼って作るバッグと小物」の本は子育て中のママや忙しいOLさんがボンドを使ってさっと作れるアイテムで…というコンセプトをいただいていていたので「ゆるかわ(ゆるい感じで可愛い)」を目指してみたのですが、あまり上手にできなかった。

下は打ち合わせ用の写真。ふっくらハートやタグなども作り、教室で皆さんに見せたら微妙な反応。特にタグにはダメだしされました。”ゆるくて可愛い”を作れる人に憧れますが難しいですね。「ボンドさいほう上手」を使っています。

結局、書籍用のバッグやポーチは教室用に考えたものが沢山あるのでそちらを掲載することに。↑の小物は本のアイテムとしてはボツでした。

その時考えた「ボンド裁ほう上手」で作る八角形のピンクッション「ビスコーニュ」。ハギレで作れるし、手にのせるとふっくらして個人的には結構気に入っているのです。

だから結構大事に保管していて、先に紹介したオレンジの箱に「ボツになったゆるカワ小物」がこちゃごちゃと入っています。

「ビスコーニュ」の他の作品や作り方は↓のページで紹介しているので、興味のある方はぜひ挑戦してみてください。

ボンドで貼って作る八角形のピンクッション-Biscornu(ビスコーニュ)

雛祭りの手鞠寿司みたいな八角形のピンクッション(ビスコーニュ)-縫わずにボンドで貼って作る方法

春のピンク色、花モチーフ

過去の作品より、花柄やピンクのストライプの組み合わせのコラージュ。教室の皆様にはおなじみの、窓際に無造作に置いてあるシリーズの一部です。

2006年制作のラウンドバスケットやバケツ型の器。

サンプルも古くなってしまいましたが、何とか現役。

一番上のコラージュ画像のバケツ型バスケットはこちらでも紹介しています。

関東は肌寒く雨模様となりましたが、曇り空を背景に見るちょっと憂いをおびた桜もいいものですね。

皆さま、良い週末をお過ごしください。

 

<追記>2017年、晴れた日の桜の写真を追加して、桜と薔薇モチーフの布について書くつもりでした。4月の初めに青空に桜がなびく写真は撮ったのに、あっという間に2年経過。

2019年4月に別の記事として掲載しています。

桜と薔薇モチーフの布1-平成最後のお花見によせて

ピンク×白のストライプ-靴とバッグの刺繍入りミニトランク(2009年)

 

ミモザの日によせて-ミモザの花束とイニシャルモノグラム

2月の終わりに近所の花屋さんでドライフラワーになりかけたミモザの花を見ていたら、「3月8日のミモザの日まではどんどん入ってきますよ!」と声がかかって、ちょっと嬉しくなりました。

3月8日は国連が定めた「国際女性デー」。イタリアではミモザの日として知られていて、男性が女性にミモザの花をプレゼントするなんとも素敵な習慣がある日です。

ずいぶん前の話ですが、偶然3月8日にイタリアに滞在していたことが2回あって(2005年と2009年)、町で小さなミモザの花束を持って歩いている男の人を何人か見かけました。「今日は何かあるのかな?」と不思議に思い、その日がミモザの日だったということを後で知って、その素敵な習慣をちょっとうらやましく思ったのでした。

そんなことを思い出し、もしかしたら風景写真に偶然に写っていないかな?と2009年の画像を見ていたら、なんとなくそれらしいものがありました。(↓下)街角の画像の端の男の人。何やら黄色いものを抱えています。意識して写真を撮った記憶はないので、ミモザの花束かどうかは、正直断言できませんが・・・。

そして、2005年の3月8日の画像は?と探したら、なんと悲しいことに、写真をバックアップ保存していたCDのデータがまるごと壊れてしまっていることに気が付きました。

ミモザの画像はおろか、ほとんど何も残っておらず、見つかったのはたまたま別に保存していた3枚の画像だけ(涙)。そのうちの1枚が3月8日撮影のもので、南イタリア アマルフィ海岸のポジターノという町の画像です。

3月の初めのまだ肌寒い南イタリアは観光客も少なくとても静かで、レモンがたくさん実っていたような・・・。青い空にレモンやミモザなどの輝くような黄色のコントラストは、見ているだけで幸せな気持ちになります。

さて、下のミモザの花束の刺繍は、数年前の冬、春を想いながら刺したもの。子どもの頃覚えたフレンチナッツの簡単ステッチで刺したものがいくつかあって、カルトナージュの箱に仕立てようと思いながら、しばらくそのまま放置。

