『インテリア茶箱の世界』 -華麗で美しい茶箱の本の紹介

4月に入って少しずつ暖かくなり、まさに春爛漫の日本。今回は桜の季節にぴったりな美しい本を紹介します。

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タイトルは『美しく暮らすための上質収納 -インテリア茶箱の世界』。著者はパイザー真澄さんとインテリア茶箱クラブ

教室でカルトナージュを学んで下さった5人の方が、茶箱クラブのベテランインストラクターとして素晴らしい作品を掲載しておられる本です。

表紙には、繊細で美しい手描き京友禅で仕立てた雅なインテリア茶箱。ページをめくると、華麗な茶箱の世界が広がります。インテリア茶箱クラブを主宰しておられるパイザーさんの茶箱への熱い思い、そして、茶箱クラブのインストラクターの皆さんの素敵な創作作品がぎっしり詰まった素敵な1冊です。

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インテリア茶箱については、百貨店や展覧会などでご存知の方も多いと思いますが、初めて知ったという方は、インテリア茶箱クラブのこちらのページ へどうぞ。

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<茶箱とカルトナージュの違いについて>

このCami Decorのページで紹介してきたカルトナージュ(Cartonnage)紙の工芸です。接着剤を使って作るいわゆる厚紙細工で、大きさやデザインなどの設計からスタートします。(私が取り組んでいる大型収納や家具も、カルトナージュとはちょっと違いますが、軽量にするためにを使って作っています)

インテリア茶箱の”茶箱”は古くから日本でおなじみのお茶の葉を入れるための木の箱のこと※1。内側に金属が貼ってあることで防湿などに優れ、保存性が良いことで知られていて、茶箱に保管された昔の作家の古い資料が状態の良いままで発見され、話題になったこともあるほどです。(茶箱クラブの美しい箱は、でできた茶箱に布を張って仕上げられています)

という材料の違いもあって、インテリア茶箱とカルトナージュはそれぞれ作り方が違いますが、布合わせやタッセル、ブレードの装飾など共通することも多いため、両方に挑戦したことのある人も少なくないのではないでしょうか。(下の画像はタッセルのコレクションの中の大きめのもの。大きい箱に合うサイズです)

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・・・と、まるでよく知っているように書いてしまいましたが、実は私自身はインテリア茶箱を作ったことがありません。※2  布張り茶箱を知ったのは10年以上前なのですが、その後、2005年より開いたカルトナージュ教室(Atelier Fa-Decor)に通って下さった5人の皆様がインテリア茶箱クラブの講師(インストラクター)になられたことで、いつでも習いに行けると思いながら機を逃してしまっています。

でも、幸運にも5人の皆さんを通して、パイザーさんやスタッフの皆様の茶箱への情熱、作品や書籍に間接的に触れる機会があって、そのクオリティーの高さや幅広い活動にずっと尊敬の念を抱いているのです。

また、茶箱にはインテリアファブリックが使われることも多く、昔インテリアの仕事をしていた時の布の装飾(カーテンや家具の布選びなど)に共通する要素があって、そういった意味でも親近感があります。

下の画像は、本の裏表紙。海外のインテリアファブリックを使った作品が素敵です。和から洋まで幅広い創作の世界が楽しめるのも魅力の1つでしょう。

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<素敵に広がるインテリア茶箱の世界>

今回出版された『インテリア茶箱の世界』には、テーマに沿った作品紹介のほか、インストラクターの皆様45名の作品&活動紹介のページがあって、素敵な作品がたくさん紹介されています。それぞれの個性を限られたページの中で表現するのは大変だったと思いますが、どのページにもクリエイティブなアイデアがちりばめられ、「茶箱という形や大きさの制約があるからこそ広がる創造性」を感じました。

小さな写真で見ても丁寧な仕事が伝わってくるので、昨年末の作品展に伺えなかったのがとても残念です。そして、これだけの個性溢れる皆様の作品や茶箱の魅力を1冊の本にまとめることがどんなにか大変だったかを思うと、主宰された方やスタッフの皆様に頭が下がる思いです。

違う色の花が咲き乱れながらも美しくまとまっている世界って、自然くらいの懐の深さというか、包容力がないと難しいかもしれません。

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<教室に通って下さったインストラクターの皆様と素敵な作品ページ>

