カテゴリー別アーカイブ: 裁ほう上手で作る小物

東京日暮里の帆布(ハンプ)のお店 -ハーブポット柄と帆布のバッグ

2014年春に発売された『ボンドで貼って作るバッグとこもの』の本。

もともと教室用に作っていた芯(樹脂芯、紙)を使ったバッグや小物だけでなく、コニシさんの「ボンド裁ほう上手」を使ったシンプルなバッグも入れてほしいという要望があって、いくつかの作品に帆布(ハンプ)を使っています。

Camidecor1667糊のきいた厚い帆布(ハンプ)の場合はボンドがつきにくい時もあるので、ミシンで縫った方が早いという人もあると思います。確かに裏地無しの1枚仕立ての場合は、ミシンの方が安心かもしれません。(ボンドがしっかりつく薄い布の時は1枚仕立てでもOKです)

本に紹介しているのは2枚仕立ての方法。内側の裏地部分にボンドでしっかり接着できる布を使って2重にすることで、強度が向上するのです。

『貼って作るバッグとこもの』シリーズは、全てのアイテムを裏地付きにして、強度が向上するように考えています。(上はフリル巾着、ファスナーポーチ、クラッチバッグ)

※本に載せた寸法や縫い代はミシンの場合にも応用できます。ボンドでもミシンでも、簡単バッグや小物を裏地付きで作りたい時には参考にしてみてください。

 

<東京都内 おススメの帆布のお店 -帆布(ハンプ)についてのお問い合わせより->

本の発売後、九州の読者の方より、本の中で使った帆布(ハンプ)のお店と品番についてのご質問があったので個別に返信しましたが、同じ内容ををこちらにも記載します。

●茂木商工 さん

〒116-0014 東京都荒川区東日暮里4-14-13

http://mogi-shoko.jugem.jp/
http://www.mogi-shoko.co.jp/canvas.htm

東京の日暮里繊維街にある帆布(ハンプ)のお店。実際に色や厚さを確かめながら購入することが可能です。お店は工房のようになっていて、素敵な帆布(ハンプ)製品も作っておられるので、オーダーしたい方にもおすすめです。(遠方の方の場合でも対応可能のようです)

下のフラットバッグ(2wayバッグ)の色番のご質問もあったので資料をひも解いて調べたところ、84番のアイスグレーという色番でした。(厚みは8号です)

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<スウェーデンのハーブポットの布>

ハーブの鉢植えの布は、北欧ファブリック。スウェーデンの老舗テキスタイルメーカー、Almedahls(アルメダールス)社の製品。女性テキスタイルデザイナー、Astrid Sampe(アストリッド・サンペ)氏によるハーブポットのシリーズです。

バッグを作る時、まず最初の「基本のキ」はフラットバッグです。そして、2通りの形、いわゆる2wayで使えるフラットタイプは少し応用が入るタイプ。最初は作品例も無地にしようと思ったのですが・・・

アクセントになるし、ポケットと本体の境目がわかりやすいのでポケットの部分に柄を入れることにしたのです。

大きさがちょうど良いので、ハーブポットの布を使うことにしたものの、作品制作の時に悩んだのは本体の色。すごく忙しくて作業が真夜中になったりして、頭もボーっとし、だんだん何が良いのかわかななくなってきて・・・。

下は「こんな感じはどうでしょうか?」という打ち合わせの時の写真ですが、写真の撮り方や並べ方が雑ですね。最終的にはスタイリストさんに意見を聞いて、春らしいアイスグレーの布と組み合わせることになったのでした。

 

しっかりとした安心感があってナチュラル。カジュアルで若々しい雰囲気になる帆布(ハンプ)のバッグ。下の記事ではアイボリーの帆布(ハンプ)を使った作品を紹介しています。

ボンドで作るスマホケースとバレルバッグ(筒型バッグ)

 

・・・こちらの記事は2015年に書いたものです。記事内容をカテゴリー分けするために、2011年の欄に書いています(サイトの形式上、日時が記載されてしまい紛らわしくて申し訳ありません)。