下はその時の図案のスケッチブックですが、このページの中の6つほどがつたない刺繍となって残っています。

箱に仕立てようと思っていたミモザの花束の刺繍は、最終的に丸いフレームの中に・・・。

このシリーズには他に「ミモザ×イニシャルモノグラム」のものもあるので、そちらは次回に紹介します。

 

<刺繍とカルトナージュ作品>

2006年から2007年頃は自己流の刺繍と組み合わせたカルトナージュ作品を作ってホームページに載せたりしていました。

その後、刺繍のプロの方達が教室にいらっしゃることになり、皆様の素敵な作品に感激。あまりに稚拙な自分の刺繍をHPに掲載するのがおこがましくて放置していたのですが、イマイチなものも失敗作も全て自分の記録なので、そのまま残していこうかなと思っています。

 

新しい年を迎えて(2017年)

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昨年も皆さまと創作の時間を共有し、楽しいひとときを過ごせたたことに心より感謝しています。

2017年が笑顔あふれる素敵な1年になりますように。

ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)、ミニりんご、ヤドリギに願いをこめて

1枚目の画像は酉年にちなんで、雄鶏が描かれたトワル・ド・ジュイのカルトナージュ作品「絵皿のようなフラワートレイ&プレート」です。

***紹介する作品や画像が10年前のものだったり、項目だけ掲載して、後で画像や文章を加えたりと、ゆるゆるのこのサイトですが、今年もマイペースで続けていきたいと思っています。

教室をはじめて今年で12年目。このCami Decor ページを設けたのは2013年なので、なんとか3年(坊主)の壁は越えました***

ちいさなリンゴと宿り木と冬のミニトランク風バッグ(2015年)

4,5年前に旅先で買った赤い起毛模様のインテリアファブリック。イギリスの生地なのですが、大きな作品にするには派手すぎて、数年間使わずそのままになっていたものです。

2014-2015年に「ミニトランク風バッグ」のサンプルを作る際に使ってみたけれど、春夏にはやっぱり暑苦しすぎて、いつも収納の中。

寒い季節になると「ああ、そういえば・・・」とひっぱり出してきます。

なんとなくプレゼントの箱みたいに見えるので、クリスマスアイテムと一緒に撮ったのが上の画像。右端にちらりと見えるのがそのトランクですが、先に紹介したミニトランクとは構造、作り方が全く異なる作品です。

・・・色が合うかな?と、ガラスのトナカイとツリー、大小のりんご、ヤドリギと一緒に撮ったのですが、赤いファブリックの存在感がありすぎて、まるでトナカイが得体のしれないトランクを見て怖がっているような微妙な写真になってしまったので、まずはちょっぴり写っているものをチョイスしました・・・

そういえば、2016年は宿り木(やどりぎ/ヤドリギ)との出会いがたくさんありました。機会を見つけて紹介したいなと思っています。

 

氷みたいなミニクリスマスツリーと赤×白のミニトランク(2009年)

ミニトランクシリーズ(2009年)のサンプルのうち、一番最初に作った作品。ピンクのストライプは以前紹介しました。 →こちら(刺繍入りのミニトランク)

大きさは自由、材料に合わせて考えましょうという課題で、サンプルを4、5個制作。一番最初に作った作ったのがこちらの赤×白、ストライプの作品です。

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メインサイトに使っている画像は6,7年前に撮影したものです。(↓右上の赤い箱の上)

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フラワーモチーフの斜め格子にいろいろな絵柄が入っている赤×白の布を使った作品で、片面には小鳥とお花。

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もう片面には3輪の薔薇(ばら)の花。

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いろいろなバリエーションがあるトランクのシリーズ。せっかく受講していただくのだから、ただのトランクでは面白くないかな・・・と、ちょっと変わった構造にしてみた小さな作品。作り手それぞれの個性や好みがぎゅっと詰まった感じに仕上がって楽しいので、私自身もお教えするのが楽しみな課題です。

下の画像の赤い実はさくらんぼではなく、小さな姫りんご(右上は大きなりんご)と宿り木(ヤドリギ)の枝。今年はなぜか果物や野菜の画像が多かったので、しめくくりに。

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下は過去に掲載したクリスマスと赤い色をテーマとした画像。クリックすると記事が開きます。