本の作品ページでは、教室でカルトナージュを学んで下さった方々も素敵な作品を披露しておられます。

それぞれに個性的で、好きなテイストや得意なジャンルは異なる5人の皆様。でも多彩でエネルギッシュ(&力持ち)なところは共通です。技術やセンスに加え、お人柄も素敵で楽しい方達なので、機会があったら、インテリア茶箱や様々な手工芸などぜひ習ってみてください。

以下は3年以上教室に参加して下さった皆様とアトリエ名です(苗字のアイウエオ順)。今後も素敵な作品&ご活躍を楽しみにしています!(下は作品展のカードなど)

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★ Iさん Atelier RIBBON 主宰 ・・・P24 (Number06) ・・・2005年からのお付き合い。手工芸からお料理まで多彩な創作活動と優しく楽しいお人柄が素敵な人生の先輩です。美しい茶箱へこめた思いに感動。

★ Oさん Alice Rose 主宰 ・・・P76 (Number26) ・・・おっとりした優しさ+鋭い審美眼で洗練されたセンスの作品を生み出しておられ、茶箱の脚にまでこだわりが・・・(←注目です)。 チャリティーフェア(自由が丘)のお知らせでも紹介させていただきました。

★ Kさん Grace 主宰 ・・・P44 (Number13) ・・・刺繍やレース編みと組み合わせた、うっとりするほど優雅で美しい茶箱。創作に加え、講師など多方面で有能でおられ、2冊の書籍やカルトナージュの外部講座では本当に助けていただきました!

★ T(T)さん Art of Living 主宰 ・・・P20(Number04) ・・・多様な手工芸を学んでおられ、茶箱には可愛がっておられるペットや馬への愛が溢れています。カルトナージュでも馬のモチーフを素敵に使っておられたのを思い出します。

★ T(M)さん anniversaire-fantargo 主宰 ・・・P52(Number52) ・・・芸術家肌で決断力バツグン。和から洋まで独自の世界を持っておられます。インテリア茶箱の旗の台本教室で講師をされているので、本教室で習いたい方はぜひ!

 

インテリア茶箱を作ったことのある方はもちろんですが、布箱に興味のある人には目の保養にもなる素敵な本。華やかな日本の春にふさわしい1冊です。Camidecor1740-3

 

※1 「茶箱」というと茶道の茶箱(茶道具一式を入れて持ち運んで使用するもの)が思い浮かぶ方もあると思いますが、ここで紹介する茶箱は、お茶の保管、輸送に使われた白木(塗装していない木材)の箱のことです。

※2 今までCami Decorやメインサイトで紹介した大型の収納箱(教室の隅に複数置いてあるもの)は、茶箱に似ていますが、持ち運べるよう軽量にするため、紙で作った収納です。材料や構造が違うので、茶箱とは異なる方法で仕上げています。

春を告げる黄色い花と黄色のバッグ

ミモザ、菜の花、水仙、黄色いパンジーなど、春を告げる黄色い花。黄色って、見ているだけで明るい気持ちになります。

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以前このページで紹介した、黄色をアクセントに使ったバッグやカルトナージュの画像。クリックすると関係のある過去記事やAtelier Fa-Decorのページが開きます。

このページを始めて3年。今さらながらですが、いくつかの機能の使い方を覚えたので、上の方にメニュー(ナビゲーションメニューと呼ぶらしい・・・)を設けてみました。・・・「作り方」の項目などを探す時にはメニューからどうぞ。

また、昨年の秋冬から途中になったまま未掲載の画像がいろいろあるので、下のページ(↓)に随時追加し、少ししたら秋冬に移動するつもりです。(季節に逆行しますが、作品の記録&紹介画像なのでお赦し下さい)

桃色の宝箱と桜色の玉手箱-ひな祭りによせて

日本の春の色、桃色、桜色。もやっと春霞のかかった空の色。そんな春の雛祭りから桜の季節にかけて飾っておける作品を・・・と以前作った2種類の箱。

今回紹介するのは、季節ものでなかなか出す機会がない「箱入り娘」ならぬ箱入りの箱です。

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箱の周りにちりばめた小さな丸いボールは、ミニ手鞠をイメージして作ってみた和の細工物。お正月の繭玉のような飾りとしても使えます。