 

縫わずに「ボンド裁ほう上手」で作る簡単ファスナーポーチの作り方-裏地無しタイプ(1枚仕立て)

針や糸、ミシンなしで、縫わずにボンドで貼って作るファスナーポーチ。

2014年に発刊された『ボンドで貼って作るバッグとこもの』の本には裏地をつける2枚仕立てのタイプの作り方を紹介しました。

honobi1書籍に載せた作り方については、教室の課題としてお教えしている教材でもあり、出版社さんから書籍として出していただいているという事情があって、このページで全て紹介することはできないのですが、以下に作品例などを載せています。

工作(クラフト)感覚で作る方法なので、カルトナージュで接着剤に慣れている人はぜひ挑戦してみてください。

ボンドで貼って作るファスナーポーチと巾着-工作(クラフト)方式で作る新しい方法

 

一方、「いきなり裏地をつけるタイプは面倒、まずは簡単なものから試してみたい・・・」という人は『裏地無しの一枚仕立て』のタイプからスタートしてみましょう。

下の写真のように、3工程なので簡単です。

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1枚仕立ては裏に糊代(のりしろ)が出ますが、見た目は裏地付きのポーチ(2枚仕立て)と同じように仕上がります。ボンドで貼った部分は多少固くなってしまいますが、縫い目(ステッチ)が出ないのですっきりした仕上がりになります。

 

<ボンドで作るファスナーポーチ(裏地無しの一枚仕立て)の作り方>

まず、材料と道具を準備しましょう。布、ファスナー、接着剤さえあれば、ほとんど身のまわりにある材料で作れます。

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<材料選びのポイント>

◇布: 芯地を入れずに1枚仕立て(裏地無し)で作る場合は、ある程度の厚みのある布を選びましょう。帆布(キャンバス地)やデニムなどもOK。ナイロン、ポリエステルなどの化学繊維は接着しにくいので、綿や麻の自然素材を使用します。リバティなど薄手の布で作る場合は、裏地付きの2枚仕立てがおすすめです。

ファスナー:ファスナーの布部分の素材は自然素材(綿や麻)が接着しやすく良いのですが、市販のものはポリエステルがほとんどです。しっかりとアイロンで圧着することで剥がれを防ぎましょう。

◇接着剤: 布だけで作る場合は、コニシの「ボンド裁ほう上手」がおすすめです。アイロンを使うのがちょっと面倒ですが、自然素材の布と布ならしっかり接着できるからです。使用した場所が少し硬くなるのが難点ですが、ボンドなのに水洗いができるのは良いところ。芯地を入れる場合は、芯地の種類によって接着剤を選びましょう。

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① 作りたいポーチの大きさに合わせて、ファスナー、布(のり代を加えた大きさ)を用意します。糊(のり)代は1.5㎝程度ずつあればOKです。

② ファスナーをつける側の布の糊(のり)代を上下とも裏側に折り、ボンドで接着します。糊(のり)代を折る時は、画用紙をあてアイロンをかけるとまっすぐに綺麗に折れます。「ボンド裁ほう上手」を使った場合は、必ずアイロンで圧着しましょう。

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③ 側面の糊(のり)代は、アイロンをあててあらかじめ折っておくと、後半の作業がしやすくなります。のり代の折り線の位置は、金具の端から2,3mm程度を目安にします。※布の厚みによって若干変わります。

④ ②で貼ったのり代(布裏側)にボンドを塗ってファスナー表側に貼り、アイロンでしっかり圧着します。ファスナーのスライダーがスムースに動くよう、ファスナーテープと布の間が狭くなりすぎないよう注意してください。

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⑥ 片側が終わったらもう一方も同様にファスナーに貼り、上の画像のように筒状にします。

⑦ 側面ののり代を内側に折りこみ、用途に合わせてファスナーの位置(下図参照)を決めます。のり代にボンドを塗り、しっかり貼り合わせてアイロンで圧着して完成です。

<ファスナーの位置について>

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ファスナーポーチは、ファスナーの位置によって使い勝手が変わります。入れる物や用途に合わせてファスナーの位置を決めましょう。

ポーチが完成したら、飾りなどはお好みで。使い勝手重視でシンプルなままにするもよし、リボンやブレードを貼って可愛くしてもよいでしょう。ブレードやリボンは、素材にもよりますが、貼ってつけることが可能です。

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上の方法で1枚仕立てのファスナーポーチが簡単に作れます。ここまでの作り方をクリアした人は、裏地付き(2枚仕立て)や応用アイテムに挑戦して下さい。

 

<しっかりした裏地付きのポーチを作りたい人は・・・>

せっかく作るなら、可愛い裏地をつけたい、構造的にしっかりしたものを作りたい、という人も絶対多いはず。・・・と思って考えたのが、上で紹介した『貼って作るバッグとこもの』の本に載せた「裏地付き(2枚仕立て)のファスナーポーチの作り方」です。

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工作のように”糊代(のりしろ)”を貼って作っていく方法で、内側もきれいに仕上がるのが特徴です。ボンドの接着性だけに頼るのではなく、構造的にもしっかり強度が出るよう考えているので、ぜひいろいろな大きさで作ってみてください。

<ワークショップやレッスン受講、通信講座など>

「貼って作るバッグとこもの」のアイテムは教室でも受講していただけます。ご希望の方はこちらからお問い合わせください。※追記(2020年11月):遠方の方からのご希望があり、現在、通信講座やオンライン講座についても検討しています。

以下は2015年の春にYKKさんの「ものづくり館」でワークショップを依頼された時のもの。ちょっと珍しいヴィンテージ復刻ファスナーを使ったワークショップで、初めての方でも無事に仕上げていただきました。

YKKのヴィンテージ復刻ファスナー「OLD AMERICAN」とワークショップのお知らせ

 

縫わずにボンドで作るファスナーポーチ(裏地付)-ワークショップのキット作り

 

<その他 応用アイテム>

◇縫わずにボンドで貼って作る三角ファスナーポーチの作り方(裏地無し1枚仕立て)

三角ファスナーポーチ(裏地無しの1枚仕立て)の作り方-ボンドで貼って作る方法

 

三角ファスナーポーチ(裏地無しの1枚仕立て)の作り方-ボンドで貼って作る方法

三角ファスナーポーチ(裏地無しの1枚仕立て)をボンドで貼って作る方法です。ペタンとしたフラットポーチの応用で簡単に作れるので、以下手順を紹介します。

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「最初から三角ファスナーポーチは難しい・・・」という人は、まず「三角オーナメント(タッセルやピンクッション)」を作って、構造や手順を理解するのがおすすめです。

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フラットなファスナーポーチや三角タッセルをクリアした人は、ぜひ三角ポーチに挑戦してみてください。

最初はフラットファスナーポーチ(1枚仕立て)の作り方 と同じです。ファスナーの長さと側面の比率によって三角錐(すい)の形が違ってくるので、広告の紙や新聞紙などで型紙を作り、形をチェックしてから作ると良いでしょう。布だけで作る場合は、「ボンド裁ほう上手」+アイロンで圧着する方法がおすすめです※1

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⑦布にファスナーを貼って筒状にしたら、引手金具側の側面(上画像の左側)の糊しろ同志を貼り合わせます。ループやリボンをつける場合は、一緒にはさんで貼っておきます。

⑧ファスナー側の端(★印)を、底の端(★印)に合わせると、立体の三角錐(すい)になります。その部分の糊代をしっかりと貼り合せれば完成します。

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<2枚仕立て(裏地付き)の三角ファスナーポーチを作る場合>

市販されているポーチは1枚仕立て(裏地無し)も多いのですが、下の画像の三角ポーチは全て裏地付き(2枚仕立て)です。

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裏地無しの1枚仕立てはとても簡単なのですが、裏地をつける場合は、もうひと手間かけて細かく丁寧に作業する必要があるので、こちらは教室の課題(必修ではなくご希望者のみ)になっています。

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