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全体像はこんな感じ(↓)で、左上は教室の課題にもある宝箱(トレジャーボックス)の小さいタイプ。

右下の文箱のような形の箱は、宝箱と同じく片方から開く収納箱なのですが、家族に「玉手箱?」と聞かれたのを機に玉手箱に・・・。絹糸でタッセルを作り、紐で結んでみたら、それらしくなりました。

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昔話といえば、先日の教室でも話題に出たauのCM「三太郎シリーズ」。誰もが知っている昔話の主人公たちの今っぽい軽妙なやりとりが面白くて、つい見入ってしまう映像です。考えてみると、日本の昔話って、絵本やアニメではおなじみだけれど意外に実写化されていない。だから、リアルな衣装や竜宮城なども興味深くて、なおさら新鮮なのかもしれません。(犬が大判小判を掘るシーンになんだか感激・・・今後登場してほしい昔話もいろいろ・・・)

ところで、物語の中の箱って、浦島太郎の玉手箱、ギリシャ神話のパンドラの箱、ファウストの宝石箱や舌切りすずめのつづらなど、ちょっと怖い箱も少なくないけれど、今回紹介した「玉手箱」は、春を呼ぶ桜色のHappy Boxとして作ったので、開けても大丈夫ですので、念のため。

 

***昨年末よりこちらのサイトが冬眠状態でしたが、春になったので(?)また少しずつ画像を追加していきます。12月から2月に掲載するつもりだった画像や、インテリア茶箱の素敵な新刊本の紹介、バッグと小物の画像なども・・・・***

冬に活躍する黒やツイードのバッグと小物

冬に活躍したツイードやフェイクファー(人工の毛皮)を使った自分用のバッグや小さな財布。中でも旅行用に細かいサイズを考えて作ったものは、かなり便利に使っています。

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教室用の課題サンプルや書籍用にはあまり使わない黒い色の作品。なぜなら黒って印が見えにくいし、サンプルとしては構造やディテールがわかりにくかったりするのです。

とはいっても洋服やコートに合わせたり・・・を考えると黒いバッグは冬の必需品。同じ黒でも材料によって雰囲気が変わるので、TPOに合わせた材料選びが楽しめます。

下はイギリスのツイードを使ったバッグや小物から。Camidecor1723-3

シャネルバッグのイメージが強いLinton(リントン)社のツイードですが、オレンジの糸が入ったツイードのミニバッグ(スマホサイズ)はブリックタイル(煉瓦)の建物の色にも合うような気がして、風景とコラージュしてみました。

<画像の15アイテム>

四角いトートバッグ(ポケット付)、ファー付の台形バッグ、クラッチショルダーバッグ(黒ツイード)、角型ショルダーバッグ(カメラケースにも)、クラッチバッグにもなるポーチ、ツイードミニバッグ(ファスナー)、半円ポーチ、小さなお財布2種 など

冬の日のフェイクファーバッグ -ゼブラ柄やファーのポンポン

光沢のある暖かなファーの小物は寒い冬にぴったりのアクセサリー。

バッグやポーチもフェイクファーをちょっぴり使って作るだけで、冬のアイテムとして活躍してくれます。

下の画像はファーを使ったバッグと小物を旅先の写真と組み合わせてまとめたもの。左から2つ目の白黒のバッグは6,7年前に旅先で買ったゼブラ柄の生地。シマウマの模様だけでなく毛皮みたいなテクスチャーが心地よいファブリックです。

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ゼブラ柄は冬でなくても使える柄ですが、白と黒のふかふかの生地は雪景色に良く合うので、冬の画像と組み合わせてみました。

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当時、普段はあまり使わないアニマル柄のフェイクファー生地を10㎝単位で少しずつ買ったのですが、何を思って買ったのか、白と茶のコンビの牛柄(?犬の柄にも見える?)の生地だけ1mくらいあるのです。(大きな箱を作ろうとでも思ったのかな?)

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教室の皆様、牛柄を使ってミニポーチなど作りたい方(?)は少しずつお譲りしますので、ご遠慮なく。アニマル柄って小物にすると可愛いのです。

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1枚目のバッグは下の記事でも紹介しています —ボンドで貼って作るバッグと小物-アドバンス(応用作品)—

フェイクファーのバッグと緑色の紙ばさみ(袱紗)-過去のクリスマスリース

雪の日のほっこり小物 -小さな贈り物(マカロンポーチ)

風が冷たい冬の日、部屋にこもって手仕事をする楽しみ。好きな音楽を聴いたり、時々温かいお茶を飲んで休憩しながら誰にも邪魔されずに。

下はお世話になった若い人へ、小さな贈り物として作ったマカロンポーチ。※1 丸い形に感謝をこめて・・・。はさみ入れは自分用。Camidecor1726

フランスのLES TOILES DU SOLEIL(レ・トワール・デュ・ソレイユ)の水色の生地※2を使っています。縫わずに貼って作るファスナーポーチもお揃いで。

寒い季節にはファッションに合わせてバッグと小物も冬支度。

ミシンでは縫いにくいツイードやファーのバッグも切って貼って組み立てる方法で作ります。

縫わないバッグ(No Sewバッグ)の良さは、工作のように楽しく作れて便利に使えるところ。ミシンを出すのが面倒な時や、音楽を聴きながら静かに手仕事を楽しみたいときにぴったりのクラフトです。

※1 ファスナーを使った「貼って作るバッグと小物」「縫わないバッグやポーチ」は簡単なものから難しいものまでいろいろあって、最初に紹介したマカロンポーチも教室の基礎課題の1つです(選択制)。

<貼ってって作るファスナーポーチ/バッグいろいろ>・・・一部はアドバンスのメニュー。メインサイトの画像にも少し載せています

・フラットポーチ2種(裏地付き)、・キャラメルポーチ、・マカロンポーチ、・筒型ポーチ/バッグ、・三角ポーチ、三角ペンケース、・手帳型ポーチ/バッグ、・半円ポーチ/バッグ、・コの字ポーチ、台形ポーチ/バッグ、・楕円錐のポーチ、・立方体のポーチ、シェル型の立体ポーチ、・ボストン型(四角、山型、三角型)など

※2 LES TOILES DU SOLEIL(レ・トワール・デュ・ソレイユ)の水色の生地を使ったハウスボックスの作品は以下のページで紹介しています。

ハウス型ボックス4種とお菓子の家(2009)

バッグと小物・秋から冬へ -茶色と葡萄色、フェイクファー

秋から冬にかけて使いたくなるワインカラーやボルドー、葡萄色。そしてブラウン、ベージュ、麻色、カーキ、暖かなフェイクファーや起毛生地の出番も多くなります。

栗や葡萄が美味しい季節になると茶色や赤紫色を手に取りたくなるので、毎年少しずつ増えていく秋色のアイテム。

1枚目の画像はパープル系とグレーのファブリックを使った作品のコラージュです。赤紫×サンドグレーのポーチやバッグは「バッグと小物・アドバンス」の教室の課題サンプルです。

次のコラージュはこげ茶やボルドーを使った古いサンプル作品。いつも使う色ではないけれど、木々が色づく頃に恋しくなる組み合わせです。

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封筒ポーチの試作(2005年)、カルトナージュのバッグ類(2010年)、筒型バッグ(2008-2009年)、トラベルミニトレイなど。教室の皆様にはおなじみですが、このCami Decorサイトには未掲載だったのでまとめてコラージュ画像にしてみました。

上から2つ目のカルトナージュのクラッチバッグ(軽量ポーチ)は2011年に「和紙で作るカルトナージュ小物」の本の中で、教室の作品紹介の欄に掲載したものです。(後ろは「仕切り付の蛇腹ファイル-バッグ型ケース」、左横は「巾着バッグ」)

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最後のコラージュ画像は茶系のフェイクファーを使った作品。

フェイクファー(人工の毛皮)と本物のファー(毛皮)にはそれぞれ長所と短所があって、それを考慮しながら使い分けています。

バッグと小物のシリーズは、いくつかの理由からフェイクファー(人工の毛皮)が適していることも多くて下の画像はそんな作品。自分で使うために作ったもので、キリンのファー生地など使っています。

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キリンの柄って好きなのですが、かなりインパクトがありますね。毛足の長いふかふかした手触りが心地よく、キリンの長いまつ毛と優しい眼差しが思い出されるので、個人的には気に入っています。

下は今までCami Decorで紹介した茶色と葡萄色の画像。クリックすると本文へ移動します。